緊急取調室 (2025)
第7話 赤い殺意
12月4日(木)放送分
今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第121回(9月15日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた程度を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、中盤以降、高い注目度が続いた中で、最高値は午前8時10分の74.6%だった。
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「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家で絵本作家のやなせさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」だ。
第121回は、ようやく世に出た絵本「あんぱんまん」のその後の話。売れ行きは相変わらず低空飛行のままで、それでものぶ(今田さん)は、子供たちに読み聞かせを続けていた。
そして雑誌「詩とメルヘン」の創刊から1年、嵩(北村匠海さん)は他の雑誌の編集長も務め、ますます忙しくなっていた。そんな中、八木(妻夫木聡さん)の提案で、アンパンマンを「詩とメルヘン」で連載することに。だが、連載された「怪傑アンパンマン」はあまり話題にならなかった。1年後、たくや(大森元貴さん)が柳井家にやってきて、「怪傑アンパンマン」をミュージカルにしないかと提案する。
テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を示す「注目度」のグラフは、約1分ごとに上下し、まるでノコギリの葉のような形になった。この日の最高値は午前8時10分の74.6%で、70%台に乗ったタイミングが全15分のうち8回もあった。特にオープニングが終わった後の午前8時4分以降はずっと、高い注目度が続いた形だ。
最高値の午前8時10分台で目立つシーンは、蘭子(河合優実さん)と八木の2人の会話の場面。夜の会社内で、蘭子から「本気で(連載「怪傑アンパンマン」が)大人に受けると思ってます?」と聞かれた八木は「俺はただあいつにあきらめてほしくないんだよ」と心の内を明かす。
別の場面では、連載開始の礼を伝えたのぶが「八木さんもアンパンマン、お好きなんですね」と聞くと、八木は「俺が? 馬鹿を言うな。俺は小さい子供たちをがっかりさせたくないだけだ。読者が大人にも広がれば、アンパンマンは生き残れる」と“商業主義の経営者”っぽい答えをしていた。その時、蘭子も「夢を育てるのにも戦略が必要、でしたね?」と被せていたくらいだ。そんな会社での“ポーズ”とは違い、実は嵩を深く思いやっていることがわかる場面だった。
それを明かすのがほかならぬ蘭子というのも重要な点だろう。蘭子と八木の2人の関係が続いていることが伝わってきたのも注目度が上がった一因かもしれない。
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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