福原遥:クッキンアイドル“まいん”から10年、さらなる飛躍のとき 新朝ドラ「舞いあがれ!」ヒロインの“横顔”

NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で主演を務める福原遥さん(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で主演を務める福原遥さん(C)NHK

 10月3日にスタートするNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」で主演を務める女優の福原遥さん。2009~13年に放送された「クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!」の“まいんちゃん”として親しまれ、多くの映像作品に起用されてきた。クッキンアイドル“まいん”を卒業してから今年でちょうど10年目。“朝ドラヒロイン”という大役を得て、さらなる飛躍のときを迎えている福原さんの“横顔”に迫ってみた。

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 ◇“忘れられない現場”となった「3年A組」 語っていた思い 

 今回、2545人が参加したオーディションで、ヒロインの岩倉舞役を射止めた福原さん。“まいんちゃん”以降も、順調にステップアップし、今や声優、歌手としても活躍している、いわば映像界には欠かせない存在だ。

 特に近年は、主演や主要人物での作品出演が続いている印象の福原さんだが、女優として、一つの転機になったのが、2019年放送のドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)だったのではないだろうか。

 福原さんも以前“忘れられない現場”と挙げていた「3年A組」は、菅田将暉さん主演で2019年1月期に放送され、最終話の世帯視聴率は15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した人気作。福原さんは「敵に回すと一番厄介」という恋愛体質女子の水越涼音を演じた。

 涼音にスポットが当たった第6話では、担任教師の柊一颯(菅田さん)から、怒号を浴びせられ、涙を流すシーンも。その際、福原さんは“ガチ泣き”だったのではないかと思わせるほどの熱演を披露。同話に合わせてツイッターでは「まいんちゃん」がトレンド1位になった。

 福原さんは「3年A組」について、「改めてお芝居って楽しいなと思った作品で、悔しいなと思ったのも『3年A組』。みんな自分を削りながら役に入り込んでいて、その情熱を感じて。(芝居の)キャッチボールが本当に楽しくて、刺激的な毎日でした。『ああ、こんなに思いを届け合えるんだ』ということがすごく印象に残っていて、自分の中で『お芝居楽しいな』『もっと頑張りたいな』と改めて思うきっかけとなりました」と告白。

 加えて「『3年A組』はメッセージ性が強かったので、ちゃんと世に届いているんだなって感じることができた。もっともっとたくさんのことを伝えて、自分たちの時代を作っていけるくらい、そういう役者になっていきたいって強く思うようになりました」とも語っていた。

 ◇“ギャップ”で見る者を魅了? 「泣きの演技は一級品」の声も

 2019年5月公開の「映画 賭ケグルイ」でも、「3年A組」同様、これまでの可憐(かれん)なイメージを覆す役柄にトライし、次第に増す“狂気”とパブリックイメージとの“ギャップ”で見る者を魅了すると、「ゆるキャン△」(テレビ東京系)シリーズでも、表情の変化が少ないクールな口調の主人公を演じ、「新たな自分に出会えた」と語っていた福原さん。

 今年4月から放送された山下智久さん主演のNHKの連続ドラマ「正直不動産」(総合)では、うそを一切つけなくなった営業マン・永瀬財地(山下さん)の後輩社員・月下咲良に扮(ふん)した。

 NHKでの本格的なドラマ出演は、「正直不動産」が初めてでスタート当初は「まいんちゃんが大きくなってNHKに帰ってきた!」という意見もあったが、回を増すごとに「演技がすごい」という声が圧倒的多数だった。

 山下さんとのコンビも「可愛い」「ドラマにあっている」という反響が寄せられていたが、第5話では父・昌也(加藤雅也さん)との8年ぶりの再会が描かれ、父に対する複雑な思いを見せるシーンや泣きの演技など、これまでの“可愛さ”から一変した感情を見事に表現。「笑顔が良いのと対極にあるところの、泣きは一級品」との声もあり、“女優・福原遥”の実力を確かに感じた放送回でもあった。

 ◇「舞いあがれ!」では20代キャストと“自分たちの時代”を

 そんな福原さんが「舞いあがれ!」で演じるヒロインの舞は、東大阪で町工場を営む父・浩太(高橋克典さん)と母・めぐみ(永作博美さん)、兄・悠人(横山裕さん)との4人暮らし。引っ込み思案だった舞だが、自然豊かな長崎の五島列島にいる祖母・祥子(高畑淳子さん)の元を訪れ、五島列島の広い空に風を受けて力強く舞いあがる「ばらもん凧(たこ)」に魅入られ、舞自身にも変化が訪れる。やがて、大学で人力飛行機サークルに入り、作り手として活動することになる。

 本作には、赤楚衛二さん、高杉真宙さん、山崎紘菜さん、濱正悟さん、醍醐虎汰朗さん、「乃木坂46」の山下美月さん、元「欅坂46」の長濱ねるさん、「Snow Man」の目黒蓮さんら、20代のキャストも多く出演する。確かな演技力を持つ福原さんが、彼(女)らとどのように“自分たちの時代”を築き上げていくのか、放送を楽しみにしたい。

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