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奥平大兼:一番感じたのは「人は1人では生きていけない」 夜ドラ「いつか、無重力の宙で」で孤独好む大学生がハマり役

NHKの夜ドラ「いつか、無重力の宙で」で金澤彗を演じる奥平大兼さん (C)NHK

 NHKの夜ドラ「いつか、無重力の宙(そら)で」(総合、月~木曜午後10時45分)で金澤彗を演じる奥平大兼さん。ドラマは「超小型人工衛星」で宇宙を目指す、30代女性たちの2度目の青春物語で、彗は、大学では宇宙工学の研究室に所属し、成績はずば抜けて優秀だが、他人とコミュニケーションを取るのは苦手で、研究室ではややなじめずにいる……というキャラクターだ。奥平さんが、今回ハマり役となっている彗について語った。

 ◇孤独を好む彗は「思考がすごく論理的な人」

 ドラマには、高校時代に「一緒に宇宙に行こう」と夢を語り合った天文部の女性4人が登場する。大人になってそれぞれの道を歩む中、ふと忘れていたかつての夢と再会。「超小型人工衛星だったら、今の私たちでも宇宙を目指せるかもしれない……」と、“あの頃”の自分に背中を押されて、2度目の青春が始まる。

 主人公の望月飛鳥を木竜麻生さん、飛鳥が再会する日比野ひかりを森田望智さんが演じ、飛鳥、ひかりの天文部の仲間・水原周役で片山友希さん、木内晴子役で伊藤万理華さんが出演している。

 彗は、飛鳥たちがよく行くファミレスでバイトをしている大学生。研究室でなじめずにいることを特に気にせず、なんなら人と関わることは「時間の無駄」だと思っている節がある。そんな孤独を好む彗を、奥平さんは「必要か不必要かを常に考えている、思考がすごく論理的な人」と捉えている。

 「他人と一緒に何かをするのが嫌いというニュアンスのせりふがありますが、それはつまり『意味を感じない』からなのかなと。メリットのあることだけを選択して生きてきた、ちょっと人間離れしたキャラクターです。頭が良く、達観した目線で物事を見ていて、飛鳥を含めたみんなが楽しげに雑談しているときでも、『この時間は、プロジェクトに必要あるのか』と考えてしまうタイプです」

 奥平さん自身は「コミュニケーションは大事だと思っている人間」だ。

 「なのですが、少しだけ彗に共感できることがあるとすれば、子供の頃、両親に叱られたときに『前提』を話されるのが苦手だったんです。『前提よりも、要点を教えてほしいな』と思っていた時期がありました。彗にもそんな部分があるのかなと、想像しています」

 ◇彗にとって宇宙はもう「生活の一部」

 彗は大学の仲間から「宇宙バカ」と評されるほど、宇宙への愛が深い。

 「彗は根本的に『わかりやすい人』だと思います。天文部の4人も彗のことを『わかりやすい人』だと思っているのではないでしょうか。彗は自分の感情を隠さないし、隠す必要がないと思っています。だから思ったことをそのまま表に出す。下手したら『気まずい』という感覚もないのかもしれません」

 彗がどんな場面でどんなリアクションをするか常に考えて演じた。

 「彗にとって宇宙はもう『生活の一部』だと思います。意識して『何かをしなきゃ』という感じではなく、呼吸をするように当たり前に宇宙の書物を読むし、調べるし、スマホを持てば宇宙のニュースだけ見ている。宇宙は、目標であると同時に、彗にとって身近なものだと思います」

 ◇彗の変化を見ていただければうれしい

 飛鳥、ひかり、周、晴子の4人と出会い、同じ人工衛星のプロジェクトに参加することになった彗。信頼を寄せる研究室の和泉先生(鈴木杏さん)から言われたある一言がきっかけで、少しずつ心境が変化していくという。

 「人工衛星のプロジェクトとなると、それなりに長い期間をチームと一緒に過ごします。おそらく彗にとってこれだけ長い間誰かと一緒に何かをするというのは、人生経験上なかったことです。そんな中でだんだん湧いてくる彗の感情と、4人の感情が、時間をかけて共鳴しあうようになっていきます」

 それまで合理的だと考えて、可能な限り1人でなんでもやろうとしてきた彗が、同じプロジェクトで飛鳥たちと関わり、4人の取り組み方を目の当たりにして、「こういう選択肢もあるんだな」と知っていくのだとか。

 「一見無駄に思える『遊び心』や、仲間といっしょに達成感を味わう感覚など、4人の姿を観察しながら、みんなでやる意味を考えるようになります。常に物事を論理的に考える彗だからこそ、『誰かと協力しなければ宇宙には行けない』ということを体感しながら、『これも必要性のあることなんだ』と自分の中に落とし込んでいく。そんな彗の変化を見ていただければうれしいです」

 奥平さんが彗という人物を演じて一番に感じたのは、「人は1人では生きていけない」ということ。

 「彗はいい意味で、自分では無敵で怖いものなしだと思っていても、やっぱり人間は弱い生き物だと感じさせてくれるキャラクターです。人が仲間と一緒に何か共通の目標に向かっていく姿は、とてもきれいだと思います。何歳になってもやりたいことがあったらやったほうがいい。そんな勇気をもらえる、とても温かい物語になっています。あらゆる年齢層の方に見ていただきたい作品です」

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