今をときめくスターやアーティストにも、初出演、初イベント、初ライブなど必ず存在する“はじめて”の瞬間。そんな未経験ならではのドキドキの瞬間を、本人に振り返ってもらうのが「私のはじめて」です。今回は俳優の阿部サダヲさんに初舞台「冬の皮」について語ってもらいます。
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役者になって最初に立ったのが舞台なので印象に残っています。僕が入ったときに劇場がシアタートップスというところだったんですけど。多分150人ぐらいしか入らないところで、「こんなキャパの多いところで初舞台に立てるなんて幸せだ」って松尾(スズキ)さんに言われて。当時は「これが?」と思ってしまいました(笑い)。
しかも楽屋がなくて。当時、奈落(舞台の地下)が本当にかがんでいないと歩けないぐらいで、上で芝居しているとガンガン音がするようなところが楽屋だったんですよ。物を置いておくとネズミに食われたりとかするような。「すごい。こういうところに来たんだな」っていう、何かうれしさみたいのがあって。それまでサラリーマンをやっていたから、何か特別なことをしている感じがありました。
松尾さんが書くせりふをバンって言ったときに、お客さんが笑っているのを見て、何か変な気持ちよさみたいなのを感じたのは覚えていますね。「この気持ち良さなんだろう」みたいな。お客さんも含めて知らない人ばかりで、その中でやっているのが気持ち良かったですね。(談)
あべ・さだを 1970年04月23日生まれ、千葉県出身。1992年より大人計画に参加。同年、舞台「冬の皮」でデビュー。以降大人計画の舞台以外にも、「髑髏城の七人 season鳥」「THE BEE」などに主演。2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」では主人公の“田畑政治”を熱演。2018年に映画「彼女がその名を知らない鳥たち」にてブルーリボン賞主演男優賞、2024年に映画「シャイロックの子供たち」にて日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。現在、金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS)に出演中。
歌川広重を演じるNHKの特集ドラマ「広重ぶるう」が、3月23日午後10時からBSプレミアム4Kで放送される。