桜田ひより:「彼女、お借りします」ヒロイン・千鶴は「一番の“推し”」 原作&アニメで動き研究 役作りで“人生最長”髪形に

連続ドラマ「彼女、お借りします」で水原千鶴を演じる桜田ひよりさん
1 / 3
連続ドラマ「彼女、お借りします」で水原千鶴を演じる桜田ひよりさん

 人気グループ「なにわ男子」の大西流星さん主演の連続ドラマ「彼女、お借りします」(ABC・テレビ朝日)でヒロイン・水原千鶴を演じる女優の桜田ひよりさん。ドラマは大西さん演じる“非モテ”な大学生・木ノ下和也と千鶴との“レンタルからはじまる恋模様”を描くラブコメディーで、桜田さん演じる千鶴は“レンタル彼女”である一方、クールで気が強いメガネの女子大生でもあるという役どころ。もともと原作ファンで、千鶴が「一番の推し」だったという桜田さんに、千鶴への思いなどを聞いた。

あなたにオススメ

 ◇“完璧すぎる”千鶴は「自分とはほど遠い。憧れに近い感じ」

 ドラマは、マンガ誌「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の宮島礼吏さんの同名マンガが原作。“非モテ人生”まっしぐらの大学生・木ノ下和也(大西さん)と、美人な「レンタル彼女」との恋模様を描く。小悪魔系な和也の元カノ・七海麻美を秋田汐梨さん、和也に一方的にアプローチを仕掛けてくる更科瑠夏を工藤美桜さん、極度の人見知りでけなげな美少女・桜沢墨を沢口愛華さんが演じる。

 以前から原作マンガが好きで読んでいたという桜田さん。原作の魅力は「女の子のキャラクターが可愛いこと」といい、「和也目線で読んでいました」と笑う。一番の“推し”は、演じる千鶴。魅力を聞くと「“レンカノ”のときもすごく魅力的で。おしとやかで、仕草や所作がきれいだったり、あまり露出しすぎない服を着ていたり、男性目線で理想的な女の子を演じている。その千鶴ちゃんも好きなんですが、和也と素の状態でしゃべっているときの千鶴ちゃんは芯が通っていて、女性から見てもすごく憧れる女の子像だと思っていて……誰からも愛される女の子なんだなって思います」と熱く思いを語る。

 桜田さんから見て「完璧すぎる」という千鶴。自身との共通点を聞いてみると、「似ている部分はあまりないです。本当に完璧すぎて、自分とはほど遠い。憧れに近い感じです」と回答。そんな千鶴を演じることになり、意識したのは原作ファンも楽しめる作品にすることだったという。

 「プレッシャーとまではいかないですけど……原作がものすごい人気なので、原作ファンの方が見ても楽しめる作品にしたいな、と思っていました。だから、撮影中は毎日アニメ(版)がメーク部屋で流れていたので、そこで細かい動きを確認して。原作ファンの方が見て『あ、これ千鶴と同じ動きしてる』という楽しみ方もできたらいいなと思っていたので、そこは意識しました」と明かす。

 撮影前は、もともと読んでいた原作をさらに読み込み、同時にアニメ版も見て動きや表情を研究していたという。「“レンカノ”のときは常に口角が上がっている、とか。楽しんでいる雰囲気を意識しました。たとえば水族館のシーンでも千鶴は心から楽しんでいる。だから思っているより1.5倍ぐらいテンション高めで、声のトーンもちょっと上げる、ということを意識して。“レンカノ”ではない千鶴のときは、細かいところで意識していたものを取り払って、自然体に見えるように意識していました」と桜田さん。

 千鶴は“レンカノ”モードと通常モードの二面性があり、演じる上ではスイッチを切り替える必要があるが、特に難しさは感じなかった。「場面ごとに(モードが)違うことが多かったので……急に変わるのは、冒頭の水族館のシーンくらいしかないんです。だからあまり苦労したことはなかったです」と振り返る。

 ビジュアルも原作の千鶴に寄せたことで、心理的にいい効果が生まれた。特に、今までの人生で「最も長いです」という髪形は、千鶴を演じる実感が湧いたという。「こんなにロングにしたことがなかったので、エクステをつけたときは本当にテンションが上がって……『ああ、千鶴ちゃんをやるんだなあ』と実感が出てきました。周りの反響がすごく良くて、『長いの似合っているね』と言ってもらえているので、ちょっと伸ばそうかな、と思っています(笑い)」と楽しそうに語った。

 ◇“視覚から入るキュンキュンさ”も大事に

 撮影中、千鶴を演じる上で常に意識していたのは「相手をちゃんと見る」ことだったという。「千鶴は和也としゃべっているときも、自分が言ったことに対して相手がどういう反応するか、きちんと見て冷静に判断できるので。麻美ちゃんや瑠夏ちゃんと話しているときも、一番冷静に物事をとらえられているので、きちんと相手の言っていることや表情を見逃さないように意識しました」と打ち明ける。

 「王道のラブコメでヒロインを演じる、ということが初めてで。いつもヒロインを邪魔する女の子とか、ちょっと出てくる友達、とかが多かった」という桜田さん。そんな今作の撮影では、これまではしていなかったことも意識した。「普段の撮影のときはモニターチェックはあまりしないんですけど、今回は“視覚から入るキュンキュンさ”みたいなものも大事なので、モニターに行って逐一確認していました」と振り返る。

 今作の見どころのひとつは千鶴と和也のやり取りだ。そんな和也を演じる大西さんの印象を聞くと、「いつ会っても、すごく笑顔が絶えない方」と桜田さん。「現場をすごく盛り上げてくださるので居心地が良かったですし、スタッフさんたちも心から楽しんで撮影しているのが空気感で伝わってきました。絶対に忙しいはずなのに、自分自身も心から楽しんでいることが伝わってくるし、『この方についていこう』という気持ちになれる方でした」とほほ笑む。

 個性的な女性キャラクターが多いのも今作の特徴。女性キャストでは、最も共演シーンが多いのは麻美を演じる秋田さんだといい、「汐梨ちゃんとは(ティーン向けメディア)『セブンティーン』(集英社)でも一緒に撮影しているので、信頼関係が厚いんです。“バチバチ”なシーンももちろんあったんですが、カメラが止まったら2人でめちゃくちゃ笑って、和気あいあいとしていました。だからこそ気を許せるというか、きちんと向かっていけたのは、すごくありがたかったなと思います」と語る。

 そんな桜田さんに最後にドラマの見どころを聞くと、「やっぱり振り回されている和也が一番、見ていて面白いなって思えるポイント。その表情を見て笑ったり、一緒に落ち込んだりしてもらってもすごく楽しいと思うし、和也目線から、どの女の子に振り回されたいかを想像しながら見るのも楽しいポイントなんじゃないかな、と思います」と語ってくれた。

 ドラマはテレビ朝日で毎週土曜深夜2時半、ABCで毎週日曜午後11時55分に放送。

 ※クレジット(敬称略)

 メーク:長島由香(MARVEE)/衣裳:菊池奈由佳(東京衣裳)

写真を見る全 3 枚

テレビ 最新記事