自転車競技をテーマにしたテレビアニメの劇場版「劇場版 弱虫ペダル」(鍋島修総監督、長沼範裕監督)が28日に公開される。「弱虫ペダル」は、渡辺航さんが「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載中の自転車マンガ。今作は、原作者の渡辺さんの書き下ろしによる完全新作のストーリーが展開する。総北高校や箱根学園などのメンバーに加え、人気声優・宮野真守さんが声優を担当する新キャラクターの吉本進も登場し、熱いロードレースが繰り広げられる。
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「弱虫ペダル」は、これまでアニメが2013年10月~14年6月と14年10月~15年3月に放送され、14年にはアニメ第1期の総集編「弱虫ペダルRe:RIDE」、今年6月にはアニメ第2期の総集編「弱虫ペダルRe:ROAD」が劇場公開された。総北高校に入学後、自転車競技部へと入部したアニメやフィギュアが大好きなオタク少年の小野田坂道(声・山下大輝さん)は、激闘の末、全国大会(インターハイ)で総合優勝を果たす。夏も終わりに近づく中、チーム総北にインターハイの成績優秀チームが出場する「熊本 火の国やまなみレース」の出場招待が届く。打倒総北に燃える箱根学園などライバルチームや、炎のクライマーと呼ばれる吉本進(声・宮野さん)が所属する熊本台一など、全国の強豪が集まるレースに向け士気を高める坂道らだが、巻島裕介(声・森久保祥太郎)が英国留学のためレース不参加になることが分かり……というストーリー。
「弱虫ペダル」初のオリジナル長編となる今作は、インターハイが終わった直後に行われるレースが主軸の物語なので、総北メンバーそれぞれの気持ちや、キャラクター同士の絆が画面からひしひしと伝わってくる。そして3年生の引退を間近に控えるという時期設定もあり、「魂の継承」がテーマに掲げられ、クライマックスに向けて先輩から後輩への熱い思いが受け継がれているシーンの数々には胸が熱くなり、目頭を刺激される。レースでは坂道とライバルの真波山岳(声・代永翼さん)との関係や再び繰り広げられる勝負が描かれるなど、気になる状況もきちんと描かれているあたりは、原作者がストーリーを書き下ろしているだけのことはある。相変わらず熱すぎるドラマとレースを展開で、さらに気になる巻島の動向など、おのずと期待が高まる要素が詰め込まれたチーム総北の現行メンバーの最後のレースから目が離せない。TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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