マイファミリー:「濱田さんは、東堂を弁護してあげていた」 ドラマPに聞く、“濱田岳演技無双回”の裏側

連続ドラマ「マイファミリー」の一場面(C)TBS
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連続ドラマ「マイファミリー」の一場面(C)TBS

 二宮和也さんが主演するTBS系「日曜劇場」(日曜午後9時)枠の連続ドラマ「マイファミリー」。6月12日の放送で最終回を迎え、連続誘拐事件の全真相が明かされる。第8話(5月29日放送)では、濱田岳さん演じる東堂が、温人(二宮さん)の娘・友果(大島美優さん)らを誘拐したと自白する展開で、視聴者からは「濱田岳演技無双回」といった声が上がるなど、話題を呼んだ。同シーンが強く印象に残っているという飯田和孝プロデューサーに、撮影の裏側を聞いた。

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 ◇濱田岳の熱演が話題に 「東堂にしか見えなかった」

 「マイファミリー」は、連続ドラマ「グランメゾン東京」(同局系)などで知られる脚本家・黒岩勉さんのオリジナル作品。第8話では、東堂が、温人、未知留(多部未華子さん)、三輪(賀来賢人さん)に対して、友果と、三輪の娘・優月(山崎莉里那さん)の誘拐を自白する展開だった。

 どんな手段を使ってでも心春を助けたいと考えた東堂は、模倣犯となって犯人の情報を得ようとし、妻・亜希(珠城りょうさん)の妹・鈴間亜矢(藤間爽子さん)を仲間に引き入れ、友果の誘拐を実行した。友果の誘拐事件が解決した後には、東堂のもとに、心春を誘拐した犯人から連絡が入り、今度は優月を誘拐するよう指示され、実行に移したと明かした。

 三輪から、「娘がまだ生きているって、そんな話を信じて、ゆづ(優月)はあんな苦しい思いをしなきゃなんなかったのか?」と問い詰められるシーンでは、東堂が目に涙を浮かべながら「すまなかった」と謝罪。「だけどな、信じるしかないんだよ。そうしないと、心春ちゃんが生まれてきてくれたことすら、なくなっちゃうんだ」と続ける場面では、三輪を演じる賀来さんの涙がこぼれ落ちる様子も映し出された。

 SNSでは、「濱田岳くんの迫真の演技ほんとよかった……」「濱田岳の演技が圧巻でした」といったコメントが書き込まれた。このときの撮影現場での濱田さんの様子について、飯田さんは「東堂という人物をすごく理解して、隣に寄り添ったんですよね。役に向き合う役者の神髄というか……そんな感じだった気がしますね」と明かす。

 また、「東堂のことは自分にしかわからない」と言えるまで、濱田さんは、東堂を弁護してあげていた」といい、「『東堂だった』という感じ。濱田さんは何をやっても『東堂だ』って思えたと思うし、東堂にしか見えなかった」と続ける。

 ◇二宮和也、多部未華子、濱田岳、賀来賢人の“空気の作り方”

 飯田さんによると、濱田さんだけではなく、二宮さん、多部さん、賀来さんら皆が「台本から想像していた以上になっている」といい、「“超一流”の若手の中で、“超一流”の方たちが集まったのではないかと思っています」と全幅の信頼を寄せる。これまでの撮影で、とくに“すごい”と思ったのは、第8話で東堂が語るシーンでの、4人の空気の作り方だ。

 「『なんでお前が(誘拐を)?』って怒りもあるし、東堂の言っていることに同情まではできない。許せないなと思うけど、東堂の子供(心春ちゃん)はいまだに見つかってないしな、という。簡単な言葉でいうと、“しっくりきた”という感じで、そういう空気感に持っていった彼らはすごいなと思います」と話す。

 視聴者からも、「ニノ、多部未華子、賀来賢人、濱田岳の4人の演技がすごすぎる」「4人の掛け合いはこの4人じゃないとできなかったと思う」と絶賛の声が上がっている。

 同話ではその後、東堂の元に、犯人から「取引は中止します」と連絡が入る展開に。警察が捜査に動いていることを理由に実咲の殺害を予告する犯人に、東堂は今ある金と人質の交換を提案する。東堂の提案を了承した犯人だったが、「ただし、返すのは心春さんか実咲さんのどちらか1人だけです」と告げる。東堂は二人の解放を希望するが、犯人からは「それなら取引は中止です」と言われてしまい……。

 目に涙を浮かべながら、「実咲ちゃんは無事なんだよな? 心春ちゃんも生きているんだよな?」と確認した東堂は、苦(くもん)の表情を浮かべながら「実咲ちゃんと交換してくれ」と訴える。そして、犯人に金を届けに行くことになり、温人は「東堂、まわり頼むぞ」と声をかけるのだった。

 このときの二宮さんについて、「東堂への“赦(ゆる)し”じゃないですけど、この表情がすごく好きで。東堂に寄り添っているようにも見えるし、絶妙な感じ。友達だからこそ、そういった表情になって。本当にすごいと思います」と振り返っていた。

 ◇最終回の見どころは?

 6月12日放送の最終回では、犯人は、温人に、逃走中の東堂と、誘拐した未知留(多部未華子さん)の交換を要求する。犯人を暴いてほしいと葛城(玉木宏さん)に頼んだ温人は、未知留を救うため、三輪(賀来賢人さん)とともに東堂への連絡を試みて……と展開する。

 見どころは二つあるといい、「まずは真犯人は誰だ?ということ。それに付随して、なぜそういうことになったのか。もう一つは、それぞれの家族の未来というか、登場人物たちの結末が、最終回の柱だと思っています」と話した飯田さん。

 「真犯人が誰なのかわかるんですけど、その理由の『人間だね』『家族なんだね』という部分だったりが、腑(ふ)に落ちるといいなと思っています。人間同士のもつれ、ボタンの掛け違い、そういったことがすべて込められた最終回かなと思っています」と語っていた。

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