花江夏樹:「今までで一番大変だったかもしれません」 アニメ「サマータイムレンダ」収録の裏側

「サマータイムレンダ」で主人公・網代慎平を演じた花江夏樹さん
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「サマータイムレンダ」で主人公・網代慎平を演じた花江夏樹さん

 集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載された田中靖規さんのマンガが原作のテレビアニメ「サマータイムレンダ」。全25話のテレビアニメが今年4~9月に放送され、主人公・網代慎平役の花江夏樹さんら声優陣の熱演も話題になった。和歌山が舞台の作品ということもあり、キャラクターの多くは和歌山弁を話す。和歌山弁は、いわゆるコテコテの関西弁とは少し違い、花江さんは絶妙なニュアンスを繊細に表現した。主人公ということもあって、せりふ量も多い。大変だったはず……と花江さんに話を聞くと、「今までで一番大変だったかもしれません」と明かす。全25話を走り抜けた花江さんに、収録の裏側を聞いた。

 ◇和歌山弁はニュアンスが絶妙 大変だったけど達成感も

 「サマータイムレンダ」は、離島を舞台にしたSFサスペンス。幼なじみ・小舟潮の死をきっかけに故郷の和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた網代慎平が、不可解な死を探るうちに、島に残る“影”のウワサとその謎に巻き込まれていく……というストーリー。2017年10月~2021年2月に「少年ジャンプ+」で連載された。これまでディズニープラスの独占配信だったが、11月15日からNetflix、Amazon Prime Video、ABEMAほかで順次配信され、計24サービスでの配信が解禁された。

 花江さんは「鬼滅の刃」「東京喰種トーキョーグール」などでも知られる人気声優。和歌山弁は初挑戦だったといい、「収録は大変でした」と振り返る。

 「ゴールが見えないな……と思いながら毎週頑張っていました。いざ終わりに近づいてくると、方言にも慣れてきて、もっとできるかも!と思ってきたので、終わっちゃうと、寂しい気持ちもありました。大変でしたが、達成感がありました」

 花江さんの怪演に驚かされることも多かった。慎平のせりふは、和歌山弁と標準語が混ざっている。さらに“影”と呼ばれる謎の存在の慎平なども演じ分けた。

 「慎平は東京にもいたこともあって、モノローグは基本的に標準語で、気持ちがあふれてくると方言になるところがありました。慎平が一番大変で、影の方が楽しかったですね。影はゆっくりしゃべるので、考える時間がありますし、音の高低差も付けやすかったんです。ハイネが変身した影の慎平、(慎平の体に宿った)竜之介もあって、そこは少し息抜きになっていました。味変みたいに(笑い)。悪役もできて二度おいしい、みたいなところもありました」

 和歌山弁は、コテコテの関西弁というわけではないところが難しい。

 「難しかったですね。抑揚やイントネーションの変化がもっとあると、やりやすいのですが、コテコテという感じではなくて、ニュアンスが絶妙なんです。特に難しいのが一人称でした。普通に聞こえるけど、ちょっと違うみたいなことも多かったです。正直、そんなに変わらないんじゃないかな?と思ったこともありましたが、地元の人からすると違うんですよね。法則性はあるのですが、例外もあるんです。慣れてきたかな?と思って、やってみたら、イントネーションが違ったこともありました」

 ◇スタッフとの信頼感 絶対にいいものになる!

 花江さんは「サマータイムレンダ」の収録のため、入念な準備をした。映像編集ソフトで、収録前にもらった映像に方言指導のカイホリ ショータさんのガイドの音声を付けて、タイミングを合わせ、練習をした。収録ではタイミングを合わせた音声を聞きながら、演じた。想像するだけで、苦労が多そうではあるが、「そうする方が楽なんですよ」と話す。

 「せりふ量が多いですし、耳から入った方がやりやすいんですね。1話の時は全然慣れていなかったので、台本のチェックだけで6時間くらいかかってしまい、その後は徐々にペースアップしていきました。慎平は東京にちょっといたところ、人間として成長途中であるところに助けられた部分はあります。潮みたいに和歌山弁だけで、このせりふ量だったら、相当大変だったと思います」

 スタッフとの信頼関係があったからこそ乗り越えられたところもあったという。

 「もう二度とできないなっていうぐらい頑張りました(笑い)。今までで一番大変だったかもしれません。達成感、思い入れがあります。渡辺(歩)監督には『漁港の肉子ちゃん』でもお世話になって、信頼感がありました。だから頑張れた部分もあります。原作もすごく面白いので、絶対にいいものになる!と思っていましたし」

 美しい映像、花江さんら声優陣の熱演もあって「サマータイムレンダ」は素晴らしい作品になった。

 「原作の田中先生はゲームが好きで、ゲームの要素がちりばめられているんですよね。僕もゲームが好きなので、心躍る設定がたくさんありました。タイムリープしてるけど、敵もどんどん強くなるので、一瞬も気を抜けない。自分もコピーされるので、自分の考え方もバレてしまう。やり直せば、余裕でしょ!みたいな感じが一切ないんです。その緊迫感が続くところもいいんですよね」

 「サマータイムレンダ」は、見返すと新たな発見がある作品だ。初めて見る人もどんどん作品の世界に引き込まれ、一気に見たくなるはず。ぜひ「サマータイムレンダ」の世界にどっぷり浸ってほしい。

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