解説:“朝ドラヒロインの妹→朝ドラヒロイン”ルートは、決して「広き門」じゃない それでも期待したい名前

連続テレビ小説「あんぱん」でヒロインの妹を演じる河合優実さん(左)と原菜乃華さん (C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」でヒロインの妹を演じる河合優実さん(左)と原菜乃華さん (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、ヒロイン・のぶ(今田さん)の妹(次女)の蘭子を演じる河合優実さんが話題だ。直近放送の第5週では、蘭子の縁談と恋(失恋?)が描かれたが、河合さんは“真ん中っ子”のバランス感覚のようなものを仕草や表情で繊細に表現。改めて「演じている姿をもっと見てみたい」と思わせてくれた。“もう一人の妹”メイコ(三女)役の原菜乃華さんもここまで、末っ子らしい愛らしさで花を添えている。「未来のヒロイン候補」という意味でも注目に値する河合さんと原さんだが、実現の可能性は? 近年の朝ドラ妹役を振り返りつつ、考えてみたい。

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 ◇過去10年の朝ドラでは?

 「あんぱん」へと至る過去10年の朝ドラでヒロインに妹がいたのは、2016年度前期の「とと姉ちゃん」、2017年度前期の「ひよっこ」、2017年度後期の「わろてんか」、2019年度前期の「なつぞら」、2019年度後期の「スカーレット」、2020年度前期の「エール」、2021年度前期の「おかえりモネ」、2022年度前期の「ちむどんどん」の計8作品。

 「とと姉ちゃん」では相楽樹さんと杉咲花さん、「ひよっこ」では宮原和さん、「わろてんか」では堀田真由さん、「なつぞら」では清原果耶さん、「スカーレット」では(当時)桜庭ななみさんと福田麻由子さん、「エール」では森七菜さん、「おかえりモネ」では蒔田彩珠さん、「ちむどんどん」では上白石萌歌さんが、それぞれの作品でヒロインの妹役を経験した。

 改めて言うまでもないが、ここで挙げた“10人の妹”のうち、のちに朝ドラヒロインを演じたのは杉咲さんと清原さんのみ。「あんぱん」のちょうど10年前の2015年度前期の「まれ」でヒロインを演じた土屋太鳳さん(2014年度前期の「花子とアン」でヒロインの妹役)を含めたとしても、“朝ドラヒロインの妹→朝ドラヒロイン”ルートは決して「広き門」ではないと言えるのかもしれない。

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 ◇期待したい名前

 それでも期待せずにはいられないのがファン心理。ことあるごとに“朝ドラヒロイン候補”として名前が出るのが堀田さんで、役の“心の機微”をすくい上げるのがとにかく巧みな印象がある。劇中で時折見せる凛(りん)としたたたずまいも魅力的で、2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」や、翌年の「ドラマ10『大奥』」を経て、いまや実力十分な主演クラスの俳優として、風格さえも漂わすようになった。

 少々悩ましいのが、近年の活躍によって徐々に、朝ドラヒロインが堀田さんにとって“役不足”になりつつあるということか。

 また、「おかえりモネ」で姉妹を演じた清原さんから“朝ドラヒロインの妹→朝ドラヒロイン”ルートのバトンをつなぐという意味では、今年1月期のTBS系日曜劇場「御上先生」(堀田さんも出演していた)も好評だった蒔田さんの名前も外せない。

 さらには、姉の萌音さんが2021年度後期の「カムカムエヴリバディ」でヒロイン役を経験と、実際に“朝ドラヒロインの妹”である上白石さん、一時期“飛ぶ鳥を落とす勢い”だった森さんあたりも候補には含まれるだろう。

 「あんぱん」の河合さん、原さん含め、誰の手が朝ドラヒロインまで届くのか。今後のひそかな楽しみになりそうだ。

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