豊臣兄弟!:「少年マンガっぽさ」はあえて 前半戦を総括、ドラマは「新しいフェーズ」に 気になる「本能寺の変」は

大河ドラマ「豊臣兄弟!」の一場面 (C)NHK
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大河ドラマ「豊臣兄弟!」の一場面 (C)NHK

 仲野太賀さん主演の大河ドラマ豊臣兄弟!」(NHK総合、日曜午後8時ほか)。5月3日放送の第17回「小谷落城」で、信玄(高嶋政伸さん)が死に、義昭(尾上右近さん)は京を追われ、浅井・朝倉も滅びと、物語的にはひと段落といったところだろうか。ここにきて“戦国もの”としてグッと重厚さをまとうようになったドラマだが、作品を特徴づけていた「少年マンガっぽさ」に関しては「あえてそういうふうに」やってきた部分もあったとか。「豊臣兄弟!」のチーフ演出・渡邊良雄さんにここまでを総括してもらった。

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 ◇コメディー要素も際どい表現も受け止めてもらえている

 「豊臣兄弟!」は、65作目の大河ドラマ。豊臣秀長(小一郎)を主人公に、兄・秀吉(藤吉郎)とともに強い絆で天下統一という偉業を成し遂げる豊臣兄弟の奇跡を描く、夢と希望の下剋上サクセスストーリーだ。

 渡邊さんが今作を手がける上で最初に考えたのは「主人公たちの青春物語」。

 ここでいう「青春」は年齢的なものではなく、あくまで「気持ち」の部分で、「戦国時代に殴り込んでいく2人(小一郎と藤吉郎)の躍動感を描きたいというのがありましたし、バディーものとして考えたとき、シリアスな面だけじゃなく、兄弟ならではのいじり合いみたいなものも含めたコメディー要素も、バランスを見ながら入れていきたいなと。だからよく『少年マンガっぽい』と評されますし、あえてそういうふうにやっている部分はあります」と説明する。

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 時代に合わせて、兄弟の年齢はもちろん、ポジションが上がるに従って、「昔のようにはいかなくなっていく」のは承知の上。ただここまでの前半戦に関しては「兄弟のいじり合いやからかいで見せるコメディー要素、またはフットワークの軽さを大事にしたいなと思って作ってきた」のは間違いないという。

 一方で、“戦国もの”として避けられないのが人の死。それは戦のシーンに限らずで、第2回「願いの鐘」(1月11日放送)における、小一郎(仲野さん)の農民仲間の一人、信吉(若林時英さん)が悲しい最期を迎えた際の、胴体から首が切り離された“残酷描写”も一つの例として挙げられる。

 「脚本上はそう書かれていなかったのですが、信吉が首を切られて死ぬ、その首を小一郎が抱きしめて慟哭するっていうふうに演出させていただきました。ものすごく日常的な部分と、ある種の不条理な死が表裏表裏一体になっていて、死というものが、すごく日常の中に入り込んでいた時代が戦国。コメディー要素と戦国時代のシビアさとのバランスを考えて皆さんに届けたものが支持されているとすれば、僕らとしてもすごくうれしいですし、そういう際どい表現も受け止めてもらえている手応えみたいなものは感じています」

 ◇「本能寺の変」はオープンオープンセットでの撮影に

 第15回「姉川大合戦」(4月19日放送)、第16回「覚悟の比叡山」(4月26日放送)と戦で死体の山が築かれ、第17回「小谷落城」でも、朝倉景鏡(池内万作さん)が朝倉義景(鶴見辰吾さん)の首を斬り落とすシーンがあった。血なまぐさい展開が増えると同時に「少年マンガっぽさ」は薄まってきたように思えるが、果たして……。視聴者からは「少年マンガ展開、終了」などの声も上がっているが、渡邊さんも「第18回からは新しいフェーズに入っていく」と明かす。

 その先には当然、一つの山場として「本能寺の変」がある。

 「最終的にどういう形で皆さんに届けられるかは分からない」としながらも、今回の「本能寺の変」はオープンオープンセットでの撮影になっているといい、「あまり詳しくは言えないのですが、信長がはっきりと自害するシーンはある」とのこと。

 「本能寺の変」のあとの“豊臣兄弟”だが、特に藤吉郎(秀吉)は、「信長の理想を受け継ぐのは自分。他の連中じゃないんだ」と覚悟を決め、”天下人モード”に入っていくといい、小一郎(秀長)も天下人へと向かう藤吉郎を見て「当然、『自分も変わなきゃいけない』というふうになっていくことになると思います」と渡邊さんは予告していた。

 第5章「近江長浜編」が開幕する第18回「羽柴兄弟!」は5月10日に放送される。(岸谷史生/MANTANWEB)

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