ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
有川浩さん原作の人気小説シリーズが原作のアニメ「図書館戦争」の劇場版「図書館戦争 革命のつばさ」(2012年)が、主人公・笠原郁役の井上麻里奈さん、堂上篤役の前野智昭さんの副音声コメンタリー付きで、10月26日午後11時からWOWOWプラスで放送される。2008年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送されたテレビシリーズも話題になった作品で、本を検閲するメディア良化隊と、本を守る自衛組織・図書隊の戦いが描かれた。井上さんは「テレビシリーズは1クールでしたが、濃密な記憶が残っている」といい、前野さんは「自分の世界を変えてくれた。僕のターニングポイントになった作品」と思いを語る。2人に当時の思い出、「革命のつばさ」の見どころを聞いた。
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前野さん こんなふうに作品に何かしらの展開があるのはすごくうれしいです。ちょうど個人的に原作の有川さんと連絡を取る機会があったので、「今度コメンタリーをやります」という話もさせていただきました。
井上さん ありがたいですよね。ちょうど去年も前野さんと二人でイベントをやらせていただく機会があって、何かしらの展開が続いているので、そわそわします(笑い)。
前野さん すごく緊張もしていました。僕にとっては、ほぼ初めてアニメのメインキャラクターをやらせていただいた作品だったので、収録が始まる1時間半ぐらい前にスタジオの前で待機していましたね。
井上さん めちゃめちゃ早い(笑い)。
前野さん 遅刻できないしなと。台本を読み直しながらドキドキして待機していたことをよく覚えています。
井上さん 私が思い出すのはテレビシリーズの最終回かな。収録が終わった後にみんなで食事に行ったんです。男性陣は収録終わりに毎週食事に行っていたんですけど、私とみゆきちゃん(柴崎麻子役の沢城みゆきさん)の女性陣はあまり行っていなくて。最終回の時だけ石田さん(小牧幹久役の石田彰さん)も、有川さんも来てくださって。それはもう「石田さんが来た!」という衝撃がありました。飲み会の場に石田さんがいらっしゃるという奇跡的なことが起きて。非常に貴重で思い出深い瞬間でしたね。
前野さん 世間の皆さんにとっては「前野って誰だ?」みたいなところから始まっていて、誰だか分からない声優に堂上篤というキャラクターが務まるのだろうかというご意見も結構あったんです。それを有川さんがご自身のサイトで「私が選んだこの人に間違いはありません」ということをおっしゃってくださって、すごく背中を押していただきました。同時にものすごいプレッシャーにもなったのですが、有川さんのフォローのおかげで収録に挑めたというか。この作品に携われたおかげで、自分の世界が変わったなと思います。
前野さん いらっしゃったみたいです。ご自宅でオーディションの声のサンプルを聞かれていたらしくて、一番最初に流れたのが僕のサンプルだったみたいで、「あ、この人だ」となったと。本当に運がよかったなと思います。
井上さん 私は当時、22歳の笠原とほぼ同じぐらいの年齢で、自分の中では、今の自分をありのままぶつけようという思いでした。変に作らず、今の等身大を演じたら、きっと笠原になるんじゃないかと。ありがたいことに、周りを固めてくださっていたのが、信頼の厚い役者の方ばかりなので、恐れが何一つないというか。「この方々がいれば大丈夫」というある種の甘えなんですけど(笑い)。皆様に支えていただきながら、好き放題やっていた気がします。
井上さん 周りの方からはそんなに似ていないと言われるとは思いますが、自分の中では笠原のような熱血漢の部分であったり、間違ったことはノーと言いたいという気持ちはすごく強いので、笠原の思いはすごく分かりました。あれぐらいの女の子の思い描く恋愛だったり、感情も伝わってきたし、それをちょっと恥ずかしい思いもしながら演じていたのが楽しかったですね。
前野さん 僕は当時、堂上より年が若干下だったんですよね。そもそもアニメでそんなにメインをやったことがなかったというのもあって、そんな自分がどうやってこの年上の格好いい大人の男性を表現していけばいいんだと、いろいろ考えながらやらせていただいていました。テレビシリーズでは、あの時出せる一番下の低いラインを使っていたつもりだったんです。ところが、その4年後の「革命のつばさ」で同じ発声法をやったら、すごく大人っぽく聞こえてしまうということもあって。キャリアを積ませていただくに従って、自分の低音のレンジが広くなっていったんだなと感じます。今、当時の声を聞くと、「声高い!」「若い!」と思います。
前野さん そうですね。今同じ発声をすると、もっと低くなってしまうので。この10年のうちにいろいろ成長できた証拠なのかもしれません。当時は本当に毎話毎話一生懸命でしたから。
井上さん 一生懸命だった。
前野さん とにかく毎週堂上になれるという事実がすごくうれしくて。だから、1クールがすごく短くて、「もっとやりたいです」なんてわがままも言わせていただきましたね。僕は、最終話が嫌だったんですよ。来週からこのスケジュールがなくなるのが嫌で、有川先生に直筆のお手紙を書いたんです。「なんとかして、もっとやりたいです」と。「あと1話しかないんですけど、『1話だろうが何話だろうが、常に全力が尽くすのがプロだろう』ときっと堂上は言うと思うので、僕は頑張ります」みたいなお手紙を書かせていただいて。
井上さん すてきだね。
前野さん すると、ありがたいことに有川さんも同じ熱量でお返事を書いてくださって。でもやっぱり、いろいろ若かったなと思います(笑い)。今だったら同じ行動はできないです。本当に全てのタイミングが僕にとってターニングポイントになったなと思いますね。
井上さん たしかに、1クールでこれだけ思い出にも、記憶にも残っている作品って、少ない気がします。そう思うと「図書館戦争」って大きい作品なんだなって。1クールでは思い出もできずに終わることもあるけど、「図書館戦争」の場合は、濃密な記憶が残っています。
前野さん テレビシリーズでは、原作の「図書館戦争」「図書館内乱」「図書館危機」をアニメ化していて、最終巻の「図書館革命」を劇場版としてアニメ化したのが「革命のつばさ」です。テレビシリーズから4年後だったので、「成長した姿をスタッフさんに見せられる」という思いもありました。本当にいろいろな思いが詰まった作品です。内容的にもオリジナルの展開も含めて非常に考えてくださっていて、見どころがたくさん詰まっていると思います。
井上さん 「革命のつばさ」では、作家の当麻蔵人役でイッセー尾形さんが参加してくださいました。普段ご一緒したことがない別ジャンルの方とお芝居を掛け合うのはどういう感覚なのだろうと、すごくドキドキしながら収録に臨んだことを覚えています。少しだけ掛け合いをさせていただいて、イッセーさんも踏み込んできてくださって、本当に役に入り込んでらっしゃるのを感じてすごく感動しました。我々としてもシリーズの集大成として全てをかけて臨んだので、一つ一つを大切にして演じたところを見ていただけたらなと思います。
衣装協力:ADELLY(office surprise)
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