ザ・ロイヤルファミリー:競馬ファンの心をつかんだ理由 随所にちりばめられた仕掛け、耕造のキャラクターも

「ザ・ロイヤルファミリー」の一場面(C)TBSスパークル/TBS
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「ザ・ロイヤルファミリー」の一場面(C)TBSスパークル/TBS

 12月14日に最終話が放送された、妻夫木聡さん主演のTBS系日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(日曜午後9時)。きょう12月28日は、ドラマの中でも描かれたG1レース「有馬記念」が開催されるが、なぜドラマは競馬ファンからも熱い支持を得られたのか、その理由を探る。

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 ◇人気騎手が続々登場 “武士沢チャレンジ”も毎話話題に

 まず第一に挙げられるのが、競馬関係者たちの出演だろう。JRA(日本中央競馬会)の全面協力もあり、第1話からレジェンド・武豊騎手が登場したほか、リーディング上位を争うクリストフ・ルメール騎手、戸崎圭太騎手、今年の「日本ダービー」を制した北村友一騎手、日本人で初めて「ブリーダーズカップクラシック」を勝利した坂井瑠星騎手など、そうそうたるメンバーが出演して、ドラマを彩った。

 元騎手の勝浦正樹さん、現在は競馬学校の教官を務める武士沢友治さんらの“カメオ出演”も競馬ファンを盛り上げた。特に、武士沢さんを見つけ出す“武士沢チャレンジ”がネット上でも毎話話題となり、競馬ファンを楽しませた要因の一つとなったのは間違いない。

 ◇競走馬のクレジット記載 “答え合わせ”が楽しみに?

 ドラマ内では、競馬の専門用語の解説が行われ、そのたびに名馬たちのレース映像が使用された。

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 シンボリルドルフ、トウカイテイオー、テイエムオペラオー、ウオッカ、オルフェーヴル、アーモンドアイ……さらには現役で活躍しているマスカレードボール、クロワデュノールなど、画面に映った時間は“一瞬”だったものの、競馬ファンの心は躍ったのではないか。

 そして、何よりも競馬ファンの心をつかんだのは、競走馬のクレジットが記載されていたことだろう。

 本作の加藤章一プロデューサーは「(ドラマの)ポスタービジュアルが解禁されて、マイネルホウオウだとすぐに当てられてびっくりしました。それもあって、『みなさん馬のことが好きで、関心があるならテロップにその回出た出演馬を入れるのがいいよね』と、視聴者のみなさんにも喜んでもらえるし、馬にとってもいいかなと思って入れました」と最初は予定がなかったが、競馬ファンの熱量の高さからもクレジットを記載することになったと明かした。

 制作陣の計らいもあり、どの競走馬が登場していたのか、放送後にはSNSで“答え合わせ”をするような声が集まり、競馬ファンの楽しみになっていた。

 ◇視聴者を引き込んだ耕造のキャラクター

 競馬ファンに限らず本作の視聴者を“定着”させられたのは、登場人物の山王耕造(佐藤浩市さん)のキャラクター性も大きい。

 「馬の価値は金額か。それとも戦績か。俺はそれだけじゃないと思うよ。馬の価値はな、数字なんかじゃ計れないんだよ」と何よりも馬を思う気持ちを出したせりふ。そして、北海道の日高地方の小さな牧場で生まれた馬で「有馬記念」勝利を目指したこと。

 「強いだけじゃ選ばれない。ファンに愛され、その走りを認められた馬だけが選ばれるんだ。その中で1着を決める。情がある。愛がある。しかも年末のお祭りだよ。1年分の負けた記憶が吹き飛んじまうんだ。つまり、勝ち逃げってやつだよな。最高だよ。俺たちは有馬記念で勝つ。絶対」。競馬の祭典とも呼ばれる「日本ダービー」ではなく、「有馬記念」で勝ちたい思いをぶつけ、競馬ファンからも多くの共感が集まっていた。

 もちろん、ドラマにはまる理由は人それぞれあるだろうが、「ザ・ロイヤルファミリー」には競馬関係者だけでなく、競馬ファンにも楽しんでほしいという思いが、随所に感じられた作品だった。加藤プロデューサーは「僕の気持ちとしてはやりたいな、と思っています」と“続編”への思いも口にしていたが、首を長くして、その日が来ることを楽しみに待ちたい。

ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」相関図公開! 競馬の世界が舞台 妻夫木聡主演「撮影がとにかく楽しみ」

ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」相関図 (C)TBSスパークル/TBS
ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」相関図 (C)TBSスパークル/TBS

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