土屋太鳳:主人公の元婚約者役で出演 物語の鍵を握るオリキャラ 渡辺謙との共演は「一生の宝物」 映画「盤上の向日葵」で(コメント全文)

映画「盤上の向日葵」に出演する土屋太鳳さん(C)2025映画「盤上の向日葵」製作委員会
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映画「盤上の向日葵」に出演する土屋太鳳さん(C)2025映画「盤上の向日葵」製作委員会

 俳優の土屋太鳳さんが、映画「盤上の向日葵」(熊澤尚人監督、10月31日公開)で、原作には登場しない映画オリジナルのキャラクターで物語の鍵を握る主人公の元婚約者、奈津子を演じることが6月20日、明らかになった。

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 原作は、「孤狼の血」などで知られる柚月裕子さんの同名小説(中央公論新社)。山中で白骨死体が発見された。手がかりは、この世に7組しか現存しない将棋の駒だった。容疑者は将棋界に突如現れ、棋士たちを圧倒し、一躍時の人となった天才・上条桂介(坂口健太郎さん)だった。捜査の過程で、賭け将棋で裏社会に生きた男、東明重慶(渡辺謙さん)の存在が浮かび上がる。やがて、謎に包まれた桂介の生い立ちが明らかになる。それは、想像を絶する過酷なものだった……というヒューマンミステリー。熊澤監督が脚本も手がけている。主題歌はサザンオールスターズの「暮れゆく街のふたり」が採用された。

 桂介の過去を調べる刑事たちがたどり着いたのは、山梨県にある緑豊かな農園。プロ棋士としてデビューする前、桂介はこの農園で働いていた。農園の一人娘、奈津子と婚約し、幸せな時間を過ごしていたのだが、この地で2人の運命を変えてしまう出来事が起こる。桂介に迫る不穏な運命の足音にただ一人、気付いていたのが奈津子だった……。奈津子役を託されたのが土屋太鳳。物語のカギを握る人物と接点を持つ、ただ一人の人物という重要な役どころだ。

 新たに公開された場面写真には、果樹園で働く奈津子の姿が写し出されており、愛する人に迫りくる運命の足音に不安げに揺れているまなざしが印象的だ。

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 土屋さんと原作の柚月さんのコメント全文は以下の通り。

 ◇土屋太鳳さんのコメント

 --本作への思いは?

 「これを失えば生きる意味も失ってしまう」ほど魅了される世界に出会ってしまったら、それは幸せなのでしょうか。撮影からずっと、この問いが心に巡ります。つかみたいがゆえに壊れるもの、それを痛感する時間でした。

 --坂口健太郎さんについて。

 演じていらっしゃる時は、魂が役と一緒に遠くへと漂っていくような、なんともいえないはかなさをまとっていらっしゃるのですが、撮影が終わればスタッフさん方とコミュニケーションをたくさん取っていらして、本当に楽しい方でした。すごく暑い夏だったのですが、その笑顔が向日葵のようにチームを牽引なさっていたと思います。

 --渡辺謙さんについて。

 渡辺謙さんの作品を、どれほど繰り返し拝見したことか!!! プライベートな気持ちだけれど、その思いを伝えずにはいられませんでした。そんな話題にも笑顔で応えてくださり、私のライフステージが変化した後の状況も気遣ってくださって、本当に懐の深い、素晴らしい方でした。演技をご一緒した時間は、当然、一生の宝物です!

 ◇原作者:柚月裕子さんのコメント

 -- 映画化について。坂口健太郎さん、渡辺謙さんについて。

 とってもうれしかったです。これまでにも映像化していただいた作品はありますが、小説やマンガ、映画それぞれ面白さが違うものだと思っているので、映像も演技もとにかく楽しみで、すべてを監督にお任せしました。

 坂口さんの桂介は苦しんで、追い詰められて、つらい、決断を迫られるような厳しい役どころで、ずっと感情を揺さぶられましたし、渡辺謙さんはもういるだけですごみがある。何もしゃべらなくて表情を少し変えただけでも東明を表していて、やっぱり役者さんってすごいなと思いました。

 --映画版で脚色された奈津子という役、土屋太鳳さんについて。

 きっと映画を見ている方との心が一番近いキャラクターではないかなと思います。桂介を助けたい、桂介に幸せになってもらいたいと思うけど、どうにもできない。奈津子も桂介もお互いを大事に思っているけど一歩踏み出せない。言葉は少なくても(坂口さん演じる)桂介とのやりとりがものすごく切なく、静けさの中にたたずんでいるだけで、もの悲しさを強く訴えかけてくるものがありました。土屋太鳳さんでなければ醸し出せない雰囲気で、土屋さんだから作り上げられたオリジナルの奈津子だったと思います。

 --感想と観客へのメッセージ。

 涙がこらえられなくて、一言では言えない。面白い、引きつけられる。そして考えさせられる。いろいろな感情が胸に込み上げてきて、素晴らしいものを拝見した。すごく大切なものが込められている映画だと思いました。映画を見た後に、必ず大切な何かを持ち帰ることができる映画だと思います。壮大なひまわり畑と美しい景色と、そこでもがいてあがいて、前に進もうとするキャラクターの魅力。それを大きなスクリーンで、ぜひご覧になっていただきたいと思います。

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