映画「ロッキー」シリーズの最新作となる「クリード チャンプを継ぐ男」(ライアン・クーグラー監督)が23日に公開された。今作はシルベスター・スタローンさん主演で人気を博したシリーズの新章で、ロッキーの親友にしてライバルであるアポロの息子と出会い、共にチャンピオンを目指して奮闘する姿を描く。ロッキー・バルボアをスタローンさんが演じるほか、アポロの息子であるアドニス・ジョンソンをマイケル・B・ジョーダンさんが熱演。物語だけでなくボクシングのファイトシーンにも熱さがみなぎっている。
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アドニス・ジョンソン(ジョーダンさん)はボクシングのヘビー級チャンピオンだったアポロ・クリードの息子だが、アドニスが生まれる前に死んでしまったため、父について詳しくは知らなかった。アドニスにはボクシングの才能があり、父がロッキー・バルボア(スタローンさん)と死闘を繰り広げたフィラデルフィアへと向かう。そこでアドニスはロッキーを捜し出し、自分のトレーナーになってくれるよう依頼し……というストーリー。
「ロッキー」シリーズの最新作にして初のスピンオフとなる今作は、これまでのシリーズ作を見ていなくとも、熱いドラマと迫力あふれるボクシングシーンが堪能できる。主人公のアポロの息子であるアドニスが、亡き父親とよきライバルで親友だったロッキーを師匠に迎えて成長していくという師弟の人間ドラマを描いた王道のストーリーではあるが、根底にある相当量の熱が魂を震えさせる。難解さや駆け引きといったスリリングな仕掛けはなく、潔いほどストレートで熱いドラマは見ていてすがすがしいほど。シリーズ初見の人でも楽しめるが、往年のファンであれば「ロッキー」の1作目を彷彿(ほうふつ)とさせる展開に胸アツとなり涙腺を刺激されてしまうだろう。“ロッキーの後日譚(たん)”としても楽しめる。老いたロッキーと若きアドニスのそれぞれの生きざまが、世代を超えて感動を呼ぶ。23日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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