週の平均視聴率が21%以上と好調のNHK連続テレビ小説「花子とアン」の最終週がついに22日から放送される。最終週のタイトルは「曲がり角の先に」で、吉高由里子さんが演じる花子が激しい空襲をくぐり抜け、命を懸けて翻訳した「アン・オブ・グリン・ゲイブルズ」(日本語版タイトル「赤毛のアン」)を出版すべく奔走する姿や、戦争直後に花子と仲たがいした“腹心の友”の蓮子(仲間由紀恵さん)との友情の行方が描かれる。
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10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
ドラマは、「赤毛のアン」などを翻訳した主人公・花子の明治・大正・昭和にわたる波瀾(はらん)万丈の半生を、「Doctor−X」(テレビ朝日系)などの中園ミホさんの脚本で描いている。原案は、花子の孫・村岡恵理さんの著書「アンのゆりかご」。花子は山梨の貧しい家に生まれ、東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活をへて東京の出版社に勤め、翻訳家の道へと進んだ人物で、吉高さんが10~50代を演じている。
ドラマは美輪明宏さんがナレーションを務め、吉高さん、仲間さんのほか鈴木亮平さん、賀来賢人さん、黒木華さん土屋太鳳さん、窪田正孝さん、吉田鋼太郎さん、中島歩さん、高梨臨さん、お笑いコンビ「ハリセンボン」の近藤春菜さんら多彩なキャストが集結。仲間さんが演じる華族の令嬢・蓮子の波乱万丈の人生や吉田さんや近藤さんら個性豊かな脇役の演技も話題を呼んだ。
最終週は、父・吉平(伊原剛志さん)の葬儀を終えて甲府から東京に戻った花子は「アン・オブ・グリン・ゲイブルズ」を出版してくれそうな出版社を探して歩く。しかし、カナダ人作家のモンゴメリが日本では無名だったこともあり、いい返事をもらえないでいた。そんな中、蓮子の夫の龍一(中島さん)が村岡家を訪ねてくる。龍一は、花子と英治(鈴木さん)に蓮子の最近の様子を打ち明ける……という展開。
見どころは、出版を断られ続けていた「アン・オブ・グリン・ゲイブルズ」が「赤毛のアン」として世に出るまでの道のりがどう描かれるか。「『赤毛のアン』に学ぶ幸福になる方法」(講談社文庫)など、「赤毛のアン」に関する著作もある脳科学者の茂木健一郎さんが「赤毛のアン」の出版を決める小鳩書房の社長役で出演することはすでに話題になっており、物語のクライマックスの展開に注目が集まる。また、花子が戦時中、ラジオで戦争や軍隊のニュースを読んでいたことから亀裂が生じていた蓮子との友情が“復活”するか……。“女の友情”を中心に据えて書くのは同ドラマが初めてという脚本の中園さんが、花子と蓮子の友情をどのように締めくくるのかを見守りたい。
「花子とアン」はNHK総合で毎週月~土曜午前8時ほかで放送中。27日が最終回となる。なお、甲府時代、幼なじみの花子をひたすら見守り続けた窪田さんが演じる朝市と朝市の結婚相手・ちづ江(石橋杏奈さん)の物語を描くスピンオフドラマ「朝市の嫁さん」がBSプレミアムで10月18日午後7時半から放送される。本編では描ききれなかった花子の兄・吉太郎(賀来さん)と花子の女学生時代の友人、醍醐(高梨さん)の物語や女流作家の宇田川(山田真歩さん)と別れた夫(武井壮さん)との関係も描かれる。
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