福井晴敏総監督×ヤマトナオミチ監督:「ヤマト3199」インタビュー(1) 総監督になった経緯 「3199」の謎は?

「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第一章「黒の侵略」のビジュアル(c)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会
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「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第一章「黒の侵略」のビジュアル(c)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会

 人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第一章「黒の侵略」が7月19日から上映される。1980年公開の劇場版第3作「ヤマトよ永遠に」に新解釈を加え、全26話、全七章に再構成した作品で、リメークシリーズの「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」でシリーズ構成、脚本を担当してきた福井晴敏さんが総監督も務め、シリーズ構成、脚本を担当することも話題になっている。監督を務めるのは「閃光のナイトレイド」「劇場版マクロスΔ絶対LIVE!!!!!!」などに参加してきたヤマトナオミチさんだ。福井総監督、ヤマト監督に「3199」に込めた思いを聞いた。

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 ◇総監督となり腹を決める

 --福井さんは、総監督という肩書が付きました。

 福井総監督 正直、今までと変わらないんです。逆に今までがおかしかったので、今回はちゃんと役職を付けて、背負ってくださいというところですね。今までは、いろいろと口を出すけど、背負う人が別だったので、いびつではありました。今回は腹を決めてやろうとしています。各シーンの仕上がりなど具体的に細かいところまで見るようになったところはありますが、根本は変わっていないです。今までは方向性さえ定まれば、監督にお任せしたところもありましたが、上がってきた段階で付け加えることもあります。

 --ヤマト監督が参加することになった経緯は?

 ヤマト監督 「2205」で演出として関わらせていただき、当時は別の作品の方で副監督をやっていたので、同時進行だったんです。副監督だった作品が終わり、福井さんからご指名いただきました。

 福井総監督 「2205」で担当していただいた話数を見て、手間ひまいとわずやってくれていることが見れば分かったので、将来的に絶対逃がさないと思っていました。お名前も宿命的じゃないですか。

 ヤマト監督 監督の名前と作品名が同じなのは史上初かもしれませんね(笑い)。本名なんです。小学生の頃は「宇宙戦艦」とあだ名を付けられましたし、子供の頃から父と一緒に見ていました。

 --「宇宙戦艦ヤマト」の印象は?

 ヤマト監督 教科書的なところが大きいと思います。関わっているスタッフの方々は、尊敬している方も多いですし、表現の基準みたいなところがあります。

 ◇「3199」の謎は第二章で分かる

 --リメークシーズは「2199」「2202」「2205」と続き、新作のタイトルは「3199」です。この数字の意味は?

 福井総監督 第一章ではまだ分かりませんが、次の章で明らかになります。原作では最後の方に開かれたびっくり箱がありますが、第二章が開幕すると、それが全部解禁されます。さらに、それ以上の驚きがその後に待っています。一度、皆さんが体験しているびっくり箱は、もうびっくり箱にならないので、最初から開けてお見せします。そこからとんでもないことになり、びっくり箱はそこも開くのか!?となるかもしれません。

 --「3199」で描かれることは?

 ヤマト監督 原作の「ヤマトよ永遠に」はビジュアルの印象が強いですが、各キャラクターの行動理由や思惑、葛藤が描かれている。「3199」は、今を生きる自分たちの葛藤というものが込められた作品になっています。

 福井総監督 よりローカライズされています。震災、コロナ、いつ戦争に巻き込まれるか分からない緊張、AIが出てきて、人間性をどうやって担保していくのか?と日本人がここ数年で直面したことがあって、それがダイレクトに反映されています。

 --「2202」「2205」でも描かれたことではありますが……。

 福井総監督 これまでと違う描かれ方で、より身に迫ることになると思います。同調圧力の怖さも経験しました。戦時中にあれだけ嫌な思いをして、気を付けていかなければいけなかったはずなので、ここ数年で人間の本質は変わっていないことが如実に表れた。言ってしまえば、こんなに支配しやすかったのか?と。

 インタビュー(2)に続く

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