長谷川里桃:「シャインポスト」 声優、アイドルと初めての経験ばかり ストイックに役に向き合う

「シャインポスト」で祇園寺雪音を演じる長谷川里桃さん
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「シャインポスト」で祇園寺雪音を演じる長谷川里桃さん

 アニメやゲーム、ライトノベルなどのメディアミックスアイドルプロジェクト「シャインポスト」のテレビアニメが日本テレビのアニメ枠「AnichU(アニチュウ)」ほかで放送されている。大きな夢を抱くも小さな成果しかあげられないアイドルユニット「TINGS」の活躍を描く。舞台などで活動する女優の長谷川里桃さんのほか、アイドル、タレント、声優……と普段は異なるステージで活動する個性豊かなメンバーが「TINGS」のキャストとして集結。キャストがアイドルユニットとしてライブを開催するなどさまざまな展開でファンを魅了している。長谷川さんにとって初めての経験ばかりで、刺激を受けつつ、ストイックに役に向き合っている。長谷川さんに「シャインポスト」への思いを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇異業種のメンバーから刺激

 「シャインポスト」は、コナミデジタルエンタテインメントとストレートエッジがタッグを組んだメディアミックスプロジェクト。アニメは、「TINGS」に救いの手として用意されたのは、最強マネジャーだったはずが、現れたのはまるでやる気のない男、日生直輝だった……という展開。「TINGS」のメンバー役として祇園寺雪音役の長谷川さんのほか、声優の鈴代紗弓さん(青天国春役)、アイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」の蟹沢萌子さん(玉城杏夏役)、声優の夏吉ゆうこさん(聖舞理王役)、女優、タレントとして活動する中川梨花さん(伊藤紅葉役)の5人が出演する。

 長谷川さんは、「美少女戦士セーラームーン」のミュージカル版で愛野美奈子/セーラーヴィーナスを演じるなどアニメやマンガなどを原作とする“2.5次元”と呼ばれる舞台に多く出演している。

 「2.5次元の舞台では、正解として原作、アニメの声優さんの演技があります。なので、正解であるマンガやアニメを見て、勉強して、お芝居をしています。自分ならではのオリジナリティーも出そうとはしますが、作品のファンの方がいらっしゃる中で、演じることになるので、基本的に正解があるのです。声優さんの演技をたくさん聞いて稽古(けいこ)場に向かいますし、本番前にも聞いています。私が正解としているものを生み出している声優さんのお仕事はどういうものなのだろう?と思っていました。だから、紗弓ちゃんやゆうゆ(夏吉さん)のお芝居を見て、すごい!と感動しています」

 異業種のメンバーが集まったことで、刺激を受けている。

 「萌ちゃん(蟹沢さん)は、振り入れがとにかくすごいんです。振付師の方が言ってることを素早く理解し、楽曲を聴く力もすごい。梨花ちゃんはタレントとして自分の言葉で伝えていくところがすごくて、ライブでもすごく引っ張っていただいていますし、ラジオでも助けていただいています。ライブやラジオはせりふがないので、私は何をしたらいいのだろう?と悩んでいました。せりふをください!となっちゃって(笑い)。すごく勉強をさせていただいています」

 ◇雪音ちゃんの声になってない思いをくみ取りたい

 長谷川さんが演じる雪音は、熱血タイプの女の子で、両親は有名な俳優で、本人も優れた演技力を備えている。

 「雪音ちゃんは熱血、イケメン、クールビューティー……というキャラクターですが、私が演じたことがないような役柄ですし、最初は何で私なんだろう?と思ったこともありました。雪音ちゃんは、日常からお芝居をしているキャラクターで、お芝居をしている理由は、物語が進むと明らかになってきます。雪音ちゃんは子役出身で、お父さんもお母さんも俳優です。ずっとお芝居に触れてきたので、ずっとお芝居をしているんです。私も演じていて役が抜けないことがあるので、理解できるところもありました」

 雪音としてライブにも挑戦する中で、雪音をより理解できた。

 「初めの振り入れの時、振付師の方から『雪音ちゃんはクールビューティーだからテキパキと美しく格好いい踊り方をした方がいいかも』と言われ、やったことがないし、どうしよう!?と困惑しましたが、ちょっと恥ずかしながらも可愛く見せようとしている部分もきっとあるだろうな……など、雪音ちゃんとして捉えるようにしたら、それ以降ダンスがしやすくなったので、お芝居をしてきてよかった!と思いました。振り付け一つ一つ、言葉一つ一つを届けるように表現したいと思っています。お芝居をしてこなかったら、雪音ちゃんのことを理解できなかったかもしれません。雪音ちゃんがステージに立つ時、歌詞のこういうところを表現したい!など考えているはずなので、雪音ちゃんの声になっていない思いをくみ取っていきたいと心掛けています」

 慣れないアフレコにも苦戦したようだが、自分らしく演じようとした。

 「動いちゃいけないけど動きたくなるんです。岩男潤子先生にレッスンしていただいた時、『全身でお芝居していいんだよ』と言ってくださったことがありました。声優だから、動いちゃいけないと固くなるのではなく、自由にやっていいんだ!と気付くことができました。自宅で練習する時は、動き回ってやりたいようにお芝居をして、徐々に体を動かさないようにしています。体を動かさなくても、動かしているような感覚でお芝居ができるように頑張っています。まだまだなんですけど」

 「シャインポスト」に出演する中で「見てくださる人をもっと意識したパフォーマンスがもっとできるようになりたい!」と考えるようになったという長谷川さん。長谷川さんが役に取り組む姿勢はストイックだ。

 最後に今後、挑戦してみたいことを聞いてみると「今は小さな夢があって、そのために頑張っています。両親を旅行に連れて行くことが夢なんです。小さい頃、両親にいろいろなところに連れて行ってもらったことがすごく楽しくて思い出に残っているので、大人になった今、恩返しをしたいと思っていて。ただ旅行に連れて行くって意外に難しいんです。でも必ず実現させたいと思います」と笑顔で話していた。


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