上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第30回ではロバート(村雨辰剛さん)に招かれ、将校クラブに立ち入った安子(上白石さん)の前で、シンガーたちが歌う「Silent Night(きよしこの夜)」や、安子と稔(松村北斗さん)の思い出の曲「On the Sunny Side of the Street」が披露されるなど、感動的なライブシーンが展開された。第6週の演出を担当した二見大輔さんに、同シーンの裏側を聞いた。
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「Silent Night」を歌うシンガーたちの歌声に乗せて、安子と稔の回想シーンが流れて視聴者の涙を誘ったが、二見さんは「元々台本にはなく、編集段階で足したものです」と明かす。「もちろん『Silent Night』という歌の意味合いを強める意味合いもありましたが、『このとき、安子はどういう情景を見ただろう』と僕が強烈に知りたくなり、編集マンと相談」して、制作されたという。
「戦争は終わったかもしれないけど、安子の中で戦争は終わっていなかった。まだモヤモヤしている状況の中で、どう彼女の思いが昇華していくのか、映像的に表現してみたかった」と狙いを明かした。
感動的な「Silent Night」とは打って変わり、アップテンポなリズムの「On the Sunny Side of the Street」をパフォーマンスしたのは、喫茶店「DippermouthBlues」のマスター・柳沢定一を演じる、ミュージシャンの世良公則さんだ。
ドラマのライブシーンは通常、最初に録音した音声を撮影現場で流し、役者が歌う振りをしながら芝居する撮影方法が多用されている。しかし今回は「世良さんの持つ熱量をワンテークで押さえたかったので、ご本人と事前にご相談して、本番でライブの様に歌っていただきました。それをどう上白石さんが感じるかに勝負を賭けたシーンでした」と話す。
稔との思い出の曲を聴き、安子が涙を流す場面もあったが、それはきっと世良さんの思いを受け止めた上白石さんが心から流した涙だったのだろう。カメラなしで行う事前リハーサルのときから、「上白石さんの目に涙があふれていて、それを見ていて僕も感動して泣きそうになってしまいました。そんな経験はめったになく、素晴らしい経験ができたと思います」と振り返っていた。
世良さんは今回の撮影のため、「On the Sunny Side of the Street」を一から練習したそうで、「音源のピッチも、ドラマの音楽を担当されている金子隆博さんから作っていただき、この撮影のために練習していただき、本番で出していただきました」と経緯を語った。
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