俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)のセットやステージ衣装を一般公開するイベントが、3月1日からNHK大阪放送局(大阪市中央区)で開催される。前日の2月29日には、同作の語りを担当する高瀬耕造アナウンサーが進行役となり、制作統括の福岡利武さんと映像デザイン担当の有本弘さんが解説しながら展示物が報道陣に公開された。
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NHK大阪放送局1階のアトリウムに展示されたセットは、主人公・福来スズ子の自宅、スズ子の実家の銭湯「はな湯」、作曲家・羽鳥善一の仕事部屋、上京したばかりのスズ子が通ったおでん屋台の四つ。さらに舞台衣裳や小道具の展示、劇中に出てきた衣装をバーチャル映像で試着できるブースもある。スズ子の家の中と羽鳥の仕事部屋以外は、実際にセットに入って写真撮影などが可能だ。
「立ち入っちゃいけない場所という気がして、(撮影中は)ほとんどセットには入らなかったです」という高瀬アナ。有本さんが語るセットの工夫や、実は過去の朝ドラから使い回されていた小道具などの説明に聞き入り、一朝ドラファンとして「ちょっとテンションが上がりました」と打ち明けた。
高瀬アナが特に“ズキズキワクワク”したのは、スズ子の家だったという。「ドラマにおいて、本当に重要な場所でしたからね。特に縁側は、スズ子が『ラッパと娘』を歌って、(スズ子の恋人の)愛助があとから入ってくるシーンがあったじゃないですか? あれを再現できたらと思いました」と希望を語った。
福岡さんが「(撮影が)全部無事に終わったのがなにより」と語る通り、スタジオ撮影での大きなトラブルは起こらなかったが、昔の日本家屋のサイズで作られているため、小さなハプニングは少しはあったという。「欄間が低いので、背が高い役者さんは当たっちゃうんですよ。特に(柴本タケシ役の)三浦(りょう太)君は、よく頭をぶつけていました(笑い)」と暴露していた。
一方、まだナレ―ション録(ど)りが続いている高瀬アナは、苦労したことについて「戦争中(の時代)は、どうしても重たく語ってしまいがちで。そこでたくましく生きる人たちを描いているので、『もう少し明るく』とか『希望を持ったように』と言ってもらいました」と振り返る。特に難しかったのは、スズ子と愛助が付き合い出してラブラブな時の一言「世界はもう2人でした」だったとか。
「『そのコメント、いらないんじゃないか? 』と思ったんですけど(笑い)。『あらあら……』みたいな気持ちを込めながらやってました」と明かす。横にいた福岡さんが「でも(録音は)1回でオーケーだったでしょ?」と言うと、すかさず「相当練習したからですよ!(笑い) ニュースばかりやってきた人間にとっては、本当に大きなチャレンジでした。新しい扉を開けたと思います」と良い経験になったと語った。
物語は、いよいよ残り1カ月。高瀬アナは「『ああ、終わっちゃうんだ』という気持ちになってきた頃に、このセットを見て『そういうことがあった』と、思い出をより鮮明にする機会にしていただけたら」と希望を語ると、有本さんからは「ドラマではスズ子の新しい家とか、新しいセットがまだまだ出てきますので、楽しみにしてください」と、美術的にも見どころが多数残っていることを明かした。
「ブギウギ」は109作目の朝ドラで、「東京ブギウギ」「買物ブギー」などの名曲で知られる戦後の大スター、笠置シヅ子さんがモデル。大阪の銭湯で育った花田鈴子が「福来スズ子」として、さまざまな出会いと別れを繰り返しながら、国民的歌手として成長していく姿を描く。3月4日からは第23週「マミーのマミーや」が始まる。セットの展示期間は3月1~17日で入場無料。時間は午前10時~午後6時(入場は午後5時半まで)。
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