武田航平:木村達成の“ゾーン”に入った演技を絶賛 ドラマ「オールドファッションカップケーキ」

ドラマ「オールドファッションカップケーキ」に出演している武田航平さん(左)と木村達成さん
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ドラマ「オールドファッションカップケーキ」に出演している武田航平さん(左)と木村達成さん

 ドラマオールドファッションカップケーキ」がフジテレビの動画配信サービス「FOD」で配信中だ。佐岸左岸さんの同名人気BL(ボーイズラブ)マンガが原作で、アラフォーの癒やし系イケメン上司・野末と、アラサーのツンデレ部下・外川の二人が、スイーツ巡りをきっかけに距離を縮める模様を描く。野末役の武田航平さんと、外川役を演じる木村達成さんの2人に話を聞いた。

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 ◇

 --武田さんが演じる野末は「母性本能をくすぐる、癒やし系イケメン」というキャラクターですが、役作りでは特にどのような点を意識されたのでしょうか。

 武田さん その紹介だけ聞くとすごいですよね(笑い)。年齢が野末と近いこともありますが、あまりあせって生きないというか時間を生き急がない。時間を早く使わず、なるべく自分のペースで時間がゆっくり流れるような心持ちでいることを、しゃべり方も仕草も含め意識しました。

 それで外川と絡むと、そのゆったりしていた時間軸がガラッと変わっていくところがカラクリとして面白いなと、振り返るとそんなイメージでやっていたと思います。

 --木村さんが演じる外川は「やや無愛想だが優秀な部下で野末への特別な感情を真っすぐにぶつけていくツンデレ部下」ということですが、どのような思いで演じたのでしょうか。

 木村さん キャラクターの紹介文はあくまで取っかかりであり、それより深い何かを作品の中で見せるため、表現するために役作りをするし、外川の気持ちでせりふを読んでいけば自然と(外川に)なるものだとも思っていました。それぐらい強い気持ちで演じました。無愛想な部分は、もともと自分もおちゃらけたり、いろんな人と話したりするけど、寡黙になっていると無愛想な顔だし、考えごとなどをして黙っていると「機嫌が悪いの?」って思われることも多く困りませんでした(笑い)。

 --ご自身と演じられている役で似ていたり共感したりする部分はありますか?

 武田さん 後輩と仲良かったりとか、誰かがミスしてもあまり僕は怒らないというか、あまりミスと思わないので、そのあたりは違和感ないですね。僕も年齢を重ねてそうなったとは思いますが、年齢的なところで共感する部分が多いかもしれません。

 木村さん 僕もプライベートでも仕事でも年下や後輩よりは先輩といることが多いですね。先輩に対して許される範囲でイジるのが好き。外川は別に先輩をイジっていないけど、野末さんにはというところですね。

 --ではお互いから見て、それぞれ「野末っぽい」「外川っぽい」と感じたところがあれば教えてください。

 武田さん 良い意味で迎合しない、流されず自分の信念を貫いている部分かな。生き方なので人それぞれですが、たっちゃん(木村さん)は自分の芯をしっかり持っていて、信じてやっていきたい思いと信じてきたものがあるのだなと感じます。そういったところが外川と似ていると思います。

 木村さん 航平さんは完璧でありながらも、どこかふわふわとしたオーラを漂わせているのは野末さんっぽい。甘いマスクですしね。気遣いも完璧ですし、こういう大人になれるものならなりたいです。

 武田さん:完璧じゃないし甘くもないけどね(笑い)。

 ◇BLだからと気負わずナチュラルに

 --BL作品ということで、男性に友情以上の感情を抱く表現をする際、特段の難しさを感じる部分などはありましたか。

 武田さん 「オールドファッションカップケーキ」は、日常的なストーリーの心のやり取りや人間味を丁寧に描いた作品なので、あまりBLという意識はなかったです。普通にいい話ですし、友情や家族愛などと変わらない印象を受けました。

 木村さん 僕も特別身構えることはなかったです。恋愛シーンになった時には「構えちゃうのかな」と思ってはいましたが、撮影中はもう“ゾーン”に入っていたからまったく気になりませんでした。今作は長回しで撮ることが多くて、キスシーンの撮影も2回ぐらいしかやっていない。結果的に一発目でOKだったのですけど、監督が「ちょっとキスが優しすぎたのでは。もっと激しくいってほしい」とおっしゃったので、僕も“ゾーン”に入っていたので「わかりました。いきましょう!」と即答しました。

 武田さん たしかにあの時のたっちゃんは“ゾーン”に入っていました。本当にカッコよかったですよ。“ゾーン”に入っていたたっちゃんは何回でも涙を流すし、何回でも情熱的にキスをできるという。

 木村さん 木村達成と外川がもう点というか線になって交わった瞬間というか。シンクロしていました。

 --お二人とも演じられたキャラクターとご自身の年齢と近いですが、第1話で野末が語っているように、年齢を重ねることで仕事観や価値観などに変化は感じられていますか。

 武田さん 大きな話ではないですけど。たっちゃんが現場を和ませようとおふざけしてるのを見て、昔だったら自分も一緒にやっちゃうタイプでしたが、今は温かく見守るように。いい感じで一歩引いて見られるようになりましたね。

 木村さん 以前は「分からない」とは言わないでがむしゃらにやっていましたが、最近では「分からないことを分からない」とちゃんと言えるように。もちろんただ「分からない」と開き直るのではなく、どうして分からないのか伝えるなど、分からないですませずちゃんと向き合ってみるようにしています。

 --最後に今作の見どころをお願いします。

 木村さん この作品はオフィスラブ、BLというコンテンツの中にあるのかもしれませんが、会社員の日常をきちんと描いていて、やちょっと笑えてくるようなシーンもあり、それでいてキュンキュンもする。男性が見て共感していただけると思うし、女性から見ても面白いと思います。外川的には、節目節目に何かを抱えている部分を、表情であったりせりふであったり芝居をしながらいろいろ忍ばせたつもりです。そういうところを見ていただけたらクライマックスに向けて、どれだけ外川がいろんな気持ちを抱えていたのかが分かってもらえるのでは。

 武田さん 日常的に思う、いろんな感情をすごく丁寧に描いている作品となっていますので、どんな人も何かしら共感、共鳴できると思います。見ている方も一緒になって外川とのやり取りを楽しんでみたり、野末との心のキャッチボールを楽しんでもらえたりしたらうれしいです。ぜひ楽しんでください。

 6月13日正午に第1話と第2話が配信。その後は毎週月曜0時に最新話を配信中。全5話。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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