マイケル・ハウウェル:WOWOWのドキュメンタリー「WHO I AM LIFE」に出演 “自閉症のアーティスト”が撮影や作曲への思い語る

WOWOWのドキュメンタリー番組「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM LIFE」に出演する作曲家のマイケル・ハウウェルさん
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WOWOWのドキュメンタリー番組「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM LIFE」に出演する作曲家のマイケル・ハウウェルさん

 英国ロンドン出身の作曲家マイケル・ハウウェルさんが出演するWOWOWのドキュメンタリー番組「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM LIFE」が2月12日に放送される。「WHO I AM」はIPC(国際パラリンピック委員会)とWOWOWの共同プロジェクトとしスタートしたドキュメンタリーシリーズで、新シリーズ「WHO I AM LIFE」ではアーティストなどスポーツの枠を超えた人々を紹介している。同番組に“自閉症のアーティスト”として登場するハウウェルさんに、出演の感想や作曲で大事にしていることなどを聞いた。

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 「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM LIFE」は、WOWOWとIPCの共同プロジェクトとして2016年にスタートした大型プロジェクト「WHO I AMシリーズ」の新シリーズ。アーティストやミュージシャン、クリエーターなどスポーツの枠を超えた人々を追う。全3回で、これまでにバイオニック・ポップ・アーティストのヴィクトリア・モデスタさん、聴覚に障害があるトランスジェンダーのアーティストのチェラ・マンさんが出演した。

 先日開催されたWOWOWのイベントなどへの出演で、今回初来日したハウウェルさん。来日で楽しみにしていたことを尋ねると「もちろん、日本のみんなの前で演奏することが一番」としつつ、さらに「実は歴史や文化が大好きで、日本のお寺や神社が見たくて、すごく楽しみにしています」と笑顔をみせる。

 ドキュメンタリー番組への出演は、以前にも英国の公共放送BBCの5分の番組で経験があったが、今回の出演について「1時間のしっかりとした番組で、ドキュメンタリーという形で参加できることを本当にうれしく思いました」と喜びを明かすハウウェルさん。放送に先んじて公開されている番組の5分版ミニドキュメンタリーでは、ハウウェルさんが実際に演奏する姿や子供のころのエピソードを語る姿、学校の先生の話などが収められており、さまざまな角度からアプローチされていることが分かる。「全部で4、5月、夏、秋という区分けで(撮影された)。カメラの前で自然体でいられましたし、映ることも撮られることも嫌ではなかったですね、楽しみました」と振り返る。

 ハウウェルさんは独学でピアノを習得し、クラシック楽曲を演奏できるようになったという。自身の音楽について「世の中にはいろいろなジャンルの音楽があるけど、たぶん僕の音楽は、そのどこにも属さない」と捉えており、「人と違うことやユニークさというのは、美しさであり、すばらしいこと、大切なことだと思っていて。他と違う、ということは魅力。オリジナリティーやユニークさは大事だと思っていますし、すごく大切にしています」と説明。ただ、「あえて『ユニークに』とか『人とは違ったものに』と意識しているわけではなくて、勝手に自分の音楽の形ができあがっているだけのことなんです」と考えを語る。

 そんなハウウェルさんが作曲する時に大事にしているものは何か。「自分がよく使っている表現があるんですけど……、音楽というものは、聴いて、理解して感じ取ることではなくて、感じるもの。音楽は、耳から入って、心で感じるものであって、理解して入るものではない。それが自分の常に大事にしている考え方です」と思いを明かす。

 これからさらなる活躍が期待されるハウウェルさんの夢は、自身の音楽をオーケストラという形で表現することや、曲が世界へ広がっていくこと。「多くの人に自分の音楽を知ってもらいたいな、という気持ちがあります。自分の曲が世界に広がっていけば。こうやって日本で(WOWOWのイベントで)パフォーマンスしたことは未来に向かっての第一歩で、特別なことだったと思っています」とほほ笑む。

 最後に番組を見る人へのメッセージを求めると、「クラシックの世界で黒人が受け入れられない中でも、信じていればトップレベルにいけるということを信じてほしいし、自分に障害があっても貫いていけばできるんだ、ということを分かってほしいです」と語ってくれた。

 ハウウェルさんが出演する「WHO I AM LIFE」はWOWOWプライムとWOWOW4Kで12日午前10時に放送。放送終了後にWOWOWオンデマンドで配信される。

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