解説:「じゃあつく」&「ひらやすみ」 秋ドラマ話題の2作に知る人ぞ知る事実

連続ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」の主演・夏帆さん(右)と竹内涼真さん
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連続ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」の主演・夏帆さん(右)と竹内涼真さん

 “恋人ファースト”な彼女と“亭主関白思考”な彼氏の別れから始まる物語を描いて民放連ドラの台風の目となっている「じゃあ、あんたが作ってみろよ(じゃあつく)」(TBS系、火曜午後10時)。一方、フリーターののんきな青年と多感な上京少女の平屋暮らしを優しく描いて早くも人気のNHKの夜ドラ「ひらやすみ」(月~木曜午後10時45分)。秋ドラマ話題の2作品に、ある縁が存在するのをご存じだろうか。

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 「じゃあつく」は、恋人のために手の込んだ料理を作り、“恋人ファースト”な山岸鮎美(夏帆さん)と、令和の時代には少し珍しい亭主関白思考な海老原勝男(竹内涼真さん)の物語。自信満々でプロポーズをするも、鮎美に「無理」と振られてしまった勝男が、「料理を作る」というきっかけを通じて、“当たり前”と思っていたものを見つめ直し成長していく……というストーリーだ。振られてからの勝男の成長ぶりと、自分らしさを見つめ直す鮎美の思いが話題を呼び、10月7日に放送された第1話の「TVer」での再生数が600万を突破して、TBSドラマ歴代1位を記録するなど、秋ドラマの台風の目となっている。

 「ひらやすみ」は、元俳優で29歳のフリーターのヒロト(岡山天音さん)と山形から上京してきた18歳のいとこのなつみ(森七菜さん)の物語だ。ヒロトが近所のおばあちゃんから譲り受けた東京・阿佐ヶ谷の一戸建ての平屋で、美大入学のため上京してきたなつみと2人暮らしを始めることに。彼らの周りには生きづらい悩みを抱えた人々が集まってくる……というストーリー。11月第1週のスタートながら、優しい世界観が多くの人の支持をあつめ、早くも話題を呼んでいる。

 話題の両作はともに人気マンガが原作。「じゃあつく」は谷口菜津子さんが「comicタント」(ぶんか社)で連載しており、「ひらやすみ」は「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中の真造圭伍さんの同名マンガが原作となっている。

 そして、マンガに詳しい人なら周知の事実だが、谷口さんと真造さんはマンガ家同士の夫婦としても知られている。7月に放送された「川島・山内のマンガ沼」(読売テレビ)には夫婦で登場。「仕事の話は褒めのみ」「互いの作品はあまり読まないようにしている」と、ともに一人のクリエーターとして互いへのリスペクトや配慮を語りつつ、真造さんが描き下ろした谷口さんの似顔絵が谷口さんの仕事場に飾られていたり、モラハラ気質の勝男と違って「真造さんはモラみゼロ」と谷口さんが明かしたりと、夫婦仲の良さもうかがわせていた。

 夫婦がそれぞれ紡いだ物語が、どちらも秋ドラマの話題の中心にあるというのは何ともほほ笑ましい。日常の悩みや成長を描いた二つの作品は、この秋も視聴者の心に寄り添ってくれそうだ。

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