名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の堀越耕平さんのマンガが原作のテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」の第6期が、読売テレビ・日本テレビ系で10月1日から毎週土曜午後5時半に放送される。第6期は、デクこと緑谷出久らヒーロー軍と、死柄木弔(しがらき・とむら)率いる敵<ヴィラン>の巨大勢力・超常解放戦線が激突する「全面戦争編」に突入する。緑谷出久役の山下大輝さん、死柄木弔役の内山昂輝さんは、宿敵とも呼べるキャラクターを演じ、互いの表現に「自分にはないものを持っている」と感じているという。覚悟を持って臨んでいるという全面戦争編への思いを聞いた。
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山下さん 話数を経ていくごとに、世間の皆さんも一緒になって盛り上がってくれていることは感じていたので、いつのころからか「きっとこれは行くところまで行くな」という覚悟の上で演じさせていただいていたなと思います。第1期のころとは、かなり熱量も変わってきているので、さらに気合を入れて臨まなければいけないな、という思いでやってきました。
内山さん こんなに長い期間にわたって、アニメ化を積み重ねていける作品もなかなかないので、まずはとても貴重な経験をさせていただいてると思っています。ただ、アニメが始まって6年もたっているけど、作品の中では1年ちょっとしかたっていないんですよね。第6期の収録で過去の死柄木の声を聞いたんですけど、自分の声に「若い!」と思って、なんならちょっと可愛いなと思うぐらいで、僕の声も結構変わっているんです。
山下さん 驚きますよね。
内山さん キャラクターも急速に進化を遂げているので、実世界における自分の変化も利用して、キャラクターの変化を表現していけたらいいなと思っています。
山下さん 意識して声を変えようというのはなくて、自然とそうなっていくというか。デクは何事にも一生懸命取り組むという根底は変わらなくて、初期のころの「100%で戦う」から、「100%を自分のキャパシティーの中でどうコントロールしていこう?」という思考の変化がありました。そこからさらに新しい“個性”が芽生えてきて、いろいろなところに気を配っていく。いろいろな課題がどんどん出てくるんですよね。意識の集中の仕方の変化というか、視野が広がってきているなとは思います。僕自身も、没頭するだけではなくて、もっと周りを見るように意識が変わったところがありますね。
内山さん 死柄木については、もう皆さん忘れているかもしれないんですけど、最初は顔が手で覆われていたんです。僕の死柄木のファーストインプレッションは“手の人”だったので(笑い)。そこから話の流れと共にキャラクターデザインもいくつか変遷があって。死柄木自身も背負うものが変わってきて、率いる組織の規模もどんどん拡大していく中で、初期とはキャラクター性も違ってきている。初期は、死柄木を表現する上で大人っぽい賢さと、幼稚さを同居させることが重要だったんですけど、そこから子供っぽさを減らしていって、大人っぽさにより比重をかけるような感じでやろうと、そういう変化がありました。
山下さん 死柄木の抱えているものの重さ、その表現の仕方はなかなか一筋縄でまねできるものではないなといつも感じています。内山さんの声を聞いていると、そこまで深くいけるのか……といつも思っています。深海までいくな、という(笑い)。
内山さん 潜ったなあ(笑い)。
山下さん すごい深海まで、心のどす黒いところまでいくなと、聞いていると思うんですよね。だからこそ死柄木の抱えているものの大きさだったり、つらさみたいなものがより強く感じられるのかなと思います。シナリオを読んでいても感じるんですけど、声が入ることによって、より感じるというか。痛々しくて、心臓をえぐられるような音というか、こっちまで痛い!となる(笑い)。素晴らしいなといつも思っています。
内山さん ありがとうございます。死柄木は、今でも割とフィーリングを重要視してやっています。でも、例えば初期のころは、とにかく音をクリアに出さない雰囲気を意識していたと思います。くぐもった感じで、ダークなトーンを表現したくて。
内山さん 山下さんは、素の声がとにかく主人公にしたくなる、真ん中に置きたくなる声質だと思います。陽の雰囲気の響きで、太陽のような。大きく声を出した時に、ナチュラルに明るく聞こえる感じがいいなと思いますし、そこがデクにぴったりかと。あとは、叫んだ時のパワフルさとか、エモーショナルな感じも年々増していると思うし、その声も長く伸びるのですごいなと思います。僕にはない良さを、山下さんは持っているなと思います。
山下さん 常に戦っているので、今までとはテンポ感が違う感じはあります。休憩がほぼないというか。アフレコ中、休む暇もなく時間が過ぎていって、1秒1秒で話がひっくり返るぐらいの、すごい壮絶なことが起きているけど、時間が過ぎるのはめちゃめちゃ速いという、そんな気持ちです。自分の出番が多くても、少なくても、その空気にのまれるというか。キャラクターたちが戦っているのを見ているだけでも、息切れしてくるぐらいの緊迫感がある。これが「ヒロアカ」の熱量だよなと改めて感じます。
山下さん みんな格好よくて、毎話注目するキャラががらっと変わるんです。しかも、1話の中のAパートとBパートで変わるぐらい目まぐるしい、みんながみんな魅力的です。序盤からフルスロットルな感じがあって、ヒーロー側であれば、プロヒーローのミルコに注目してほしいです! めちゃめちゃ格好いいです。
内山さん 僕もミルコの話をしようと思ってた。原作を読んでいる時からいいキャラだなと思って。戦闘スタイルも華があって爽快感もあるし、気性の激しいメンタリティーも格好いい。体が傷付いても前へ前へ力強く進んでいくんです。
山下さん 僕は、あえて先のストーリーを知らないようにしているんですよね。台本をもらって、その時に感じた気持ちで演じたいと思っているので、実は原作も先は読んでいないんです。ただ、第6期は、みんながどこかしらを削りまくっているなという感じはしました。学生もプロヒーローもそうだし、敵<ヴィラン>側もそうだし、みんな、何かを削って戦っている。台本を読んでも、収録を見ていて、聞いていても、単純には考えられない話だなと思いました。
山下さん それぞれに想(おも)いがありますよね。第5期でも敵<ヴィラン>の過去が描かれましたが、一視聴者として見るのと、デクとして見える世界はまた全然違うなと思いました。今後もずっと心を揺さぶられるなと、そんな覚悟でやろうと思います。
内山さん 原作を読んで思ったのは、本当にずっと戦っているなと(笑い)。これまでは雄英高校メインの話になると敵<ヴィラン>はあまり登場しなかったのですが、今回は敵<ヴィラン>たちもずっと戦い続けているので、これまで以上にハードでシリアス。ヒーロー側にも、敵<ヴィラン>側にも積み重ねてきた長い物語があって、彼らがついに真っ向からぶつかり合うことになる。そういう意味で、第6期が作品全体のクライマックスの一つなのかもしれないとさえ感じています。
「僕のヒーローアカデミア」は、「週刊少年ジャンプ」で2014年7月に連載がスタート。人口の約8割が超常能力“個性”を持つ世界を舞台に、デクこと緑谷出久が最高のヒーローを目指す姿を描いている。コミックスの全世界累計発行部数は6500万部以上。テレビアニメ第1期が2016年4~6月、第2期が2017年3~9月、第3期が2018年4~9月、第4期が2019年10月~2020年4月、第5期が2021年3~9月に放送された。
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2024年12月22日 22:00時点
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