津田健次郎:「よりアグレッシブに」貪欲に前進 チャレンジ精神の源は?

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 声優としてだけでなく、俳優としても存在感を発揮するなど、ますます活躍の幅を広げている津田健次郎さん。ヤマザキマリさんのマンガ「テルマエ・ロマエ」の新作アニメ「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」では、とことん真面目な浴場技師・ルシウス役に抜てきされ、コミカルな世界観に身を投じている。今回のオファーに「まさかルシウス役が僕のところにやってくるなんて。びっくりしました」と驚きを隠せない津田さんだが、「これからもよりアグレッシブに。守りに入らずに、いろいろなことに積極的にチャレンジしていきたい」と一層、貪欲に前進することを宣言。チャレンジ精神の源になっている死生観まで明かした。

 ◇生真面目なルシウスは「僕にとっては珍しい役どころ。新鮮です」

 「テルマエ・ロマエ」は、2010年に「マンガ大賞2010」と「第14回手塚治虫文化賞短編賞」をダブル受賞したヤマザキさんのコメディーマンガ。古代ローマ時代の浴場技師ルシウス・モデストゥスが、なぜか現代の日本の銭湯や温泉、浴槽にタイムスリップするようになり、風呂上がりのフルーツ牛乳やシャワー、あかすりタオル、シャンプーハットなどをローマ帝国での浴場作りに取り入れていく。新作アニメ「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」は、3月28日からNetflixで全世界配信。

 実写映画もヒットするなど、老若男女から支持を集める人気マンガ「テルマエ・ロマエ」。ビッグタイトルの主人公というオファーが舞い込み、驚いたという津田さんは「とても有名な作品。そのルシウス役をやらせていただけるなんて、とてもうれしかったです」と喜ぶ。

 「もともとルシウスのようなタイプの役って、僕はあまりやってこなかった役なんです。だからこそ、まさか僕のところにルシウスがやってくるなんて、という驚きがありました。僕はどちらかというと、ひねくれていたり、二面性のあるような役を演じることが多くて……(笑い)。ルシウスは生真面目で、どこまでも真っすぐな男。考えていることが、そのまま行動に出てしまうキャラクターです。僕にとっては珍しい役ですし、とても新鮮です」

 ◇「僕も周りが見えなくなってしまうタイプ」

 新鮮な役どころを演じる上では、現代日本にタイムスリップしてあらゆる発見をしていくルシウスの反応の豊かさを大切にしているという。

 「ルシウスは驚くことが多いんです。それがコメディーにつながっていくので、なるべく笑えるシーンになるといいなと思っています。ただ、ルシウスの反応は客観的に見るとものすごく笑えるんですが、本人は至って必死で真面目。そこが結果的にルシウスのキュートな魅力になるといいなと。丁寧に演じつつ、勢いを殺さず。そういったことを大切にしながら、演じています」

 そして古代ローマ人のルシウス役とあって、劇中では古代ローマ語も披露している。

 「語学指導の先生に吹き込んでいただいた音声を聴きながら、それをトレースしていくやり方。ただ、音声だけだと、それが日本語に訳された時にどんな意味になって、どこに力点を置いて話すべきなのかよく分からないところがあって。音声だけだと拾いきれない部分があるなと思いました」と戸惑いもあったといい、「ちょっとここはわがままを言わせてもらおうと。現場に先生に来ていただいて、先生がスタジオにいる状態でアフレコに臨むことができました。ものすごく安心しました」とスタッフに感謝。「とはいえ、古代ローマ語は、現代のローマ語ともまた違う言葉なので、実は何が正解かは誰も分からない(笑い)。そこが僕の中の最大の強みです」と楽しそうに語っていた。

 新たな挑戦が詰まった役どころとなったルシウス役。「ルシウスはとてもリスペクトできる人」と尊敬の念も抱いている。

 「ルシウスは自分の仕事に情熱を注いでまい進している。彼の仕事に向かう様子を見ていると、格好いいなあ、こうあるべきだよなと思います」と受ける刺激を明かし、「僕も仕事のことを考えていると、周りが見えなくなって、入り込んでしまうタイプ。そこはとても共感します。ルシウスはそれがおかしなことになってしまうこともあるんですが(笑い)、自分が突き詰めたいことに一点集中で入り込んでいくというのは、大事なことだと思っています」と力を込める。

 ◇お芝居って難しい……「初心に戻っている」死生観も吐露

 一つ一つの仕事に情熱を持って、真摯(しんし)な歩みを続けている津田さんは、その“艶声”も魅力的であらゆるキャラクターに命を吹き込んできた。さらに昨年は連続ドラマ「最愛」(TBS系)で刑事の山尾敦役を好演するなど、俳優としても注目を集めている。

 「これからの人生をどう過ごしたいか?」という問いには、「アグレッシブさは失いたくない」と貪欲な姿勢を見せた津田さん。「とにかく守りに入らず、積極的にいろいろなことにチャレンジしていきたいです。表現の世界は深いし、広い。やればやるほど、お芝居って本当に難しいなと思います。そういった意味では今、改めて初心に戻っている感じですね」と今でももがきながら芝居に向き合っており、「ドラマにも出演させていただき、活動させていただける場所がいろいろと広がっていて。ものすごく楽しいです。アニメーションのお仕事も丁寧にやり続け、映像のお芝居ももっともっとやっていきたいです。また作る方としても、何かできればなと思っています」と意欲旺盛だ。

 そのチャレンジ精神の源は、「これはポジティブな意味ですが、人間っていつか死ぬものなので。僕は、人生はとても短いものだなと感じています。それだったら一生懸命に、雑にならず、密度濃く、日々を生きていきたい。生きているうちにやりたいことはいっぱいあるなあと思うんです。それが僕の原動力です」と明かした。

 津田さんは、「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」のほか、「極主夫道」「スーパー・クルックス」など数々のNetflix作品に出演している。「世界に向けて同タイミングで配信されるというのは、本当にすごいことですよね。僕のツイッターにも、海外の方からリプをいただけることがものすごく増えたんです」とファン層は海外にも拡大している。昨年11月に行われたラインアップ発表イベント「Netflix Festival Japan 2021」では、津田さんにフォーカスしたコーナー「ツダケンタイム」が用意され、監督業に対する憧れを語る一幕もあった。

 ではもし、どれだけ予算を使ってもいい、誰をキャスティングしてもいいとなったら、どんな映画を作ってみたいのだろうか。津田さんは「そんな夢のようなこと、いいんですか!?」と目を輝かせながら、「めちゃくちゃとがった作品がいいですね。わりと僕は暗いほうなので(笑い)、シリアスとコメディーが混在していて、暗くて重いけれどシャープな作品がいいかな。曖昧ですね! 主演はダニエル・デイ=ルイスさんや、ショーン・ペンさん、ブラッド・ピットさんとかいいなあ……。質問されるたびに、めちゃくちゃ緊張すると思いますけど!」と妄想を繰り広げていた。(成田おり枝/フリーライター)

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