ベートーヴェン捏造：染谷将太、神尾楓珠、生瀬勝久ら新キャスト8人解禁　バカリズム脚本、山田裕貴主演の映画　愛が暴走？特報第2弾も（コメント全文）　

　お笑い芸人のバカリズムさんが脚本を担当し、俳優の山田裕貴さん主演、古田新太さんと共演する映画「ベートーヴェン捏造」（関和亮監督、9月12日公開）の新たなキャスト8人が解禁された。併せて公開された本ポスタービジュアルに、8人がシンドラーとベートーヴェンと共にあしらわれている。

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　かげはら史帆さんの歴史ノンフィクション「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」（河出文庫）を実写映画化。大型LEDディスプレーに背景3DCGを表示し、その前で被写体を撮るという最先端技術を駆使したバーチャルプロダクションでの撮影を実施し、日本に居ながらにして19世紀のウィーンの世界を再現した。また、劇中ではベートーヴェンの珠玉の名曲を惜しみなく使用している。

　ベートーヴェンの秘書を務め、死後に伝記も記したシンドラーが、聴力を失ったベートーヴェンが使った会話帳を大幅に改ざんしていたスキャンダルがテーマ。山田さん演じる忠実なる秘書シンドラーが、古田さん演じる憧れのベートーヴェンを絶対に守るという使命感から、彼の死後、見事“下品で小汚いおじさん（真実）”から“聖なる天才音楽家（嘘）”に仕立て上げようと奮闘する……というストーリー。

　放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」に出演している染谷将太さんは、シンドラーに疑惑を抱く米国人音楽ジャーナリストのセイヤー、先日最終回を迎えた「波うららかに、めおと日和」（フジテレビ系）に“活動弁士”として登場した生瀬勝久さんは、ベートーヴェンの最期に立ち会う旧友のブロイニング役で存在感を発揮する。

　バカリズムさん脚本の「ホットスポット」（2025年）に出演した前田旺志郎さんはベートーヴェンから寵愛を受けるおいっ子のカールを、「ブラッシュアップライフ」（2023年）と「ホットスポット」（2025年）に出演した野間口徹さんは、「第九」初演時に副指揮としてベートーヴェンをサポートしたウムラウフを演じる。

　そのほか、ベートーヴェンが愛した晩年の秘書、ホルツ役に神尾楓珠さん、ベートーヴェンの弟でシンドラーを疎ましく思うヨハン役を小澤征悦さん、「第九」初演時のコンサートマスター、シュパンツィヒを小手伸也さん、ベートーヴェンが信頼する友人でシンドラーが共同で伝記執筆を持ち掛けるヴェーゲラーを遠藤憲一さんが演じる。

　同時に解禁された第2弾の特報映像は、ベートーヴェンの民衆が愛した天才音楽家の姿と、秘書のシンドラーに暴言を吐きながら卵を投げつける、パブリックイメージとはかけ離れた対照的な姿から始まる。主人公シンドラーが「彼は英雄であり続けなければいけないんです」と偏った思想を明かす場面や、周囲が「あいつちょっとおかしいだろ」「狂信者」「怖っ」と次々とシンドラーの歪んだ言動にドン引きする様子が収められている。ベートーヴェンに心酔するシンドラーの歪んだ愛はやがて暴走し……と展開する。

　　8人のキャストのコメント全文は以下の通り。

　◇染谷将太さん（アレクサンダー・ウィーロック・セイヤー役）のコメント

　19世紀ウィーンへのお誘いの連絡をいただいたとき、声を上げて「嘘だろ？」と前のめりになり、セイヤー役と聞いた瞬間には「なんてこった」とのけぞりました。大好きなバカリズムさんの台本を開けると、音楽室に写真が貼ってあるような歴史的人物たちが愛らしく人間らしく描かれており、ニヤニヤが止まりませんでした。関監督の新たな挑戦的な撮影方法は、もはやこれこそ映画でしかできない表現なのではと大興奮でした。魅力にあふれる本作の登場人物たちが奏でる壮大な歴史的ノンフィクションを身近に感じられるこの不思議な世界観。ぜひ劇場のスクリーンで見て、サラウンドスピーカーで聴いていただきたいです！

