草なぎ剛：台本見ずに「うさぎとかめ」で示した人間力　“やすとも”との緩い掛け合い、番組Pも絶賛

　草なぎ剛さんと姉妹漫才コンビ「海原やすよ ともこ（やすとも）」がMCを務めるバラエティー番組「草なぎやすともの うさぎとかめ」（読売テレビ、日曜午後0時35分、関西ローカル）。制作側は草なぎさんには台本を渡さず、3人の何気ない会話や、テレビを意識していないかのような自由気ままな雰囲気が話題になっている。草なぎさんの自然体の魅力を、遠山正悠プロデューサーに聞いた。

ウナギノボリ

解説：新たな“最高峰”を目指したガンプラ　45周年のこだわりとは

　◇スタッフとの会話でも思い切りリアクション

　同番組は、昨年10月に特別番組として放送され、好評だったことから今年5月にレギュラー化された。童話「うさぎとかめ」を現代社会に置き換え、あるテーマについて極めるのに、専門家に1時間だけ教えてもらう楽な“うさぎ”と、インターネットに転がる情報を頼りに1週間コツコツ頑張った“かめ”の、どちらが勝利するかを検証するという内容だ。VTR企画だけでなく、3人の会話が好評なため、最近はトークや3人のスタジオ企画を中心にした回も増えている。

　「3人の日常を切り取ったような内容にしていきたい」とこだわる遠山さんは、3人の緩いやり取りをそのまま楽しめるような工夫として、今やバラエティー番組に欠かせないテロップやサイドのスーパー、CM前のあおりなどもできる限り入れないようにしているという。さらに「収録前と撮影中の境界線を設けないように、毎週、事前に3人を会わせないようにしているんです」と明かす。

　「草なぎさんは、カメラが回っている時と回っていない時で、まったく変わりません。僕たちスタッフと話すときでも、思い切りリアクションしてくださいます」という。「先日草なぎさんの誕生日に、スタッフからサンダルをプレゼントさせていただいたのですが、『おお、すごくいいじゃん！』と言ってすぐに履いてみせ、『早速収録で履くわ』と、“うさかめ部屋”の外履きとして使ってくださっています」と顔をほころばせる。

　 草なぎさんの魅力について、遠山さんは「いつでも自然体で、場所がどこでも、相手が誰でも変わりなく自分を出せるところ」だといい、「それはこれまでの経験と、本来の性格が大きいと感じています」と絶賛する。

　そんな草なぎさんの自然体な魅力を引き出す“やすとも”については「やすともさんのトークには常に相手を大切にする姿勢があり、そしてその内容は“なんてことのない”日常会話。なのにメチャクチャ面白い」と語り、「僕はいつも『日常会話の最上級』をスタジオで聞かせていただいている感覚です」と3人の緩い掛け合いを絶賛していた。

　◇全国放送への意気込みは？

　草なぎさん個人が関西ローカルの番組で冠番組を持つのは、今回が初めて。「TVer」「GYAO！」などで見逃し配信されているものの、SNSでは「全国で見られないの悲しすぎる！！」など、全国放送を熱望する声も上がっている。関西ローカルとなった理由について「全国ネットか関西ローカルかというのは枠として最初から決まっているものなので、その枠を全国ネットにするというのは難しいです。ただ、地方局への番組販売ということもあり得るので、全国放送へと広まっていく可能性もあります」と話す。

　いずれ、全国放送したいかと尋ねると、悩みつつ、「両方の気持ちがあります」と返答。「関西でやっているから面白いという思いもあります。関西でしか見られないというありがたみや、関西ならではの緩いノリもあるので」というが、「もちろん全国放送したいという気持ちもあります。評判が広がって、放送される地域も広まってくれたらうれしいです」と語った。

　◇今後は草なぎ＆やすとものロケも？

　今後は、「3人が楽しんでくれる様子を、視聴者の方にも楽しんでもらいたいです。そもそもこの番組は、1週間コツコツ頑張ったかめと、1時間プロから教わったうさぎが、何かのテーマで対決する様子をVTRで見るという番組ですが、その縛りは僕の中では忘れようと思っています。VTRの週もあるし、3人でどこかにロケする週もある、そんな自由な番組にしたい」と意欲的に語る遠山さん。

　「中には面白くない週もあると思いますが、何回かに1回はイマイチな回がある方が魅力的というか、それだけいろんなことにチャレンジできている番組だと思うんです。同じことを繰り返すテレビ番組よりも、たまに面白くない回があるくらい“息をしている”番組を目指したいです。3人にも、僕らが提示する内容に『今日は面白くなかったね』と言ってもらえるぐらいの関係性を築いていきたいですね」と前を見据えていた。