仁村紗和:「おちょやん」お茶子の節子が「夜ドラ」でNHKドラマ初主演 宅配ドライバー役「絶対に免許取らなあかん」

NHK連続ドラマ「あなたのブツが、ここに」に主演する仁村紗和さん
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NHK連続ドラマ「あなたのブツが、ここに」に主演する仁村紗和さん

 女優の仁村紗和さんが、キャバ嬢から宅配ドライバーに転身したシングルマザー役で主演するNHKの“夜ドラ”「あなたのブツが、ここに(あなブツ)」(総合、月~木曜午後10時45分)が、8月22日にスタートする。仁村さんはNHKのドラマ初主演で、「まず最初に自分が主演ということにびっくりした」というが、出演した2020年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おちょやん」の主人公・千代の幼少期を演じた毎田暖乃(まいだ・のの)さん(10)が娘役を演じ、重なっているスタッフも多く、「また皆さんと一緒にできるというのがうれしかった。絶対に楽しい現場になるだろうなと確信していた」と語る。仁村さんに、役作りの苦労や宅配にまつわるエピソード、今後などについて聞いた。

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 ◇ネット通販で大型テレビを買ったものの

 仁村さんは、1994年10月13日生まれ、大阪府出身。2014年に芸能界入りし、2年間で15社のCMに出演。2020年放送の朝ドラ「おちょやん」で、芝居茶屋「岡安」のお茶子で、主人公・千代の先輩の節子を演じた。2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」では、主人公・渋沢栄一(吉沢亮さん)の愛人・大内くにを演じ、話題になった。チャームポイントは「長い腕と太い眉毛」。

 「あなたのブツが、ここに」は、コロナ禍で激変する日本の飲食、物流業界がテーマ。どこか投げやりだった主人公・山崎亜子(仁村さん)が、キャバ嬢から宅配ドライバーに転身し、さまざまな困難に立ち向かう中で、自分の人生を肯定できるようになっていく姿を描く。

 毎田さんが、亜子の娘・咲妃を演じるほか、亜子に憧れるドライバー・峯田健太役で「Aぇ!group」の佐野晶哉さん、運送会社社長・葛西信夫役で岡部たかしさん、先輩宅配ドライバー・武田浩三役で津田健次郎さん、キャバ嬢・しずく役でゆうちゃみさん、亜子の母・山崎美里役でキムラ緑子さんが出演する。全6週(全24話)。

 仁村さんは、宅配ドライバーを演じることになり、「27歳なんですけれど車の免許を持ってなかったんですよ。だから事務所からまず『教習所に行ってこい』といわれて(笑い)。申し込んで、マネジャーに『こういうプランにしました』と報告したときに、主演だと聞かされて。『絶対に免許取らなあかんやん』って。おかげで力が湧きました」と笑顔で振り返る。

 結果、「技能検定は100点満点で卒業しました! 運転は楽しい。でもバックがまだあんまり得意ではないです。どっちにハンドルを切っていいか分からへんくなって。運転できる人が隣に座っていないと、一人で運転するのはまだ怖いですね」と語る。

 最近はコロナ禍で宅配を頼むことも多くなった。仁村さんは「私、ネット通販で大型テレビを買ったんですよ」と語り出した。

 「一人で家の中に搬入できなくて、運んできてくださった方に一緒に設置場所まで持っていってもらって。その方が、一人暮らしで大変そうやなと思ってくださったのか、『段ボールを開けるのも手伝いますよ』って言ってくださって。私が両手開いても収まらへんくらいのすごく大きな段ボールで、一人では開けられなかったのでとても助かりました。最終的には段ボールを畳んでマンションの下まで持っていってくださって。本当に優しい方に出会いました」とエピソードを明かす。

 ◇「おちょやん」の“ちび千代”毎田暖乃と再共演

 「あなブツ」は、今年4月にスタートしたNHK総合の月~木曜午後10時45分~11時の15分間の「夜ドラ」枠の新シリーズとなる。仁村さんは「15分でドラマを体感できるってお得やなって。1日の終わりにすごくいい時間になったらいいなと思います」と期待を込める。

 今作で娘を演じる毎田さんと再会した際、「最初は『おちょやん』の役柄で呼び合っていた」という仁村さん。スタッフのはからいもあり、大阪の万博記念公園(大阪市吹田市)で“親子デート”をして役作りをした。

 そこで毎田さんのことを「咲妃」、毎田さんは仁村さんのことを「ママ」と呼ぶようになり、「実際にすごく仲良く、いちゃいちゃするシーンもありましたし、友達みたいになんでも話せるような親子になった感じですね」と実感を込めて語る。

 ◇10年後、37歳で「カッコいいおばちゃんに」

 今作で演じた亜子は「真面目で正義感も強いけど、人間っぽい。明るさもあるけれど、ふと自分でふたをしていた弱い部分が出てしまうところとか、おせっかいな部分は似てますね」と自身との共通点を感じている。

 「ドラマで亜子は、コロナ禍で人生のどん底に落ちてしまうんですけれど、それでも娘のため、自分のために奮闘するんです。亜子が、苦しいけれど悩んで、現状と向き合おうと頑張っている姿に励まされたり、何かを感じていただけたらいいなと思いますね」とメッセージを送る。

 「亜子が出会う人たちも、とても魅力的」だといい、「娘の咲妃も、ばあば(亜子の母・美里)も運送会社のメンバーもそうですし、宅配した先の人も含めて、全員のドラマを見たくなるくらい魅力的なキャラクターがそろっています。それくらい深く、熱く作っているので、とても感情移入しながら見られるんじゃないかなと思います」と熱く語る。

 最後に、仁村さんに10年後、どうなっていると思うかと聞くと、「37歳か……。自分の好きな人たちと自分のいたい場所で幸せに。カッコいいおばちゃんになっていたらいいなと思いますね」と思いをはせていた。

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