谷口ジローさん:大規模個展「描くひと 谷口ジロー展」 貴重な原画200点 未完の「光年の森」も

谷口ジローさんの個展「描くひと 谷口ジロー展」で展示されている「『坊っちゃん』の時代」の原画(C)PAPIER
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谷口ジローさんの個展「描くひと 谷口ジロー展」で展示されている「『坊っちゃん』の時代」の原画(C)PAPIER

 マンガ「孤独のグルメ」などで知られる故・谷口ジローさんの大規模個展「描くひと 谷口ジロー展」が、10月16日に世田谷文学館(東京都世田谷区)でスタートした。1971年にマンガ家デビューした谷口さんの初期の作品や、闘病期間中に描き始め、未完となった「光年の森」などの貴重な原画約200点が展示されている。

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 個展では、1970~2010年代の谷口さんの代表作を展示し、マンガ家としての軌跡を振り返る。展示は6章に分かれ、第1章「漫画家への道のり」では、「声にならない鳥のうた」や初期の絵本などを展示。第2章「70年代~80年代 共作者・原作者とともに時代の空気を描く」では、関川夏央さんとの共作「事件屋稼業」、狩撫麻礼さんとの共作「青の戦士」などが展示される。

 第3章「第3章・80年代 動物・自然をモチーフに拡がる表現」では、軍用犬ブランカの物語「ブランカ」、SF長編「地球氷解事紀」など動物や自然をテーマにした作品が並ぶ。第4章「90年代 多彩な作品、これまでにない漫画に挑む」では、せりふがほとんどない「歩くひと」、谷口さんが死にゆく愛犬を描写した「犬を飼う」など、谷口さんがこれまでマンガにされにくかった題材に挑んだ作品群を展示。

 第5章「2000年代 高まる評価、深化する表現」では、夢枕獏さんの小説をマンガ化した「神々の山嶺」、川上弘美さんの小説が原作の「センセイの鞄」などが並ぶ。第6章「2010年代 自由な眼、巧みな手。さらに新しい一歩を」では、木版画のような絵を目指したという「ふらり。」などを展示。「エピローグ」コーナーでは「最期まで『描くひと』として」と題して、闘病期間中に描き始めたという「光年の森」などが展示される。

 「描くひと 谷口ジロー展」は、2022年2月27日まで世田谷文学館の2階展示室で開催。開館時間は午前10時~午後6時。料金は一般900円、65歳以上・大学生・高校生600円、小・中学生300円。

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