緊急取調室 (2025)
第7話 赤い殺意
12月4日(木)放送分
今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第122回(9月16日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのか? 戦場でのつらい出来事を家族に伝えるという非常にヘビーな内容となった第122回。テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた程度を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値はそんな重い場面の幕開けとなる午前8時8分の74.7%だった。
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「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家で絵本作家のやなせさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」だ。
第122回は、たくや(大森元貴さん)の提案を受けて、「怪傑アンパンマン」のミュージカル制作がいよいよ動き出した。そんなある日、蘭子(河合優実さん)から電話で呼び出されたのぶ(今田さん)と嵩。急いで八木(妻夫木聡さん)の会社に駆けつけると、そこで待っていたのは、嵩と八木の戦友で、戦場で亡くなった田川岩男(濱尾ノリタカさん)の息子・和明(濱尾さんの二役)だった。第122回で主に描かれたのは、田川岩男の戦死を巡る“秘密”が和明に明かされる展開だった。
テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を示す「注目度」は、前日の第121回に続き、全体に高め。超重量級の内容だったにも関わらず、視聴者の視線は画面にずっとクギヅケの人が多かった。中盤以降は最高値となった午前8時8分の74.7%のほか、午前8時10分(74.0%)、午前8時13分(71.3%)と、グラフは3度“山”を作りながら、エンディングに向け緩やかに下降していった。
八木の会社を訪ねてきた和明と、嵩と八木が対面する場面が始まるのは最高値を記録した午前8時8分ごろ。戦死した岩男を演じていた濱尾さんが、和明も演じているため、それ以前の登場シーンの時から見ている側はなんとなく岩男の子ども?とは感じていただろう。蘭子(河合優実さん)が「田川岩男さんの息子さんです」と紹介するのを見て、「やはり、そうか」と感じたはずだ。
和明には息子がいるが、父親としてどう接していいのか分からないと打ち明ける。和明は「それは、父の記憶がないからではないのかと思っています。だから、少しでもいいから父親のことが知りたいんです」と話し、「父はなぜ死んだんですか?」と嵩と八木に問いかける。この辺までが午前8時8分台。来訪趣旨が説明されるだけだが、視聴者には岩男が亡くなった、あの場面が頭にフラッシュバックしたに違いない。この先、どう展開するのか? 期待感が高まったこの場面が、この日の最高値だった。
午前8時9分は71.4%とやや注目度は下がるが、午前8時10分に再び74.0%を記録する。岩男の戦死の状況を教えてほしいという和明の問いかけに、嵩と八木の2人は言葉に詰まる。少し間があり、八木が「君のお父さんの命を奪ったのは……小さな少年だ」と話し始める。八木は「その子は、中国人のみなしごだった。田川兵長によくなついて、お父さんもその子を可愛がっていた」と話し、嵩も「岩男くんはその子にまだ会ったことのないあなたを重ねて、可愛がっていました」と説明した。
事実をすべて話すべきなのか? 説明するとしてどう説明するべきか? 嵩と八木は一瞬、躊躇したのかもしれない。八木が口火を切って、事実を淡々と語り始める。具体的に説明が始まった午前8時10分台がこの日の2番目の注目度だった。
岩男の戦死の状況の説明はその後も続く。「なぜなついていた子供が父の命を?」と尋ねる和明に、八木は、少年が「ゲリラの子」であり、ゲリラ討伐で岩男がその子の両親を殺害したことを伝える。和明は、その少年が処刑されたのかと聞くが、八木は「いや、私が逃がした」と返し、嵩も「それが岩男の望みだったんだ。最後まで岩男はその子のことをかばい続けて、息を引き取った。戦争さえなかったら、2人は誰よりも、心を許し合えていたはずだ」と話した。
この後、午前8時13分にも注目度が高まり、3度目の“山”ができるが、ここは第122回の見どころの一つだったかもしれない。
和明は目を見開きながら「なぜですか? なぜ父は、その少年をかばい続けたんですか? なぜ父は、殺されなければならなかったんですか?」と問いつめる。嵩が「それが戦争なんだよ」と淡々と答える。和明は大きく目を見開き、複雑な表情を浮かべた後、つらそうに顔をしかめた。
「それが戦争なんだよ」。戦争とはいえ、こんな理不尽を和明は受け入れないといけないのだろうか。嵩のセリフは視聴者にいろいろな思いを抱かせる深いセリフとなったのではないだろうか。
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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