錦織圭選手:「試合に勝って自信をつけることが最重要」 来年1月の全豪オープンに意気込み WOWOWがインタビュー公開

WOWOWのインタビューに応じる錦織圭選手=WOWOW提供
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WOWOWのインタビューに応じる錦織圭選手=WOWOW提供

 テニスの錦織圭選手が、WOWOWのインタビューに応じ、2025年シーズンの振り返り、2026年シーズンに向けた意気込みなどを語った。錦織選手は11月の「横浜慶應チャレンジャー」で約3か月ぶりに実戦復帰。3試合を戦い抜き、ベスト8で2025年シーズンの戦いを終えた。来月の1月18日には「全豪オープンテニス」が開幕し、現在、世界ランキング156位の錦織選手は予選からの出場が濃厚となっている。

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 --シーズン最終盤の横浜慶應チャレンジャーに出場しましたが、今の体の状態は?

 今は悪くはないですけど、痛みとは戦っています。練習しつつ、トレーニングもしっかりとやっているので、全豪までには治ってくれればと思っています。

 --2025年シーズンを終えてどんな心境ですか。

 1月の(ATP250)香港は良いスタートで決勝までいきましたけど、そこからはあまり試合にも出ていないので記憶が飛んでいます。唯一覚えているのは(5月のATP250)ジュネーブのハチャノフ戦です。その試合は、久しぶりに「楽しいな」とか「何を打っても入るな」という感覚が戻りました。そこから腰を痛めてしまったので、それが結構苦しかったですね。やっと自分の中の気持ちとテニスの内容が戻ってきたと思ったところだったので、そこで離脱しなければならない状況が自分の中で戦う場面でした。

 --調子が良い時はオーバーワークになりがちで、けがにつながりやすい?

 よくありますね。そういう時こそ、より体も動いて無理な動きもしてしまうので、調子に乗らないように気を付けなければいけないと思います。自分のテニス人生の中で何回かはありました。

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 --1月の香港で準優勝した時の調子はどうでしたか。

 もちろんうれしいことはうれしいですけど、自分の中ではトップ20、30の選手を倒したとはあまり思わないようにしました。というのも、コートがめちゃくちゃ速く、イレギュラーな大会ではあったので、すごく自信になったというわけではないですが、決勝まで戦うことができたことは評価しています。

 --1月の全豪オープンでモンテーロに勝利しましたが、5セットマッチはどう感じましたか。

 あの試合も大変でしたね(笑)。香港を終えて(体への負担が)きていたので、なるべく回復させようというところでした。自分のプレーも良かったですけど、モンテーロのフォアハンドをはじめとするパワフルなテニスに押されてしまいました。(2セット先取された)あのようなところから逆転するのが自分だなと思います。最初はペースをつかむのが遅いけど、最終的には勝つという、久しぶりに自分の試合ができたと思います。

 --フルセットではなく、ストレートで勝利したい気持ちも?

 もちろんストレートで勝てれば、それが一番いいです。どうしても気の緩みなどがあったり、相手がいるスポーツなので、なかなか自分の調子だけでは結果が決まらないと思います。ファイナルセットにいっても落ち込まずに気持ちをすぐに切り替えられるように、前から準備をしていたりします。気持ちの問題で最後まで戦うことができるかどうか決まるので、集中力を切らさないように意識しています。試合が長引くことにより、体への不安などを試合中に感じることもよくあります。

 --3月の(ATPチャレンジャー)アリゾナで対戦した当時18歳のフォンセカの印象は?

