押井守監督:「マトリックス レザレクションズ」に「目指している快感原則は一作目に近い」

「マトリックス レザレクションズ」の一場面(C)2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.
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「マトリックス レザレクションズ」の一場面(C)2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

 人気SF映画「マトリックス」の新作「マトリックス レザレクションズ」(ラナ・ウォシャウスキー監督)が12月17日に公開されることを受けて、アニメ「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「機動警察パトレイバー」などで知られる押井守監督がコメントを寄せた。押井監督は「『マトリックス』の原点に回帰したなと思いました。ウォシャウスキーの目指している快感原則は一作目に近い。撮影のスタイルも変わっていなくて、そこもビックリした。あの二人じゃなければいけない理由もきちんと描かれていた。キアヌ(・リーブス)とキャリー(・アン=モス)のどちらが欠けてもだめ。『マトリックス』をキアヌとキャリーでまた作ってほしいと思っていたお客さんにとっては、間違いなく『これが見たかったんだ』という作品」と話している。

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 「エヴァンゲリオン」シリーズなどの前田真宏さんは「西海岸のビートな感じでちょっとオトナのマトリックスかも!! よりサイケでディックで内省的で哲学かも!! なーんて思っていたら『いい意味で』裏切られました」、「ソードアート・オンライン」「僕だけがいない街」などの伊藤智彦監督は「20年の歳月を経てThe Oneことネオが帰ってきた! かつて最先端の映像を見せてくれたマトリックスだが、世の中がこれだけ進むなか、この世界もアップデートされないわけもなく……あとは自分の目で真実を確かめろ!」とコメントを寄せている。

 ◇小島秀夫さんのコメント

 本作は続編ではない。リメークでもプリクェールでもない。現実と虚構(マトリックス)を行き来するSF映画の金字塔「マトリックス」の物語を起点に、レザレクションズは現実とマトリックス世界、さらには「マトリックス」3部作をもメタ的なレイヤーでつなげるという、他に類を見ない野心作となった。赤のカプセルか?青のカプセルか? 最後に救世主がくだす選択に、ラナ監督が“現在の”マトリックスに投影した真意をみる。

 ◇小池健監督のコメント

 前3部作によりアップデートした人類の昇天した世界を期待して見たレザレクションズ。意表をついた展開の仕掛けに驚くばかり。前シリーズのデジャブを見ているのか? オマージュ?リンク? 導入部のギミックから目が離せなくなるワクワク感。再び赤いカプセルでネオと共に目覚めたい方々必見です。ぜひ!

 ◇前田真宏さんのコメント

 ジェファーソン・エアプレイン!! かあーーーっこいいいいいい!!! 西海岸のビートな感じでちょっとオトナのマトリックスかも!! よりサイケでディックで内省的で哲学かも!! なーんて思っていたら「いい意味で」裏切られました。

ちゃーんとマトリックスです。クールなアクションもたらふく食べさせてくれます。
でも……。

 ちゃーんと進化しているのです。大人の余裕、ってやつだろうか。ユーモアさえ感じさせながら。

 ラナさん、いい仕事したなあ!救世主が、救済者が飛ぶのではない。あなたが、私が、一人ひとりの秘めたる心が飛翔する時がくる!! 本当の気持ちを、自由を、孤独さえも存分に楽しんで。

 ◇森本晃司監督のコメント

 かつて「自分だったらこういう空間を描きたい」という想(おも)いがあって実現したのがアニマトリックス“Beyond”の世界だったが、あれから約20年の時を超えてマトリックスの世界はどうなったのか? 現実世界ではマトリックスのような素晴らしいSFエンターテインメントが登場したことによって、テクノロジーや仮想現実の進化が後押しされ、加速したのではないかとすら思えてならない。そんなマスターピースの作品世界に再びログインすることがかなった2021年、全世界がこの仮想現実のとりこになりうるワクワクが詰まっていた! ネオとトリニティーの存在はいかなる次元においても“世界”の創生を感じさせてくれる救世主である!


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