平家物語:新ビジュアルに琵琶法師の少女の横顔 「物語を語ることへの再宣言」 山田尚子監督のテレビアニメ

テレビアニメ「平家物語」のビジュアル(C)「平家物語」製作委員会
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テレビアニメ「平家物語」のビジュアル(C)「平家物語」製作委員会

 琵琶(びわ)法師によって語り継がれた古典が原作のテレビアニメ「平家物語」の新たなビジュアルが9月15日、公開された。ビジュアルには、主人公の琵琶法師の少女・びわの横顔が描かれた。約15秒のPVも公開され、「平家物語」の冒頭の「祇園精舎の鐘の声……」を読む声と共にびわらキャラクターが登場し、平重盛の「びわ、お前のその目には何が見える」というせりふが流れた。

 アニメは、作家の古川日出男さんが「平家物語」を現代語訳した「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09 平家物語」(河出書房新社)をベースに描かれる。古川さんは「日本人の誰もが知るはずの『平家物語』を、ほとんどの人間は誤解していると私は思う」と話し、「通読してみれば、そこには『戦争をすることは悲しい。恐ろしい』と訴える感情が充満していると分かる。『戦死者たちを鎮魂しなければ。あらゆる死者たちを弔わねば』との切実な思いにも満ちている」とコメント。

 「そして、戦場では主役となる男性たち以外に、そうした現場には立つことの少ない女性たちのドラマも描かれているのだという事実。一体誰が、『平家物語』の主役は女たちでもあるのだ、と理解したか? 私は『このテレビアニメ版は、したぞ』とここに断じる。それも鮮烈にだ。痛烈にだ。原作の『平家物語』が秘めていた決定的なポイントにこのアニメ版は迫っていて、だからこそ視聴する私たちの胸にも迫る。主役のびわは、あなたの琴線を鳴らす」と話している。

 脚本を手がける吉田玲子さんは「この座組でこのタイトルをやるということに、わくわくしました。山田(尚子)監督で『平家物語』。高野文子先生がキャラクター原案(『棒がいっぽん』という短編集はどれだけ読み返したかわかりません)。そして脚本を書き終えた時、これは我々の『物語を語ることへの再宣言』なのだと感じました。栄え滅び、時代は変わり、人は命を終える。ですが、物語はきらめきを保ったまま、生き続ける。そこに勇気をもらいました」とコメントを寄せている。

 キャラクター原案の高野さんは「はじめに重盛さんを描きまして、次に平家の兄弟さんを、歳の若いほうから順に描いていきました。どの人もハンサムで、私のマンガには出てきようのない、すてきな男性ばかりなんですよ。作業の中程で、監督の絵コンテを見せてもらいました。両のお目々が離れ気味の、まん丸顔が、用紙のあちこちに描かれていまして、それが『びわちゃん』だと分かった時など、うれしかったですね。新鮮な体験をたくさんしました。機会をくださった皆さまに感謝いたします」と話している。

 音楽を担当する牛尾憲輔さんは「作曲に手を付けるより以前、アニメ『平家物語』はどういう作品なのかずっと考えていました。多数の登場人物、大きな歴史の流れ、という物語に対峙(たいじ)すると、どこから手を付けていいのか、音楽は何を描けばいいのか、大変苦慮していました。しかし、この物語は大きな歴史物語以上に、(監督の言をお借りすれば)“確かに生きた人たち”の、一つ一つの物語でありました。喜び、怒り、哀(かな)しみ、笑った一人一人のお話です。その全てと共にあった音楽であれ、と願っています」と思いを語った。

 「平家物語」は、平家の栄華、没落を描いた古典で、初めて連続テレビシリーズとしてアニメ化される。作家の古川さんが「平家物語」を現代語訳した「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09 平家物語」(河出書房新社)をベースに、琵琶法師の少女・びわの視点で描く群像劇となる。平家一門が栄華を極めようとしていた平安末期、亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、「お前たちはじき滅びる」と予言される……という展開。

 劇場版アニメ「映画 聲(こえ)の形」「リズと青い鳥」などの山田さんが監督を務め、「若おかみは小学生!」などの吉田さんが脚本、マンガ家の高野さんがキャラクター原案、牛尾さんが音楽を手がける。「夜は短し歩けよ乙女」「映像研には手を出すな!」などのサイエンスSARUが制作する。悠木碧さんが主人公で語り部となる琵琶法師の少女・びわを演じるほか、玄田哲章さんが平清盛役、櫻井孝宏さんが清盛の長男・重盛役、早見沙織さんが重盛の妹・徳子役で出演する。

 2022年1月からフジテレビの深夜アニメ枠「+Ultra(プラスウルトラ)」で放送される。9月15日に動画配信サービス「FOD」で先行配信がスタートした。

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