「家庭教師ヒットマンREBORN！」「エルドライブ【elDLIVE】」などで知られる天野明さんのミステリーマンガが原作のテレビアニメ「鴨乃橋ロンの禁断推理」の1st Season（ファーストシーズン）が10月2日からTOKYO MXほかで放送される。阿座上洋平さんが天才探偵・鴨乃橋ロン、榎木淳弥さんが刑事・一色都々丸（トト）をそれぞれ演じる。“阿座上ロン”と“榎木トト”の凸凹コンビの活躍が大きな見どころとなる。榎木さんに同作への思いを聞いた。

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　◇トトはなぜ人を助けるのか？

　「鴨乃橋ロンの禁断推理」は、集英社のマンガ雑誌アプリ「少年ジャンプ＋（プラス）」で2020年10月から連載中。異色の天才探偵・ロンとピュアでマヌケな刑事・トトがさまざまな謎を解き明かす姿を描いている。アニメは井畑翔太さんが監督を務め、ディオメディアが制作する。

　榎木さんが演じるトトは、警視庁捜査一課で“お荷物”扱いされている刑事。後先考えずに行動してしまうが、ピュアでマヌケなところがロンに気に入られ、パートナーとなる。事件では、表立って捜査ができないロンに代わって推理を披露する。

　ピュアなトトは、人を助けようとする。榎木さんは「なんでトトはこんなに人を助けたいんだろう？」と考えた。

　「僕としては、人を助けることがトトにとっての幸せなのかもしれない、というところに行き着きました。僕自身、他人のために、という気持ちはそんなに強くはないのですが、他人が幸せそうにしているのを見て自分もうれしくなる気持ちは分かります。例えば、親が子供に『勉強しろ！』と言うのは、子供に幸せになってほしいという気持ちもあるけど、親も安心するからなんでしょうし。トトは、人を助けることで、自分が安心する。原作があるので、結論は分からないところもありますが、そう考えると、感情移入しやすかったです」

　正反対にも見えるロンとトトは「似ているところもある」とも話す。

　「ロンとトトは、やりたいことを封じられている似た者同士なのかなと感じます。ロンは“探偵”であることを禁じられて、トトは人助けをしたいのにロンに出逢うまでは雑務しか与えられずにいました。自分の欠陥に向き合うロン、振り回されながらもなんだかんだ楽しんでいるトト、そんな二人のバディーものとしてすごく面白いです」

　◇阿座上洋平は居心地がいい

　トトはロンに激しくツッコミを入れる。二人のやり取りがアニメの見どころの一つになっている。

　「楽しいですね。叫んだりするし、せりふが多くて難しい言葉もあって、いろいろなやりようがあるのでどういうふうに工夫しようかと考えるのが楽しいですし、台本のチェックにも時間が掛かります。自分がせりふとして言えるテンションに持っていけないとできないツッコミもあるので、役作りはすごくやりがいがあります。」

　ツッコミは「足し算、引き算が楽しい」という。

　「原作はマンガなのでせりふに『！』が付いているけど、そのまま音声にしてしまうと、クドくなるしメリハリがなくなるかもしれないので、全部強くするのではなく、話の流れによっては引くところもあります。足し算、引き算があって、聞き心地のいい演技を心がけています。」

　ロン役の阿座上さんとの共演にも刺激を受けている。

　「阿座上君と僕はタイプが違います。阿座上君は、僕のことを感覚タイプ、自分を理論タイプだと思っているみたいですが、僕は多分、逆なんじゃないかなと思っています。僕はその場でアドリブ的な演技を発揮をするのはなかなかできないけど、阿座上君は得意なんです。自分にはない切り口ですし、新鮮です」

　阿座上さんにインタビューした際、「鴨乃橋ロンの禁断推理」の収録を前に、榎木さんとサウナに行ったことを明かしていた。

　「阿座上君と二人でサウナに行きました！　仕事の話はあんまりせず普通に楽しく遊んでいました。仲がよくて、居心地がいいんですよね。意外と思うかもしれないけど、僕は結構気を遣うタイプでして、人を不快にさせたくないし、嫌われるのが怖いけど、阿座上君はフラットにすーっと入ってくる。すごいですよ」

　◇話題の写真は恥ずかしい……

　メインキャラクターを演じる雨宮役の日笠陽子さん、シュピッツ・ファイア役の八代拓さんとの共演も楽しんでいる。

　「ロンの現場は阿座上君、そして日笠さん、八代君もいて、すごく楽しいです。休憩中に結構騒いでいます。差し入れが豪華なので、日笠さんがいっぱい食べたり（笑い）。すごく和やかです。仲がよすぎて、プライベートでもよくご飯に行きます」

　阿座上さん、榎木さんの出演が発表された際、二人がスーツを着た撮り下ろしのビジュアルが公開されたことも話題になった。榎木さんは「こういうのは初めてです。阿座上君は背が高くて、本当にロンみたいです。自分の写真は恥ずかしいですね……。自分の写真を見るのはあんまり気が進まない（笑い）。でも、楽しかったですよ」と笑顔で語る。

　放送に向けて「テンポがすごくよくて、面白い！と思いながら、アフレコしていました。期待して放送を待っていただければうれしいです。個人的にもすごく楽しみです」と語る榎木さん。“阿座上ロン”と“榎木トト”の凸凹コンビの活躍に期待したい。