磯村勇斗:映画初主演 山本直樹が“カルトの世界”に切り込んだ「ビリーバーズ」実写化で

映画「ビリーバーズ」で主演を務める磯村勇斗さん(C)山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会
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映画「ビリーバーズ」で主演を務める磯村勇斗さん(C)山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会

 俳優の磯村勇斗さんが、山本直樹さんの同名マンガを実写化した映画「ビリーバーズ」(城定秀夫監督、2022年7月から全国で順次公開)で主演を務めることが3月14日、明らかになった。「第45回日本アカデミー賞」で新人俳優賞を受賞した磯村さんだが、映画主演は今作が初めてとなる。

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 「ビリーバーズ」(小学館)は、カリスマ的な人気を誇る山本さんが1990年代に発表したマンガで、「カルト」の世界に切り込んだ問題作。「ニコニコ人生センター」という団体に所属する2人の男と1人の女は、とある孤島で共同生活をしながら、「安住の地」へと旅立つ日に思いをはせていた。しかし、飢えとの闘いや、突然現れた外界からの侵入者が、徐々に3人の互いの本能と欲望を暴いていく……というストーリー。磯村さんは、純粋な信仰心と抑えきれない欲望の間で揺れ動く主人公ののオペレーターを演じる。

 磯村さんは「初主演の映画が『ビリーバーズ』で良かったと心から思います。原作と脚本を読んだ時、自然とこの物語の世界を生きてみたいと感じました。俗世間と、それに対して、可能な限り欲望を削ぎ落とし、信仰する力で安住の地を求める世界。異様にも映るこちらの世界の方が純粋で、常識にとらわれている世の中の方が異常なのかもしれない。ビリーバーズで生きる人物たちは皆一生懸命です。だからこそ滑稽(こっけい)にも見えて笑えてくる。信仰があり、エロスがあり、不気味だけどどこか哀愁があり。人間の本能の先にあるものは何なのか。混沌(こんとん)とした今の時代だからこそお届けしたい作品です」とコメントしている。

 城定監督は「“オペレーター”という風変わりな役名でこの狂気の物語を力強くけん引するのが磯村勇斗さんです。食事制限で体を絞り、髪とひげを伸ばし、電気も水道もなく、虫は入るわ、雨漏りするわの安普請の劇用プレハブに撮影前から泊まり込んで役作りをし、全身全霊で演じてくれた磯村さんの存在がなければ、この映画は成立しませんでした」と磯村さんに感謝している。

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