雨宮天:アニメ「よふかしのうた」 吸血鬼ナズナのカリスマ性を表現 「内臓をなめるように」ゾクッと

「よふかしのうた」で七草ナズナを演じる雨宮天さん
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「よふかしのうた」で七草ナズナを演じる雨宮天さん

 「だがしかし」などのコトヤマさんの人気マンガが原作のテレビアニメ「よふかしのうた」が、7月7日からフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送される。主人公の夜守コウが出会う吸血鬼・七草ナズナを演じるのが人気声優の雨宮天さんだ。妖しい美しさ、カリスマ性があるナズナを「これまで演じてきたどのキャラクターとも似ていない」と語る雨宮さんにナズナの魅力、アフレコについて聞いた。

ウナギノボリ

 ◇ナズナに憧れ 子供っぽいところは似ている?

 「よふかしのうた」は、2019年8月から「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中のマンガ。不眠が続く中学2年生の夜守コウと美しい吸血鬼・七草ナズナを巡る“よふかし”ラブストーリーが描かれている。夜に眠れない日々を送るコウは、初めて誰にも言わずに夜に出かけた日、吸血鬼のナズナに出会う。コウは、夜の楽しさを教えてくれるナズナに魅了されていく。

 「最初はミステリアスで、怖い感じの作品なのかなと勝手に予想していたんですけど、いざ読んでみたら、ミステリアスで格好いい部分はありつつ、意外にも日常が描かれていました。序盤はナズナとコウの2人だけの日常なんですけど、それが魅力的で仕方なかったり、ドキドキワクワクさせてくれて。二人の掛け合いになると、子供っぽくて、本当に中学生のわいわいした感じがすごく可愛らしくて、いい意味で裏切られました」

 ナズナは、ミステリアスでカリスマ性がありながら、下ネタが大好きで子供っぽいところも見せるギャップのあるキャラクターだ。

 「私が今まで演じてきたどのキャラクターとも似ていない魅力のあるキャラクターでした。ナズナって人ならざる者だからなのか、本人は意識していないところで吸血鬼としてのカリスマ性とか、人を翻弄(ほんろう)する色気があると思うんです。もちろん原作を読んでナズナを演じたいと思っていたんですけど、自分に決まるとは思ってなかったので、かなり驚きました。個性的な声の方がやるのかな?とか、普段からミステリアスで色気があるキャラをやってらっしゃる方がやるのかな?と思っていたので」

 雨宮さんは、ナズナの「子供っぽいところは自分にそっくり」と感じているという。

 「ナズナは感情が全部表に出るし、怒る時もすごくムキになる。そういう中学生レベルの感情表現は自分とそっくりだと思います(笑い)。それに対して、めちゃくちゃ人を引き寄せるカリスマ性は格好いいなって。それってすごく自信があるからだと思うんです。自信があるからこそ、人はナズナに引き寄せられていく。憧れますね」

 ◇子供っぽく、大人っぽく、オヤジっぽく 「ゾクッとさせたい」

 ナズナのギャップに魅力を感じた雨宮さんは、オーディションでは「ミステリアスな部分も、大人っぽい部分も、子供っぽい部分も全部思い切りやろう」という気持ちで臨んだ。出演が決まってからは、原作のコトヤマさんから「大人の部分はもっと大人っぽく、子供の部分はもっと子供っぽく」というメッセージをもらったという。

 「『もっとか!』と思いました(笑い)。アフレコが始まってからは、監督から『もっとオジサンっぽく』が加わりました。ナズナになりきるためには、私自身がナズナのカリスマ性や格好よさを感じていないといけないので、毎話原作を読んでから収録に臨んでいます」

 ナズナが持つ幅広い魅力の中でも、カリスマ性を表現することが雨宮さんにとって挑戦になっているという。

 「あの感じはほかの作品ではやったことがないなと思います。私の中でも、かなり低い声でしゃべっていますし、普段のナズナとコウくんの会話の時よりも、だいぶ低い。それにカリスマモードのナズナって、常に口角が上がっている感じなんです。今まで演じてきたキャラで低い声を使う時は、本気で怒ってる時が多くて、楽しさを低音で表現することがなかったので、すごく新鮮です」

 見る人を「ゾクッとさせたい」という思いもある。

 「内臓の表面をペロリとなめるような、そんな声になったらいいなと。私が感じたナズナの印象が『怖いけど、ついていってしまう』『自分の知らない楽しそうなものがそこにあるような気がして、ついていかざるを得ない』だったので、その雰囲気を声で表現したいと思っています」

 ◇“吸血音”にも挑戦 下ネタシーンは“ドヤ感”を

 子供っぽい可愛さ、大人っぽさ、カリスマ性を持つナズナ役に挑む雨宮さんは「私の出せるものを“盛り盛り”で頑張ります」と意気込みを語る。ナズナが下ネタを言うシーンも「だいぶ楽しいです!」と笑顔を見せる。

 「ナズナって、下ネタを話す時に『まぐわう』とか、こだわりの語彙(ごい)があるっぽくて、普段言わないようなフレーズで下ネタを言っているところがすごくいいなと思って(笑い)。下ネタのシーンでは、ナズナが楽しんでいる感じと、こだわりからくる“ドヤ感”みたいなものを出そうと思っています。なんでこの人はこんなに得意げに下ネタを言ってるんだろう?と思うんですけど、その後すぐに照れたりもする。それもナズナの可愛さだと思うので、そこのギャップは大事したいです」

 さらにアニメでは、ナズナがコウの血を吸う時の“吸血音”にも挑戦しているという。

 「吸血音はSE(効果音)だと思っていたのですが、第1話のアフレコの時に突然『試しにやってみてください』と言われちゃったので『えっ! もうやるしかない』と。家でも練習しているんですけど、結構難しくて、出たとこ勝負なところもあります。自分で吸血音を操るまではできないんですけど、できるだけキレイに『チューッ』と音を出したいから、その日の自分の口内状況を確認しながらやっています」

 アニメ「よふかしのうた」の魅力を「光の当たり方にすごくこだわられていて、夜の闇の中でピンクや黄緑の光に照らされるナズナがすごく魅惑的。アニメは、原作のドキドキハラハラはそのままに“ゾクゾク”増しな感じがして、すごく楽しみです」と語る雨宮さん。アニメのナズナにもゾクゾクさせられるに違いない。

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