笑の大学:三谷幸喜の傑作舞台をWOWOWで6月に放送・配信 内野聖陽と瀬戸康史が共演 インタビューも公開

舞台「笑の大学」に出演する(左から)瀬戸康史さんと内野聖陽さん=WOWOW提供
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舞台「笑の大学」に出演する(左から)瀬戸康史さんと内野聖陽さん=WOWOW提供

 脚本家の三谷幸喜さんが手がける舞台「笑の大学」が、WOWOWで6月に放送・配信されることが4月21日、明らかになった。

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 「笑の大学」は1996年に初演、1998年に再演され、ロシア、韓国、中国、フランスで翻訳上演もされた三谷さんの代表作。今年3月に25年ぶりに国内で上演され、俳優の内野聖陽さんと瀬戸康史さんが“二人芝居”に挑戦した。番組では、公演の模様に加え、三谷さん、内野さん、瀬戸さんのインタビューが放送される。

 舞台は、日本が戦争へと突き進んでいた昭和15年。警視庁の取調室では、新作喜劇を巡り、警視庁検閲係の向坂睦男(内野さん)と劇団「笑の大学」座付き作家の椿一(瀬戸さん)が対立していた。非常時に喜劇など断じて許さないという向坂と、なんとか上演許可をもらいたい椿。向坂が要求する無理難題を逆手に取りながら、椿は台本の書き直しに挑戦し……と展開する。

 放送に先駆け、三谷さん、内野さん、瀬戸さんのインタビューも一部公開された。インタビューは、以下の通り。

 ◇三谷幸喜さんのインタビュー

 「笑の大学」を上演していた頃は、脚本家だけで演出をしていなかったので、自分が演出をするという選択肢はなかったんです。今回自分で演出をしてみて、はじめてこの戯曲の意味のようなものが見えてきた気がします。自分で書いていて不思議なんですが、「ああ、このセリフはこういう意味があったのか」というような客観的な発見がありました。

 自分が演出をしたからというよりは、演じる俳優さんが変わったところが大きいんですが、内野さんと瀬戸さんが演じることによって、この二人の関係性に前回はなかった疑似親子みたいなものが生まれて、二人に年齢差があることで、最終的に息子を見ている父親の目線みたいなものがそこに見えてきたんです。それでラストを変えたんですよね。だから多分このラストは今回の二人にはベストな結末だと思うし、内野さんと瀬戸さんと僕とで作ったこの公演に関しては、多分正解にたどり着いた感じはすごくあります。

 ◇内野聖陽さんのインタビュー

 98年版の「笑の大学」再演公演を見て、あまりの質の高さにもう度肝を抜かれたんですね。向坂役にとオファーがあったときも、おいそれと二つ返事でやりますとは言えなかったんです。ちょっとした恐怖もあったし、ちょっとした野望もあったし、自分がやるからには、2023年に上演する上での何か闘志のような、夢のような部分で、三谷さんと感じ合っておきたかったみたいなところがありまして。すぐには「やりますっ!」って言えなかったんです。「笑の大学」が自分の中であまりに素晴らしい作品だったので、出演を決めるまでに少し時間が必要だったことは確かです。

 でも、三谷さんの絶大なラブコールといいますか、「内野さんじゃないと」と言ってくださって。「そんなに喜劇慣れしてない私が、『笑の大学』をやってもよろしいんですか」みたいな気持ちだったんですが、三谷さんご自身の「『笑の大学』を執筆した当時の自分に僕は負けたくない」というような言葉も伺って、すさまじい熱量でこの作品に対峙しようとされているんだなと感じました。であるならば、私も三谷さんと一緒にこの山に登ってみたい、と決断することができました。

 ◇瀬戸康史さんのインタビュー

 「傑作の二人芝居と言われているこの作品をやるか」みたいなプレッシャーは正直なかったんですよね。ただ、三谷さんが呼んでくれたっていうのと、二人芝居には興味を持っていたので、挑戦したいと思いました。

 稽古は今までで一番あっという間でした。多分めちゃくちゃ楽しかったんだと思います。まるで、子供の夏休みのような体感の早さでした。

 僕と内野さんの演技を見て、三谷さんがつけてくれた演出がたくさんあって、その場で、その日に生まれてくることが多かった気がします。今回のラストは初演・再演のラストから三谷さんが書き替えられたんですが、稽古場ではまた別のラストも実は試していて。お客様に観て頂くことはないものですが、それはもう稽古場でしかなかったラストだったりするので、毎日いろいろなことが生まれて、喜劇作家の椿さんが台本を作っている時のワクワクが毎日稽古場で繰り広げられていたなと思います。

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