テレビ質問状:ノンフィクションW「拳闘こそ我が命~戦争に翻弄されたボクサー ピストン堀口~」

ノンフィクションW「拳闘こそ我が命~戦争に翻弄されたボクサー ピストン堀口~」(写真提供:ピストン堀口道場)
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ノンフィクションW「拳闘こそ我が命~戦争に翻弄されたボクサー ピストン堀口~」(写真提供:ピストン堀口道場)

 WOWOWは、毎週金曜午後10時に「ノンフィクションW」枠を設け、オリジナルのドキュメンタリー番組を放送中だ。この枠では、見る人を新しい世界へと誘うフルハイビジョンの“ノンフィクションエンターテインメント”番組をWOWOWプライムで毎週、テーマを変えて放送している。8月8日に放送される「拳闘こそ我が命~戦争に翻弄されたボクサー ピストン堀口~」を担当したWOWOWのスポーツ部の宋美恩プロデューサーに、番組の魅力を聞いた。

ウナギノボリ

 −−番組の概要と魅力は?

 日本のプロボクシングでいまだ破られていないのが47連勝の記録。この記録を残しているのは昭和初期のプロボクサー、ピストン堀口です。人気と実力を持ち合わせながらも世界チャンピオンになれなかった理由の一つには、彼と戦争との関係があります。今年は彼の生誕100周年。当時の日記と新たに発見された資料を基に、ピストン堀口の生涯を追う番組です。

 −−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 制作会社の企画で、昨年ボクシング担当だった私に企画が紹介されたのがきっかけです。ボクシングを2年間担当していてピストン堀口の名は知っていたものの、当時のボクシングが時代的にどんな存在だったか、ピストン堀口の驚異的な試合数など、今のボクシングファンにぜひ知っていただきたい事実がたくさんあったというのが、一番の理由です。

 −−制作中、一番に心掛けたことは?

 「ピストン堀口」という人にどれだけ近づくか、ということです。亡くなっている方ですので密着もできない。当時の映像も少なく、試合を実際に見ていた方も高齢の方。日記や当時の記事など資料をしっかり探り、どんな思いで戦時中にボクサーとして生きていたのかを探りだすことが一番に心掛けたことです。

 −−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 ボクシング解説者として絶対的な存在であるジョー小泉さんのご自宅で、当時のパンフレットを出していただいた時は大変うれしかったです。ディレクターさんと一緒に叫んでしまうほどいい状態で保存されていて、とても貴重なものを撮影させていただきました。あとは、当時の再現VTRを作るにあたって、古いリングゴングを探していましたが、いろんなところに問い合わせてもきれいな新品のものしか残っていなくて、あきらめようと思っていました。その時に、イメージとぴったりのものをJBC(日本ボクシングコミッション)さんがお持ちでした。快くお貸しいただき、感謝しております。

 −−番組の見どころを教えてください。

 生涯600試合、今のボクサーでは考えられない試合数をこなし、しかも打たれても下がらないラッシュ戦法で絶大な人気を誇ったボクサー、ピストン堀口。知られざる戦時中の苦悩と戦後、負けても試合を続けたことの意味を明かします。

 −−視聴者へ一言お願いします。

 タイトルの「拳闘こそ我が命」とは、ピストン堀口の座右の銘です。ボクシング一筋で生きたボクサーの生涯を、ぜひ彼の生誕100周年となる年にご覧いただきたいと思います。

 WOWOW スポーツ部 プロデューサー 宋美恩

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