解説:「どうする家康」でいよいよ! 「関ヶ原の戦い」過去の大河ドラマでは? 歴代“小早川秀秋俳優”も

大河ドラマ「どうする家康」で嘉島陸さん演じる小早川秀秋 (C)NHK
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大河ドラマ「どうする家康」で嘉島陸さん演じる小早川秀秋 (C)NHK

 松本潤さん主演のNHK大河ドラマどうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)の第43回「関ヶ原の戦い」が、11月12日に放送される。同回で描かれるのは、副題の通り、慶長5(1600)年9月15日、美濃と近江の境に位置する関ヶ原で、徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍が激突した“天下分け目の合戦”だ。過去作にはどんな「関ヶ原の戦い」が登場したのか、またキーマンとされる小早川秀秋は誰が演じてきたのか、解説する。

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 ◇家康側の視点で“過程”もていねいに描いた「葵 徳川三代」

 1963年に始まり、長い歴史を持つ大河ドラマで、初めて「関ヶ原の戦い」が描かれたのは、1971年の「春の坂道」だった。

 その後は、1978年の「黄金の日日」、1981年の「おんな太閤記」、1983年の「徳川家康」、1987年の「独眼竜政宗」、1989年の「春日局」、2000年の「葵 徳川三代」、2002年の「利家とまつ~加賀百万石物語~」、2003年の「武蔵 MUSASHI」、2006年の「功名が辻」、2009年の「天地人」、2011年の「江~姫たちの戦国~」、2014年の「軍師官兵衛」、2016年の「真田丸」に「関ヶ原の戦い」が登場してきた。

 家康側の視点に立った「関ヶ原の戦い」とされるのが、1983年の「徳川家康」と2000年の「葵 徳川三代」だ。特に「葵 徳川三代」は、関ヶ原に至るまでの過程を約2か月かけてじっくりとていねいに描いたことでも知られる。家康を津川雅彦さん、三成を江守徹さんが演じていて、兵の密集度などリアリティーを追及したという合戦シーンは今、見ても迫力十分だ。

 三成という敗者視点では、2009年の「天地人」が挙げられる。主人公・直江兼続(妻夫木聡さん)の盟友という立ち位置の三成を、まだ20代の小栗旬さんが好演。さわやかイケメンな小栗“三成”に相対する家康役を務めたのは松方弘樹さんで、ここでは“醜悪な家康”に徹した。

 ◇一瞬で終わった「関ヶ原の戦い」といえば…

 家康も三成も登場せず合戦シーンもない「関ヶ原の戦い」もあった。2003年の「武蔵 MUSASHI」だ。同作の主人公は宮本武蔵で、市川新之助(現・市川團十郎)さんが演じた。第1回の冒頭の時点で、すでに東西と両軍の戦いは東軍の圧勝に終わっていて、西軍の敗残兵となった17歳の武蔵が、夕刻の関ヶ原で意識を取り戻す……という形で「関ヶ原の戦い」が描かれた。

 合戦シーンが省略され、一瞬で終わった「関ヶ原の戦い」といえば、2016年の「真田丸」しかないだろう。主人公・真田信繁(堺雅人さん)が、秀吉(小日向文世さん)亡き後に仕えた三成を、山本耕史さんが演じて当たり役となったが、関ヶ原のシーンとしては戦いに臨むところまで。真田家の忍び・佐助(藤井隆さん)の報告だけで終わらせた驚きの手法は「超高速関ヶ原」と呼ばれ、大きな反響があった。

 ◇大和田獏、香川照之、上地雄輔、浅利陽介らが“寝返り”?

 東軍西軍の勝敗を左右する“キーマン”小早川秀秋だが、大河ドラマでは過去9作に登場。キャストを古い順から並べると、石橋正次さん(1971年の「春の坂道」)、大和田獏さん(1981年の「おんな太閤記」)、堀内正美さん(1983年の「徳川家康」)、香川照之さん(1989年の「春日局」)、鈴木一真さん(2000年の「葵 徳川三代」)、阪本浩之さん(2006年の「功名が辻」)、上地雄輔さん(2009年の「天地人」)、浅利陽介さん(2014年の「軍師官兵衛」と2016年の「真田丸」)となる。

 共通しているのは、直接的な描写にせよ、間接的な描写にせよ、結局は西軍から東軍へと“寝返る”部分。ちなみに、2作で秀秋に扮(ふん)した浅利さんは以前のインタビューで、裏切り者の秀秋について「いいイメージを持っている人はいないと思いますよ」と話している。

 「どうする家康」では、12年ぶり大河ドラマとなる嘉島陸さんが演じる小早川秀秋。初登場となった11月5日放送の第42回「天下分け目」では、「秀頼様こそ主君」「我らはあくまで三成につく」と言いながら、「しかし、戦といえば徳川じゃ」と意味深な言葉を口にし、家臣たちには「どちらにも転べるようにしておけ」と命じ、したたかさをのぞかせていた。今回の秀秋がどう寝返るのか(それとも寝返らないのか)、その動向にも注目だ。

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