女優の三田佳子さんが、21年ぶりにNHK大河ドラマに出演することが話題になっている。「いのち」(1986年)と「花の乱」(94年)で2度の大河主演を経験した“大河女優”として知られる三田さんは、井上真央さん主演の「花燃ゆ」で11日放送の第41回から架空の人物・阿久沢せいを演じる。「役を通してドラマに活力を与えていければ。断ったら女優がすたるかな? と考えた」という三田さんに、役や大河への思いを聞いた。
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「花燃ゆ」は、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰(伊勢谷友介さん)の妹・文(井上さん)が主役のオリジナル作品。ドラマで文は長州藩の奥に入った後、名を美和と改めている。美和は長州藩の尊王攘夷派の中心人物・久坂玄瑞と結婚し、久坂が死去した後は、群馬県初の県令(現在の県知事)の楫取素彦と再婚した人物で、ドラマでは困難を乗り越えた美和の生涯が描かれている。
三田さんが演じるせいは、群馬県勧業課の重鎮・阿久沢権蔵の妻。夫が営む飛脚業・阿久沢商店を支えながら、自身は小さな製糸工場を運営している。群馬で美和や楫取夫妻を支え、美和のよき理解者となる。また、いち早く器械式製糸機を導入するなど、群馬の製糸業の発展に尽くすことになる。
三田さんは舞台などで多忙だというが「断ったら女優がすたるかな? 役を通してドラマに活力を与えていければ……と考えた。群馬の母になりたい。真央ちゃんとは初対面だけど起爆剤になれるなら」という熱い思いから、オファーを受けたという。さらに、大河について「大河だから、どうしても出たいというわけではありません。ただ、他ではやれない企画に出ることは大事なこと。脇だろうと、主人公だろうと、出演することで何かを感じるのが大河。命懸けでやらないといけない」と思いを明かす。
主演の井上さんについて「ここまで主演をやってきたので、力は十分ついているとは思いますが、私も先輩たちにいろいろ教えてもらったことがある」と大河主演の経験がある大先輩として、継承していきたいこともあるようで「バカみたいな一生懸命さが必要。役を作ることに夢中になれば、超えていくものがある。恥も外聞もなく、やらないとやっていけない。私は命を削りながら1年間やってきた」と話す。
井上さんと演技をする中で「真央ちゃんと心を通わせて打ち解けた芝居もできた」と感じた瞬間もあったそうで、「私までうれしくなる」と笑顔を見せる。
三田さんが演じるせいは豪快な女性で、役作りについて「『かかあ天下とからっ風』ともいわれるように群馬の女性は声が大きい。笑い方も『おほほ』ではなく『わはは』。多少強調させながら、これは群馬の人だ! と思ってもらえるようにしました」と説明する。
また、せいの夫・権蔵を演じる江守徹さんとの共演について「江守さんと楽しみながら演じています。『私たち(の夫婦は)合ってるわね』と話している。2人のシーンが評判になればと思います」と話す。
「役を作っている時が命の源かもしれない」と語る三田さん。「花燃ゆ」で熱演を見ることができそうだ。大河ドラマ「花燃ゆ」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。
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