ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
川原礫(れき)さんの人気ライトノベルが原作のアニメ「ソードアート・オンライン(SAO)」が今年7月に10周年を迎えた。テレビシリーズは、2012年に第1作がスタートし、2020年までに4シリーズにわたって放送。2021年10月には、第1作の《アインクラッド》編をヒロインのアスナの視点で描く「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ-」の第1弾「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」(河野亜矢子監督)が公開された。第2弾「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥(くら)き夕闇のスケルツォ」が10月22日に公開される。戸松遥さんはヒロインのアスナ、松岡禎丞さんは主人公のキリトを約10年にわたって演じてきた。2人に第2弾の見どころ、「SAO」に関わった10年間について聞いた。
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戸松さん 第2弾では、普段のアスナに近くなってきたかな?という感覚がありました。第1弾では、経験値ゼロからのスタートで、もう一度新しくアスナを作り直す形に近かったんです。第2弾では、キリトとアスナの関係は、まだまだな段階ではあるんですけど、アルゴが入ってくることで、夫婦(めおと)関係の片りんが見え始めていて、多分この二人はくっつくんだろうな、みたいな(笑い)。そういう意味では、今まで知ってきたアスナに近付いてきているので、第1弾よりも少し気持ちに余裕を持って演じられたような気がしています。
松岡さん キリト自身も前に進んでいっているし、交友関係も広がって、前回の“ザ・ソロ”という感じではないです。アスナに対してキリトなりのフォローを見せたり、成長した部分も感じられました。前回と演じ方を変えようという感じではなくて、この世界の地続きの話を演じる感覚でした。
戸松さん 「SAO」の最新の時系列では、アスナとキリトはベテラン夫婦みたいな感じになっちゃっているので、忘れていたあの頃のような(笑い)。前回の鉄壁の壁みたいなものがあったところから、距離感としては結構砕けていて、気持ち的にもキリトに歩み寄っているので、前回よりも穏やかな気持ちでキリトと私は会話することができたかなと思っています。
松岡さん キリトは、アスナのような女性の友達が、現実でもいなかったのではないかなと思っていて、だからこそ、今回アスナと仲良くなって、信頼がおける相手になったという部分では、大きな変化ですよね。
戸松さん 空気感をいい意味で変えてくれるキャラクターです。すごく明るいんですけど、ひょうひょうとしていて、ちゃんと情報屋としての仕事を全うしている。アスナとアルゴが一緒に温泉に入るシーンもあって、友達としての絆もあるんですけど、それだけじゃない。命が関わるデスゲームの中で、情報屋を担う人のありがたみというか、そういう人がいることでクリアできるんだなと改めて分かりました。
松岡さん アルゴって、よくも悪くも、すごく割り切っている人だなと思います。性格も猫のようで、ワンちゃんのように「情報を買ってくれ、キャンキャン!」みたいな感じではなく、一定の距離を持って、対価を得て情報を売る。どんなに仲がよくても、ちゃんと割り切っているという人間性が素晴らしいと思いました。抜け目がない部分も、ムードメーカー的な立ち位置も、アルゴがいるから空気が変わるというのがすごくいいですね。
戸松さん 前回、一度離れてしまったミトとアスナの関係性がどうなるのかは、皆さんも気になる部分かなと。また、今回は登場人物が増えるので、テレビシリーズにちらっと登場したキャラクターが活躍したり、「ここで伏線が回収されるのか」というシーンがあったり、本当によくできていて、いい意味でまさかの展開が切り込まれてくるので、最後まで油断ならないなと思います。
松岡さん 見どころとして、やっぱり外せないのはキバオウです。
松岡さん キバオウは、第1層のころから、キリトに噛みついたり、やらかしたりしていたじゃないですか。皆さんにも若干嫌なやつと思われているかもしれないんですけど、今回は「あれ? キバオウ」と思うようなシーンがあります。そこを見ていただけたら、アプリゲームでもプレーヤーに選ばれるようなキャラクターに昇格するのかなと思っています(笑い)。
戸松さん 10年前にアスナを演じていた時は、お姉さんを演じているような気持ちだったんですけど、いつの間にか、私のほうが年上になってしまいました。テレビシリーズでは、少しずつアスナも年を重ねて大人になっていて、基本的に演じる心意気は変わっていないんです。ただ、当時は頑張ってお姉さんっぽい声を出していたつもりだったけど、「思っていたより声は若いな」と思うことはありますね。
松岡さん 今、戸松さんがおっしゃられた「お姉さんを演じているような気持ち」というところにすごくしっくりきました。現段階のアスナは、すごくいい意味で落ち着いていて、「信じる人のために、信じている自分の力を使う」という部分がすごくあって。昔だと、ぷりぷり怒っていたような場面でも、今は「結局戻ってくるのは私のところだから」というような余裕が見えて、すごいなと思うんです。それはお芝居の方向性もあるんでしょうけど、実際に戸松遥さんという人間がどんな人生を歩んできたかというところも関係しているんじゃないかなと勝手に想像しています。でも、戸松さんの見た目は全然変わらないですけどね。
戸松さん ありがとう(笑い)。
戸松さん 松岡くんは基本的に変わらないんですけど、新人さんだった10年前からたくましくなったのかなとは思います。現場でも相変わらずイジられていますし、「俺、座長だから」みたいな積極的なタイプではないんですけど、すごく堂々としています。10年前は誰ともしゃべらず、扉を閉ざしていたけど、今は堂々と、座長の貫禄みたいなものがすごく出てきたんじゃないかなと思います。
松岡さん ありがとうございます。
戸松さん 最初は、1ミリも扉を開けてくれなかったんです。シリーズが始まって5年ぐらいたって、ようやくチェーンを付けた状態で鍵を開けてくれたかなという(笑い)。
松岡さん 今だったら大丈夫です。1クールで鍵を開けますよ。僕自身、振り返ってみないと、変わったとは分からないんですけど、いつの間にか、自分がやれることが増えていたんだなと思います。ここ数年は、事務所から「新人の面倒を見てあげて」と言われるようになったこともあります。本分は自分の仕事なので、無理をしない範囲で少しでも面倒を見てあげようという気持ちから、初めて会った人ともしゃべれるようになりました。
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