ベートーヴェン捏造：“シンドラー”山田裕貴VS“リース”井ノ原快彦　対面シーンのメーキング＆井ノ原コメント映像解禁

　お笑い芸人のバカリズムさんが脚本を担当し、俳優の山田裕貴さんが主演を務め、公開中の映画「ベートーヴェン捏造」（関和亮監督）のメーキング映像などが解禁された。山田さん演じる自称“ベートーヴェンの親友”シンドラーと、井ノ原快彦さんが演じる“圧倒的に愛された一番弟子”リースが対面する場面のメーキングで、井ノ原さんのコメント映像も解禁された。

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　かげはら史帆さんの歴史ノンフィクション「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」（河出文庫）を実写映画化。ベートーヴェンの秘書を務め、死後に伝記も記したシンドラーが、聴力を失ったベートーヴェンが使った会話帳を大幅に改ざんしたスキャンダルをテーマとしている。

　公開前日に行われた前夜祭でサプライズ発表となった井ノ原さんは、主演を務めたドラマシリーズ「特捜9」（テレビ朝日系）で長年バディーとして共演してきた山田さんの主演映画ということで、二つ返事で出演を快諾したという。「絡みのシーンは一つしかなかったけれど、ずっと一緒にいる感覚で、慣れていて、彼もマインドが優しい人なので受け止めてくれてやりやすかった」と振り返った。

　井ノ原さんが演じたのは、ベートーヴェンの愛弟子フェルディナント・リース。今回、解禁となった映像は、ベートーヴェンに不名誉なあだ名をつけられたり、卵をぶつけられたりしていたシンドラーが、リースの止まらない“ベートーヴェンからの愛されエピソード”に卒倒しそうになるシーンのメーキング。井ノ原さんが「（リースは）天然で愛される人だったんだろうなと想像して、シンドラーに対して自慢してマウントを取るのではなく、ただただ楽しかったエピソードを話すだけ。天然で話す方が心が痛むと、山ちゃん（山田さん）も言っていた」と役作りについて明かした。

　ベートーヴェンの死後、勝手に“ベートーヴェンの親友”と記した名刺を配りまくり、音楽関係者に怪しまれていたシンドラーとは異なり、楽しそうにベートーヴェンとの思い出を披露するリースにはまったく嫌味はなく、真にベートーヴェンから愛されたリースに完全敗北するシンドラー。山田さんと井ノ原さんの息のあった真逆の演技に、現場スタッフも思わず笑ってしまう映像になっている。

　井ノ原さんが、「かなり昔の話を、今の日本の、フランクな感じでやる。でも、細かいところにはこだわりがあって、その中で今っぽいしゃべりでやるのが面白いので、細かいところも見ていただけると楽しいと思います」と語る通り、セットには一瞬しか映らないものの、市川紗椰さんが演じる愛妻ハリエットと2人で描かれた肖像画が室内にたくさん飾られており、“リア充”な人生を謳歌しているリースと、人生のすべてをベートーヴェンだけにささげた孤独なシンドラーとの対比も表現されている。

　今作は、大型LEDディスプレーに背景3DCGを表示し、その前で被写体を撮影するという最先端技術を駆使したバーチャルプロダクションでの撮影を実施。日本に居ながらにして19世紀のウィーンの世界を再現した。さらに、劇中ではベートーヴェンの名曲を全編に使用。リアルな映像と映画館ならではの音響で聴くベートーヴェンの名曲で目と耳から楽しめる新たな映画体験を提供している。

　さらに、舞台となったウィーンで行われる「Japannual日本映画祭」で今作の公式上映が決定した。上映は10月5日を予定している。