今をときめく俳優やアーティストに、影響を受けた人について聞く「運命の出会い」。連続ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(日本テレビ系、日曜午後10時半)に出演中の一ノ瀬颯さんに、「自分のものの考え方や価値観を大きく変えてくれた、いわば恩師のような存在」という小学6年の時の担任の先生について語ってもらいます。
あなたにオススメ
来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹” 朝ドラヒロインまで手が届くか
小学生だと、大人はまだ僕らを子供として扱ってくるわけで、それは当たり前のことだと自分でも思っていたのですが、その先生は使う言葉も難しかったり、子供にするような話ではない話をときにしてくれて。一人の人間として、対等に向き合ってくれているのが分かる、すごくすてきな先生でした。
そういう先生が他にどれくらいるか分からないのですが、その後、中学・高校と上がっても、そこまで対等に接してくれる先生って、片手で数えられるくらいしか出会わなかった気がしますし、ましてそれが小学生のときと考えると、この先生との出会いはとても大きかったと思います。
嫌なことがあったときに真摯に話を聞いてくれたのですが、それも、僕の方から相談した記憶はあまりなくて、むしろ先生の方から気にかけてくれて。そうやって向き合ってくれることのありがたさはもちろん、対人関係の大切さをすごく教わったという意味で、自分の価値観を変えてくれた恩師だと思います。
学んだこと、影響を受けたことといえば、やっぱり人との向き合い方。そこに付随する誠実さ。友達と仲がいい、悪い、時にはけんかして、仲直りしてっていう、その年ごろならではの単純な人間関係に、もう少し深みを与えてくれたと僕は思っています。
難しい話についても、僕らを子供扱いせず、可能性を信じて話をしてくれていたんだろうなって今、改めて思いますし、僕も普段、子供たちと接するときできる限り同じ目線に立とうとするのは、根本に先生との出会いがあったからなのかなって。
僕自身「大人イコール偉い」という考えが苦手で、子供でも考えている子は本当に考えているし、思慮深いなって素直に思えるのも、先生が知らないうちに僕にそういった価値感を植え付けてくれたからなんだと思います。
いちのせ・はやて 1997年4月8日生まれ、東京都出身の27歳。2019年3月、スーパー戦隊シリーズ「騎士竜戦隊リュウソウジャー」のリュウソウレッド/コウ役で俳優デビュー。2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」では足利義栄を演じた。そのほか、連続ドラマ「テッパチ!」(フジテレビ系、2022年)、「Get Ready!」(TBS系、2023年)、「いちばんすきな花」(フジテレビ系、2023年)、「Believe-君にかける橋-」(テレビ朝日系、2024年)などにも出演。11月1日公開の映画「十一人の賊軍」にも出演する。