スキマスイッチ:音楽活動反対していた父 デビュー14年目の今は「応援してもらえて幸せ」

取材に応じたスキマスイッチの大橋卓弥さん
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取材に応じたスキマスイッチの大橋卓弥さん

 今年メジャーデビュー14年目となる男性2人組音楽ユニット「スキマスイッチ」。ボーカルの大橋卓弥さんが、公開中の劇場版アニメ「SING/シング」(ガース・ジェニングス監督)で本格的な声優に初挑戦している。ギャング集団のボスを父親に持ち、ギャングになることを期待されながら、歌手を目指すゴリラのジョニーという役どころで、自身も音楽活動を「両親に猛反対された」という経験を持つ大橋さんに話を聞いた。

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 アニメは、「ミニオンズ」「ペット」などを手がけたイルミネーション・スタジオの最新作で、歌のコンテスト開催に向け奮闘する動物たちを描いた作品。映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)によると、公開から3週連続で首位を獲得し、累計動員数は260万人、累計興行収入は30億円を突破している。

 取材時は、日本に1体しかないというジョニーの人形を手に現れた大橋さん。父からギャングになることを期待されているというジョニーの声を演じ、「僕も音楽を始めて上京するときに、両親に猛反対されたので、ジョニーと自分は似ている境遇だなと思って、(声に)自分の気持ちを乗せられたらいいなと思っていました」と振り返る。

 劇中では、歌に打ち込むジョニーが父親の愛を感じる場面があり、大橋さんも同じような体験があるという。

 「東京で音楽活動をしていても、ずっと父親は『音楽活動を切り上げて帰ってこい』『いつまでやっているんだ』と言っていたんですが、母親から電話で『お父さん、いつも車で卓弥(大橋さん)の曲しか聴いていないよ』と聞いて、うれしくて涙が出そうになりました。今も、父親の車に乗ると僕の音楽がかかっているので、本当に聴いてくれているんだなって思います」と笑顔で明かす。

 一方で、曲を聴いてくれていることについて直接話したことはないといい、「クールな感じの父親なので、そういうことは言い出しづらいですね。もちろん言えば『聴いてるよ』って言ってくれるかもしれないですけれど、照れくさくて言えないです」と照れ笑い。さらに「最近になって『卓弥の曲は何回聴いても飽きないな』って言ってくれた。『息子の聞き慣れた声だからじゃないの』って言ったんですけど。ひいき目で見てくれていますね。応援してもらえて幸せです」とうれしそうな笑みを見せた。

 今年は2月に「スキマスイッチ」としてセルフカバーアルバム「re:Action(リアクション)」を発売。これまでセルフプロデュースで活動してきた同ユニットが初めて、奥田民生さん、小田和正さんら、敬愛する12組のプロデューサーを招いて制作したアルバムだ。

 声優、アルバムと、新しい挑戦が続く大橋さんに、次に新たにしたいことを聞くと「しばらく新曲のリリースをしていないので、新曲を作ることですね」ときっぱり。

 「今回『リアクション』に参加していただいたアーティストの方々が『スキマスイッチはやっぱり面白いな』と思ってもらえるような作品を書かないとと、自分で(自分に)勝手にプレッシャーを与えています。もちろん新曲を待ってくれている皆さんにも早く届けたいと思って、作っているところです」と明かし、「今年中には、なにかしらの形で……。シングルを出して、アルバムまでいけたらいいですね」と意気込んだ。

 <プロフィル> おおはし・たくや。1978年5月9日生まれ。愛知県東海市出身。ボーカル、ギター、ハーモニカを担当している。スキマスイッチとして「メ~テレ」(名古屋テレビ、名古屋市中区)の開局55周年テーマソング「ココロシティ」を書き下ろし、今年3月に同局の特設サイトで公開された。

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