阪東妻三郎:幻のフィルム復元 “知られざる顔”に息子・田村亮も驚き

WOWOWのドキュメンタリー番組「ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望」の試写会に出席した田村亮さん(左)と幸士さん
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WOWOWのドキュメンタリー番組「ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望」の試写会に出席した田村亮さん(左)と幸士さん

 WOWOWのドキュメンタリー番組「ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望」の試写会が24日、東京都内で行われ、阪東さんの息子と孫に当たる俳優の田村亮さん、幸士さん親子が出席した。日本映画史に名を残す“バンツマ”こと阪東妻三郎さんの知られざる壮大な夢と野望に迫った番組で、復元された貴重なフィルム映像に亮さんは「びっくりしました」と驚きを語った。

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 阪東妻三郎は俳優の田村高廣さん、田村正和さん、田村亮さんの父親で、大正から昭和にかけて活躍し、“バンツマ”の名で多くの人に愛された日本映画史に名を残す不世出の剣げきスター。番組では、幸士さんが祖母から譲り受けて保管していた貴重なフィルムを復元し、そこに残されていた妻三郎さんの意外な姿から、自らの映画を世界で公開し、日本映画のマーケットを拡大しようと野望を抱く知られざるビジネスマンとしての顔に迫っていく。

 復元された幻のフィルムには、妻三郎さんの子煩悩な素顔を映すホームムービーや、1953年に逝去した際の本人の葬儀の模様、世界進出を目指してあがく姿など貴重な映像が含まれており、番組では初公開となるアメリカの映画会社に保管されていた書類、身近な人々の貴重な証言などを糸口に、時代を先取りしていたバンツマの苦悩や夢を浮き彫りにしていく。

 フィルムの映像には、妻三郎さんが世界進出を目指すため、ある人物に丁重に頭を下げているシーンもあり、亮さんは「父が生きていたら絶対あの映像は見せるなっていったかもしれないですが」と笑いつつ、「非常に華やかな大スターであったけども、見えないところで苦しんだりした、頑張ったんだなというのを今日初めて見ました。今まで見たことがなかった。人間みんなそうなんだというのを認識しなきゃいけないなと思いました」としみじみと語った。

 一方、今回の番組を企画したという幸士さんは「誰々の孫、誰々の息子といわれるのが嫌で社会人になった」と役者の誘いを断ってきたが、番組制作会社で働きながら祖父や父の映像をじっくりと見るようになり、8年前に俳優の道へと進んだ。今は「同じ仕事をできることがすごくうれしいですし、(亮さんとは)まだ芝居で共演したことがないので、肩を並べられる役者になれるように頑張りたい」と親子共演の希望を口にすると、亮さんは照れくさそうに笑みを浮かべていた。

 「ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望」は、俳優の大森南朋さんがナレーションを担当。9月5日午後1時からWOWOWプライムで放送予定。

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