この「田鎖ブラザーズ インタビュー」ページは「田鎖ブラザーズ」のインタビュー記事を掲載しています。
TBS系金曜ドラマ「田鎖ブラザーズ」(金曜午後10時)に出演するお笑いコンビ「ずん」の飯尾和樹さん。謎のノンフィクション作家・津田雄二を演じ、刑事の兄・田鎖真(岡田将生さん)と検視官の弟・田鎖稔(染谷将太さん)の“田鎖ブラザーズ”が行方を追っている。今作を手がける新井順子プロデューサーの作品には、ドラマ「アンナチュラル」(2018年放送)、「MIU404」(2020年放送)、「着飾る恋には理由があって」(2021年放送)に続き4回目の出演で、本作に「怪演中」の飯尾さんに、撮影の裏話を聞いた。
◇津田は「なかなか悲しい人生を送る人物」
ドラマは、刑事の真と検視官の稔が、日々発生する凶悪事件と、公訴時効廃止2日前に時効成立となった2人の両親殺害事件の真犯人を追う物語。
飯尾さんは、オファーを受けた当時を振り返り、「『アンナチュラル』でご一緒していた新井さんからのお話だったので、出演に迷いはなかった」と明かす。どんな役なのかと楽しみにしていた一方で、実際に提示された津田というキャラクターは「なかなか悲しい人生を送る人物」だったという。
新井プロデューサーの作品への参加は今回で4作目。飯尾さんは新井プロデューサーの人柄について、「とても話しやすくて気さくな方。あれだけ仕事ができるのに、とっつきやすい」と信頼を寄せる。演じる津田について新井プロデューサーから「悲しい人です」と伝えられ、その言葉を軸に人物像を膨らませていった。
脚本については、「本当に面白いなと思ったんですけど、同時に嫌な話だなとも感じました」と率直な感想を口にする。主人公の兄弟については、「もし自分が同じ立場だったら、どうしてそうなったのか、誰がやったのかを、自分の手で突き止めたいと思う」と、その選択に理解を示す。
一方で、「当時は時効というものがあったと考えると、いろいろと思うところはありますよね」と時代背景にも思いを巡らせ、「だからこそ、ああいう思いに至るのも無理はないのかなとも思いました」と語る。さらに、「あの年齢だったら、追求できる立場を目指すこともできますし、そういう選択に至る気持ちも分かる気がします」と重ねた。
役づくりに関しては、津田が置かれている状況を意識したという。しかし、津田がある出来事から逃げるシーンで、リハーサルで思わず勢いよく動いてしまい、その様子を見ていたマネジャーから「もう少し人物の状態を意識したほうがいいですよ」と指摘を受けてハッとしたという。「リハーサルで気づけて良かった」と話す。津田という人物が歩む人生を理解するにあたり「自分が経験したことのない状況だからこそ、想像するしかなかった」と語る。
◇印象的な特殊メーク
岡田さんと染谷さんの印象を尋ねると、「もっと話をしてみたかったと思うくらい、柔らかい雰囲気を持っている」と振り返る。
そんな2人の芝居について、目を閉じていても情景が浮かぶほどのリアリティーだったという。「とてもリアルで、どんな顔をしているのかなと画が浮かぶんですよね。切なさや歯がゆさがあって、すごいなと思いました」と感嘆。「ラジオドラマのようにやりとりを聞いていたのですが、それだけでも面白かったです」と、その演技力に引き込まれた様子を明かす。
一方で、「(カメラが)回っていない時は柔らかい人たちなのに、そこからあの演技になるのでびっくりしました。いつ切り替えたんだろうと思いながら見ていました」と、そのギャップにも驚かされたという。
さらに、辛島ふみ役の仙道敦子さんについても、「直前までニコニコと話しているのに、本番になると役になっていて、本当に役者さんはすごいなと」と感心しきり。「仙道さんの切ない表情に引き込まれて、自分も自然と役に入れた」と振り返る。
そうした撮影現場について、「切ない物語ではあるんですけど、撮影現場は明るいんです」と印象を明かし、「そうじゃないと気持ちが張りつめてしまうから」と、物語のトーンとは対照的な現場の空気感を明かした。
撮影の裏側で印象に残っているというのが、特殊メークだ。これまで長時間のスタンバイを経験することが少なかった飯尾さんにとって、1時間ほどかけて施されるメイクは新鮮な体験だったという。「メークさんは明るいのに、こんな悲惨な顔を作るんだなと(笑)」と振り返る。
完成した姿を見た時には、「こういう人生にならないように頑張ろうと思いました」と語るほど、外傷がリアルに再現されていた。「この姿で外に出る時は、顔をちょっと隠しながら(笑)」と明かした。
津田という人物については、「きっと人生の分岐点となるチャンスが何度かあったはず」とし、「反面教師として見てほしい」と呼びかける。
「面白いけれど嫌な物語」と作品の魅力にも触れながら、「いろいろな立場の人が出てきます。自分だったらどうするんだろうと思いながら見ていただけたら」と視聴者へメッセージを送った。