ファーストサマーウイカ:「光る君へ」好演続く清少納言は「ほぼ私」 “生まれ変わり?”の声にも「かもしれない」

大河ドラマ「光る君へ」にききょう(清少納言)役で出演しているファーストサマーウイカさん (C)NHK
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大河ドラマ「光る君へ」にききょう(清少納言)役で出演しているファーストサマーウイカさん (C)NHK

 吉高由里子さん主演の大河ドラマ光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)にききょう(清少納言)役で出演しているファーストサマーウイカさん。「春はあけぼの」のフレーズがあまりにも有名な、「源氏物語」と並ぶ平安文学の傑作「枕草子」の作者として知られる清少納言だが、劇中における才気煥発な女性としての姿は目を見張るものがある。好演が続き、「最近はSNSで『生まれ変わり』と言っていただけることもあるんです」と明かすファーストサマーウイカさんに役への思いを聞いた。

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 ◇清少納言を知れば知るほど、吹き飛んでいった不安や重圧

 ファーストサマーウイカさんは今回が初の大河ドラマ。演じるききょうは、歌人・清原元輔(大森博史さん)の娘で、第6回「二人の才女」(2月11日放送)から登場すると、同回では早速、主人公・まひろ(紫式部、吉高さん)との邂逅が描かれた。その後、一条天皇(塩野瑛久さん)に入内した定子(高畑充希さん)のもとに女房として出仕。心からの忠誠を尽くし、その過程で「枕草子」が生まれた。

 清少納言については「どんな人か、詳細は分からずとも日本人の多くが名前は知っている」という印象を抱いていた。

 「歴史上の人物で、女性で印象的な人物って、時代が古くなればなるほど少なくなるとは思うのですが。その中で、紫式部の“対”と言いますか、『ライバル』と表現されることも多い清少納言を、紫式部が主役のドラマで演じるってことに対しての驚きは大きかったです」

 紫式部が主役のドラマにおける清少納言。驚きはもちろん、注目に値する配役という自覚は当然あり、「吉高由里子さん演じる紫式部のお相手に不足はないキャラクターになればいい」と考え、「枕草子」をはじめ、清少納言に関する本を読むようになる。

 そこで、ファーストサマーウイカさんが感じたのが「自分と考えた方、表現の仕方が非常に近い人物だな」という親近感だった。

 「最近はSNSで『生まれ変わり』と言っていただけることもあるんですけど、『いやいや、言いすぎでしょう』とも思わないというか、『かもしれない』と思うというか、それくらいの親近感(笑い)。ドラマの台本を読んでも同じように思えて。歴史上の人物を演じて『自分のことみたい』『自分を見ているよう』となるのって珍しいんじゃないかと言われましたが、ここまで感情移入するとは。いや、もう感情移入どころではなくて、『こういうときはそう言うでしょう』『これ以外はなんていうの』って感じで、本当に自分と清少納言が重なる瞬間があって。彼女を知れば知るほど、不安というものは消えていきました」

 清少納言を知れば知るほど、吹き飛んでいった役への不安や重圧。

 「『これ、ほぼ私だからな』って思えてから、感情の部分で『全然、この気持ち分からないよ』ってことは一度もなかったですね。これは余談にはなりますけど、学習マンガの清少納言や、平安を題材にしたマンガやイラストの清少納言が、みんなちょっとキツネ目のキッとした顔で描かれていて、どことなく似ていることが多かったんです。それもビジュア
ル面においての安心材料になりましたね(笑い)」

 ◇「枕草子」の誕生シーン秘話 定子×ききょうのスピンオフ熱望

 そんなファーストサマーウイカさんに、第21回「旅立ち」(5月26日放送)で描かれた 「枕草子」の誕生シーンを振り返ってもらった。

 家族が一人、また一人とそばから離れてしまった定子は、髪をおろしただけでなく、一度は死ぬことを心に決める。しかし、ききょうは「おなかの子のため、お生きにならねばなりませぬ」と説得を試み、その後、まひろの勧めもあって筆をとると、季節ごとの随筆を書き始める。それは「春はあけぼの」と始まっていて……。

 四季を表現した映像美も手伝ってか、視聴者も「大河ドラマ史上屈指の名シーン」と絶賛。本編で「春はあけぼの」という冒頭の一節を読み上げたのは定子(高畑さん)だったが、少納言(ファーストサマーウイカさん)が読むパターンも収録はされていたという。

 定子が読み上げるバージョンに決まったことを電話で伝えられたファーストサマーウイカさんは「それしかない!」と、全員がたどり着いた「ベストな答え」と感じたといい、「電話口で鳥肌が立ちまして、早くそのシーンを見たいって気持ちが高ぶりました」と振り返る。

 実はこのシーンに関してはもう一つ“秘話”が。それは第20回「望みの先に」(5月19日放送)本編後に流れた次回予告にあった。

 「二人が背中合わせで『春はあけぼの』ってフレーズが流れるのですが、『春は』を定子様、『あけぼの』を私(少納言)が言っているんです。どれだけの方がお気付きかは分からないですが、この2人のコラボ読みが本当にかっこよくって、どうにか定子×ききょうのスピンオフを作ってくれないかなって思っています(笑い)。またこの第21回を演出した原(英輔)さんとは同い年ということもあって、感慨深いものがありました」

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