 球が速くて重い。そして、角度があって良いプレーをする選手だと思います。めちゃくちゃパワフルで結構サーブもよく、今の若手のテニスの象徴のように感じました。もうちょっとミスが減れば、簡単にトップ10、さらにはトップ5に入ってくるようなテニスだと思いますし、性格もトップに行くためのパーソナリティもあると思います。

 --ご自身が18歳の頃、ナダルに「圭は将来トップ10に来る!」と言われていて、今は逆の立場ですがどう感じますか。

 (フォンセカは)今までに受けたことのない球の速さで、ラリー中も油断できませんでした。ちょっとでも甘い球だと打ち返されるので、常にプレッシャーがかかっていました。そういった力強さは、若い選手ならではだと思います。フォンセカは確実に上がってくると思います。あとはティエンも、サーブがもう少し強くなればいいところまでいくと思います。

 --5月のジュネーブで途中棄権された当時は長期離脱への不安はありましたか。

 (離脱が)長くなるなとは思っていました。シーズン最初から、場所は違いますが腰の全部分の痛みを味わってきました。歩くだけで痛かったので、結構休むだろうなと思っていました。今年の前半は、腰の上部が痛かったです。そこから、どんどん下の方に痛みが移動して、骨まできたという感じです。

 --(8月のATP1000マスターズ)シンシナティに出場したのは、けがの不安も抱えつつも実践復帰が重要だと思ったからでしょうか。

 シンシナティの時は、セット形式の練習もできていてあまり痛みを感じていなかったです。結構調子が良かったので出場しましたが、案の定痛みが出たという感じです。その後は、特に先のことは考えずに、治療やトレーニングなど一日一日でできることをしていました。

 --来シーズンに向けてどのようなイメージがありますか。

 まずはけがを治して、少しでも多くの試合をこなしたいです。昔のようにたくさんの試合に出場することはできなくなってきています。体の様子を見つつ相談しながら、出られる大会で自分のテニスを戻して良い結果を残したいです。

 --2026年の全豪は予選から出場することになりますが、どのような思いでしょうか。

 これまでタイミングなどラッキーな部分もあり、グランドスラムの予選に出場することがなかったので、ちょっと不思議な感覚はあります。まずは試合数をこなしたいです。一つでも多くの試合に勝って自信をつけることが最重要です。メルボルンは過去に良い結果も出ていて好きな大会なので、いいテニスをできるようにしたいです。

 --自分と同世代、あるいはそれよりも上の世代の選手から刺激を受けることはありますか。

 活躍しているとうれしいです。チリッチや、ゴファン、ラオニッチもそうですね。ワウリンカに関しては尊敬しています。彼の場合はけががあまりないので僕とは違いますが、それでもあの年齢であのレベルで戦えていることはすごいと思います。かっこいいですね、ワウリンカ。

 --シナーとアルカラスの試合をよく見るとのことですが、2人から何を感じますか。

 単純に見ていて楽しいです。どんなショットが出てくるのかという、まるでフェデラーの試合を見ているような感覚が彼らにはあります。フリッツやドレイパーなど他にも強い選手はいますが、ワクワクさせてくれるのはあの2人かなと思います。タイミングも速いですし、打つコースや正確さはすごいなと思います。

 --シナーのテニスが自分に重なる部分はありますか?

 シナーは特に展開が速いと思います。とはいっても、この世の中であれを真似できる選手は誰もいないと思います。(前に出るタイミングなど)彼特有の速さがありますし、今はそれ以外にもプレーのバリエーションをつけようとしていて、どんどん強くなっているなと感じます。

 --体が動けば40歳までテニスを続けたいという発言がありましたが、テニス人生を今後どこまで見据えているのでしょうか。

 40歳まで、は冗談ではありましたけど(笑)。もちろんテニスは好きなので、体が続けばずっとやりたい気持ちや希望はあります。でも、なかなかそうはいかないので、体との勝負になると思います。様子を見ながらですかね。

 --全豪予選に向けてどんな気持ちで挑みますか。

 久しぶりのグランドスラムですし、全豪という天気も良くて好きな場所なので良いプレーをしたいです。大舞台になると自分のスイッチが急に入る可能性もあるので、そういうのにも賭けてみたいです。

 ※……「全豪オープンテニス」(1月18日〜2月1日)は、WOWOWライブで連日生中継される。WOWOW オンデマンドでは全コートをライブ配信する。

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