解説:「あんぱん」“のんべえ女子”琴子がハマり役 「愛と勇気を共有できる人になりたい」鳴海唯の素顔と魅力

連続テレビ小説「あんぱん」に出演する鳴海唯さん
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連続テレビ小説「あんぱん」に出演する鳴海唯さん

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)に出演する俳優の鳴海唯さん。ヒロイン・のぶ(今田さん)と共に、高知新報に戦後初の女性記者として入社した小田琴子を演じている。社内でのおしとやかな振る舞いとは裏腹に、お酒がらみのエピソードに事欠かない“のんべえ女子”の琴子。そんな琴子を好演中の鳴海さんの、素顔と魅力を過去の発言からひもといてみたい。

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 ◇“近くにいる人を笑わせたい、楽しませたい”気持ちがある

 鳴海さんは1998年5月16日生まれ、兵庫県出身の27歳。2018年に俳優として活動を開始。翌年の朝ドラ「なつぞら」で、主人公・奥原なつ(広瀬すずさん)が育てられた柴田家の次女・明美を演じ、注目を集めると、求人情報サイト「レバテック」をはじめ、Nintendo Switch「超探偵事件簿 レインコード」「クラレ」「JCBカード」「若築建設」といったCMにも次々と起用される。

 2021年12月公開の映画「偽りのないhappy end」では主演を務めるなど、俳優としてキャリアアップを続ける中で、一つの転機となったのが、2023年4月の芸能事務所「フラーム」への移籍。ほどなくして、同年の大河ドラマ「どうする家康」への出演が発表され、同じころに初の写真集「Sugarless」(玄光社)が発売に。

 同写真集では、水着やランジェリーショットに初挑戦した鳴海さんだが、それ以上に目を引いたのが、鳴海さんの愛らしさとちゃめっ気。素の笑顔に加え、おどけたり、おちゃらけた様子も写し出されていて、発売に合わせたインタビューで「やっぱり自分は“ふさけたい人間なんだな”と思いました(笑)。分かっていたつもりなのですが、ふざけないと生きていけないっていうくらい、根底には“近くにいる人を笑わせたい、楽しませたい”っていう気持ちがあるんだなってことを、(完成した写真集を)見ていて改めて思ったというか」と鳴海さんは話していた。

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 性格はある種、コメディー向きとも思える鳴海さん。自身、初の大河ドラマとなった「どうする家康」では、本多忠勝(山田裕貴さん)の娘・稲役を務めたが、稲は、初登場回(2023年9月17日放送の第35回)から、“教育係”の於愛(広瀬アリスさん)に団子を盗み食いしているところを見つかり逃げ回るような、手のかかる“やんちゃな姫”で、どこか鳴海さんの素のキャラクターとも合致。一方で、抜群の透明感、凛とした美しさ、意志の強そうな大きな瞳にやどる“目ヂカラ”も巧みに役へと昇華し、「忠勝の娘」としての説得力を存分に感じさせてくれた。

 ◇性格は男っぽくてパワー強め? 自然と人を笑顔にさせる魅力

 そんな鳴海さんが、「なつぞら」以来、6年ぶりの朝ドラとなる「あんぱん」で挑んでいるのが小田琴子役。琴子はふだんはおしとやかだが、酒が入るとじょう舌になる二面性のあるキャラクターだ。初登場となった第66回(6月30日放送)から、同僚となったのぶを飲みに誘うと、豪快にカストリをあおりつつ、入社理由は“婚活”で、社内では“猫をかぶっている”ことを自ら暴露。そのどこか男勝りで、飾らない姿に対して、一部視聴者から「友達になりたい」との声も上がった。

 男勝りで飾らないといえば、鳴海さんも以前、自身について「ふわふわ要素は私の中にまったくない」「普段から『男っぽい』とか『つくろっていない』とか、『芯があるよね』『パワー強め』とはよく言われる」と語っていて、元々“琴子要素”を持っていたことは間違いない。だからこそ、今回もハマり役になっているのであろう。

 劇中ではのぶ、さらには嵩(北村匠海さん)の仕事に恋にと好アシストしつつ、ブレない“のんべえ女子”ぶりが、見ていてなんだか楽しい琴子役。余談ではあるが、2021年6月に横浜スタジアム(横浜市中区)で行われたプロ野球の始球式では、ボールを忘れてマウンドに上がるという“天然ぶり”で話題になったこともあり、自然と人を笑顔にさせる“何か”を持ち合わせているのも、鳴海さんの魅力だろう。

 「あんぱん」の出演にあたって、今作の企画が発表される前、何も知らずに「私はアンパンマンのような人になりたいです」とオーディションシートに書いていたという鳴海さん。直近のインタビューでは、その理由について「以前から『愛と勇気を共有できる人になりたい』と思っていました」とも明かしていて、「愛と勇気の物語」となる本作ではもちろんのこと、この先の活躍に期待できそうだ。

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