　◇神尾楓珠さん（カール・ホルツ役）のコメント

　題材と脚本にすごく興味が惹（ひ）かれました。僕自身の撮影日数は少なかったのですが、現代的で今までにないようなセットでの撮影だったこともあって、楽しく参加させていただきました。衣装や髪形にもとてもこだわりを感じました。また、山田裕貴さんと古田新太さんと久しぶりにご一緒できたこともうれしかったです。きっと新しい発見がたくさんある映画になっていると思うので楽しみにしていてください。

　◇前田旺志郎さん（カール・ヴァン・ベートーヴェン役）のコメント

　裕貴さん、古田さんをはじめ、すてきなキャスト陣との共演にわくわくしてました。また、バーチャルプロダクションで作られた世界での撮影も初めてだったのでどうなるのかと楽しみでした。現場では古田さんがいろんな話をされていて、特にANN（オールナイトニッポン）のパーソナリティーを古田さんがやられていた時の話などめちゃくちゃで衝撃的なお話をお聞きできて楽しかったです笑 シンドラーを中心にベートーヴェンやその家族を描いていくのが大変おもしろく、今までにないベートーヴェンの物語だと感じました。

　◇小澤征悦さん（ニコラウス・ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン役）のコメント

　今回オファーをいただいて、バカリズムさん脚本、しかもベートーヴェンの話、なおかつ自分の役どころがベートーヴェンの弟、ということで、いろいろ混乱しました（笑）。台本はもちろん面白かったですが、果たしてこのバカリベートーヴェンの世界観を映像化できるのか、正直想像できなかったですが、撮影現場に入り、その心配は吹き飛びました。ヨーロッパの映像美、そして古田新太さんのベートーヴェンは、ベートーヴェンにしか見えなかったです。新たなバカリワールド全開！　お楽しみに。

　◇生瀬勝久さん（シュテファン・フォン・ブロイニング役）のコメント

　私は、ベートーヴェンの最後を看取（みと）る仲の良い友達役だったので仲の良い古田くんを看取るというつもりで演じました。バカリズムさんの脚本は、セリフにしても表現にしてもとっても魅力的で、いくつもアンテナを張り巡らせているので、とても面白いものに仕上がっていると思います。ぜひ劇場でご覧ください。

　◇小手伸也さん（イグナーツ・シュパンツィヒ役）のコメント

　オファーをいただいた際、シュパンツィヒは、“ベートーヴェンより年下ながらヴァイオリンを彼に教えた盟友”とのことで、自分にどこまで演じられるか多少不安はあったんですが、よくよく調べたら“晩年太りすぎてヴァイオリンが弾けなくなった”とあり、ああ人柄採用かと（笑）。現場では、僕はヴァイオリンの練習、野間口さんは指揮、小澤さんは趣味のギターと音楽に囲まれる日々でしたが（笑）、基本的におじさんばかりで心地よかったです。鬼気迫る演奏シーンと、ユルっとした会話シーンの両極を楽しんでいただけたら幸いです！

　◇野間口徹さん（ミヒャエル・ウムラウフ役）のコメント

　ベートーヴェンについてはマンガで読んだ程度の知識しかありませんでしたが、シンドラーによって捏造された人間像だったのかもしれないと思うと恐怖を感じます。ただ、バカリズムさんの脚本で古田新太さんが作り上げたベートーヴェンは、腹立たしくもいとおしい人間になっています。きっと皆さんが知っているベートーヴェンより好きになっていただけると思います。

　◇遠藤憲一さん（フランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラー役）

　ベートーヴェン。初めて心奪われたのは17歳の時。交響曲第3番エロイカ。衝撃的だった。苦悩から歓喜のベートーヴェンの世界に涙した。そして今回、この作品の話をいただいた。大好きなベートーヴェンの話だからやりたいけど……ドイツ人の役だという。舞台ならまだしも映画だ。どういうこと？？？　まぁでもバカリズムさん脚本と関監督、この2人なら間違いなく何かやってくれるはず。そして撮影当日。なんかしれっと全部成立していた！　楽しい作品になっています！