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解説:注目度ランキング 「あんぱん」前半戦 視聴者を最もクギヅケにした場面は?

「あんぱん」注目度ランキング(第1回~第65回)

 折り返し点を過ぎ、いよいよ後半戦に入った、現在放送中のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月〜土曜午前8時ほか)。前半の第1回から第65回までには、ヒロイン、のぶ(今田美桜さん)の結婚や、飢えのため嵩(北村匠海さん)が生死をさまようなど戦地での出来事、出征する豪(細田佳央太さん)と蘭子(河合優実さん)の別れなど、さまざまな名場面が頭に浮かぶ。視聴者はどの回を最も熱心に見ていたのだろうか? テレビの前の視聴者が画面に“クギヅケ”になっている程度を示す「注目度」を基に、調べてみた。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。数字が高いほど、番組に夢中で目が離せなくなった人が多かったことが分かるというわけだ。

 ◇ヤムおんちゃん強し 2場面が世代、性別を問わずランクイン

 全年代が対象となる「個人全体」「男性」「女性」に加え、男女13〜49歳の「コア視聴層」の4区分で、どの回の注目度が高かったか、ランキングで示した。

 いずれの区分にも上位5位までに登場したのが、「ヤムおんちゃん」こと屋村草吉(阿部サダヲさん)が、のぶの頼みを受け1回だけの約束であんぱんを焼く第8回だ。あんぱんづくりの工程が丁寧に紹介され、こちらも一緒に食べたくなる回だった。

 また、憲兵から乾パンの製造を命じられ絶体絶命の朝田家に、当初は乾パンづくりをかたくなに断っていた草吉が戻ってきて乾パンを焼く第45回も「男性」以外の3区分にランクインしている。第45回は「コア視聴層」では1位で、データからは、ヤムおんちゃんの人気の高さがうかがえる。

 作品にとって重要な位置づけとなる戦地でのシーンでは、嵩が宣撫班の勤務を命じられ、現地住民を懐柔するための紙芝居づくりを始める第56回が「コア視聴層」以外の3区分でランクイン。「個人全体」では1位に入った。嵩が親友の健太郎(高橋文哉さん)と中国人の前で紙芝居を披露する、続く第57回が「コア視聴層」の3位に入っており、この一連のエピソードは視聴者の関心が特に高かったようだ。

 「男性」の1位はのぶが高知新報の入社試験を受けた第65回。「個人全体」では3位に入った。面接で「愛国の鑑(かがみ)」として戦時中に記事に取り上げられていた過去を追及されるという、視聴者にとっても思いがけない展開もあり、男性を中心とした視聴者がより引き付けられたのかもしれない。

 ◇蘭子の怒りと悲しみを体現した河合優実 女性の心つかむ

 「女性」のランキングは、他の3区分とは少しカラーが異なっている。1位は、そっと家を出ていこうとする母親の登美子(松嶋菜々子さん)を幼い嵩と千尋(平山正剛さん、大人になってからは中沢元紀さん)が追いかける第3回。母と子の悲しい別れを描いた第1週の見せ場の一つだった。

 3位には、豪の戦死の知らせが入り、蘭子をはじめ朝田家一同が悲嘆にくれた第38回。「どこが立派なんがで」。周囲が「立派だ」と言うたびにくやしくてたまらないと自身の秘めた思いを、蘭子はのぶにぶつける。強く感情に訴えかけるようなエモーショナルな回が女性の視線をくぎ付けにしているように感じる。

 ◇“神回”と話題になった蘭子と豪ちゃんの別れの回は? 

 出征を前に、壮行会をたまらず抜け出してしまった豪を蘭子が追いかけ、「うち、おまさんのこと、うんと好きちや」とようやく気持ちを伝えることができた第29回は「神回」などと呼ばれていたが、注目度は意外に低かった。「個人全体」は54位で、「コア視聴層」は63位。「女性」は4区分の中で最も上位だったが、35位だった。

 飢えで、地面に倒れこみ、意識が遠のいた嵩の前に、父の清(二宮和也さん)が現れる第59回も話題になった。これまで嵩の幼少期の回想シーンでしか登場していなかった二宮さんがサプライズで登場したためだと思われる。清は嵩に「こんなくだらん戦争で大切な息子たちを死なせてたまるか」と言い、「おまえは父さんの分も生きて、みんなが喜べるものを作るんだ。何十年かかったっていい。あきらめずに作り続けるんだ」と語りかけた。

 今後の「アンパンマン」につながるエピソードともいえる内容で、主題歌であるRADWIMPSの「賜物」が流れる通常のオープニングがない異例の演出回だった。「個人全体」で10位とまずまずの注目度だったが、「コア視聴層」は28位と若い層には他の回と比べると今一つ響かなかったのかもしれない。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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