良いこと悪いこと
最終話 真犯人、だーれだ?
12月20日(土)放送分
伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)。8月22日放送の第104話では、寅子(伊藤さん)と航一(岡田将生さん)が「夫婦のようなもの」として共に生きていくことを決意。また、轟(戸塚純貴さん)と遠藤(和田正人さん)という同性カップルが登場するなど、夫婦別姓、同性婚といった“婚姻制度”に鋭く切り込む展開が注目された。朝ドラでこれらのテーマを描いた理由について、制作統括の尾崎裕和さんに聞いた。
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ドラマでは、航一からプロポーズされた寅子が、結婚したら夫婦のどちらかの名字を必ず変えることに改めて気づき、これまで「佐田寅子」として生きてきた経歴が消えてしまうことを恐れ、なかなか結婚に踏み切れない心情が描かれた。
話し合いの末、寅子と航一は名字が変わらない事実婚を選ぶことに。尾崎さんは「寅子が積み重ねてきた人生の中で、これが2回目の結婚であること、民法の改正に携わった経験があること」を挙げ、脚本の吉田恵里香さんと打ち合わせを重ね、「寅子なら今回の結婚でこう考えるのではないか」という結論に達したという。
「事前に大きな枠組みの中で、どういう婚姻の形にするかを決めていたというよりは、今まで描いてきた寅子だったら、こういう思考の筋道をたどって結婚するんじゃないかと、吉田さんが脚本を書きながら作り上げていきました」と明かす。
轟については、「轟が同性愛者であるということは、最初に物語の大きな流れを考えた時点で決めていました」といい、「轟が年齢を重ねていく中でパートナーに出会い、結婚ということをどう考えるのか。法律上の結婚ができない自分たちについて考えることがあるだろうし、必然の流れとして、こういったストーリー展開になりました」と語る。
夫婦別姓、同性婚という今もなお議論されている問題を物語の中に織り込んだ理由を尋ねると、「“問いかけ”みたいなものだと思う」という答えが返ってきた。
「寅子や轟がこう考えている、こういう行動をしたということを、どう受け止めるかというのは、見ている方の自由だと思うので、見ている方にとって何かを考えるきっかけになったらいいなと思っています」と熱く語った。
事実婚という形で夫婦になった寅子と航一、結婚はかなわないものの深い愛で結ばれた轟と遠藤の行く末を、最後まで見守りたい。
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