山田裕貴:“呪文みたいなせりふ”も「音だけにしない」意識 「女神の教室」でロースクールの天才教員役

連続ドラマ「女神の教室~リーガル青春白書~」で藍井仁を演じる山田裕貴さん(C)フジテレビ
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連続ドラマ「女神の教室~リーガル青春白書~」で藍井仁を演じる山田裕貴さん(C)フジテレビ

 1月9日にスタートした連続ドラマ「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~」(フジテレビ系、月曜午後9時)。ロースクール(法科大学院)を舞台にしたリーガル青春群像劇で、変わり者の天才教員・藍井仁を演じているのが俳優の山田裕貴さんだ。山田さんは難しいワードが並ぶせりふに苦労しながらも、「“音だけ”にしないように」と撮影に取り組んでいる。ドラマを通して感じることや、役や共演者とリンクする部分について語ってもらった。

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 ◇せりふはまるで呪文? トーンは楽でも“普段使わない言葉”に苦戦

 本作は、「人を知らなければいい法律家にはなれない」という信念を持つ裁判官・柊木雫(北川景子さん)が主人公。ある日、裁判所所長からの辞令を受け、青南大学法科大学院の派遣教員として働くことに。12年ぶりに訪れたロースクールでは、司法試験合格という目先のゴールのための授業ばかり。そんな現実に違和感を覚えた柊木は、法曹界の未来をよりよくするために“人を知るため”の授業を始める。

 藍井は、青南大学法科大学院の研究家教員。超が付くほどの合理主義者で変わり者だが、東大法学部在学中に司法試験に合格した天才。判例オタクで、知識では誰にも負けない自信がある。他人には興味がなく、淡々とした話し口調のキャラクターだ。

 演じる山田さんは「テレビでは頑張っているので明るいイメージを持たれがちですが、実は僕、そんなに明るくなく、気を許せる人の前では全然話さない人なんです。だから藍井のトーンは楽で、余裕をもってできる。でも、話していることが僕が普段話すような内容ではないし、普段使わない言葉でもあるのでそれがやっぱり難しい」と明かす。

 せりふを覚える際は「とにかく家でずっと口に出していますが、言っても言っても覚えられない。もう呪文みたいで。でも、学生たちのほうが難しいせりふがもっと多いので文句言えないなと(笑い)」と冗談交じりに告白。「その中でも、言葉をきちんと理解して“音だけ”にしないように意識はしています」と、真摯(しんし)な姿勢ものぞかせていた。

 ◇改めて感じた「一番大事なのは心」 藍井との“リンク”も

 9日に放送された第1話では、学院長・守宮清正(及川光博さん)の計らいで、柊木と藍井が一緒に実務演習を受け持つことに。教育方針が全く異なる2人だが、山田さんは「僕は正直、柊木先生派なんですよ」と語る。

 「もちろん法律は大事ですが、ルールによって苦しめられてる人もいる。裁かれてしまう人が結果的に悪くなかった場合もあるので、やっぱり一番大事なのは心なんじゃないかなと。法律では心を測れないということが、より一層深まったかなと思います」

 一方、自身が演じる藍井ともリンクするような部分があるという。

 「僕は父親から『自分で考えろ』と言われて育ったので、全然人に相談しないんですよ。自分で考えているぶん、自然とオリジナリティーが含まれていって、人と違うようになれるのかなって。その言葉は僕の人生の支えになっていて、自分が人と関わる上でも意識していることです。藍井を分析していくと、何となく『自分で考える』という思いがあるような感じがしています」

 ◇特撮出身者が勢ぞろい 「どことなく似ているような気がしています」

 本作では女優の北川さんが主演を務め、ロースクールに通う学生役で高橋文哉さん、前田拳太郎さんも出演。山田さんはスーパー戦隊シリーズ「海賊戦隊ゴーカイジャー」(テレビ朝日系、2011~12年)、北川さんは特撮ドラマ「美少女戦士セーラームーン」(TBS系、2003~04年)、高橋さんは特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」(テレビ朝日系、2019~20年)、前田さんは「仮面ライダーリバイス」(同、2021~22年)に出演しており、偶然にも特撮出身者がそろった。

 実際に本人たちの間でも話題に上がり、山田さんは「北川さんは特撮が女優デビューで、僕も特撮から始まっているのでそこは親近感がありました」と明かす。今作に限らず、特撮経験者と話す中では「『同じ特撮を通ってきたから』と意識しているわけではないですが、何となく考え方が似ているなと感じる」こともあるのだという。

 「たまたまなのかもしれないですけど、1年間同じ作品をやり続けるという道を通ってきた経験から生まれた考えだったりがあると思うので、どことなく似ているような気がしています」

 ◇「一歩外に出るとスイッチが入ってしまう」 “人間・山田裕貴”でいられる場所は…

 法をテーマにした本作では、「正義」という言葉もキーワードとして上がってくるだろう。世の中では「可愛いは正義」などと言われることもあるが、山田さんにとっての“正義”(=好きなものや日常に欠かせないもの)とは何だろうか。

 そう聞くと、山田さんは「家」と回答。「僕、本当に家が好きなんですよ。一人暮らしをするようになってから、部屋が狭くても設備は最強にしたいというのがあって」と話す。

 「最新の空気清浄機を買ってみたり、これにお金を使うのかと思いながらも“良いもの”を置く。僕は一歩外に出るとスイッチが入ってしまうので、“人間・山田裕貴”でいられる場所が家しかないんです。普段の僕を知っている人からしたら、テレビで見ている姿はえらい違いだと思います」と笑ってみせていた。

 「女神の教室~リーガル青春白書~」第2話は1月16日放送。

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